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牡蠣はミネラル豊富で健康にうれしい栄養がたっぷり!気になる食中毒についても解説

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「海のミルク」と呼ばれる牡蠣。岩牡蠣(イワガキ)と真牡蠣(マガキ)に大別されます。栄養豊富なイメージがある牡蠣ですが、実際にはどんな栄養が含まれているのでしょうか? また、牡蠣といえば気になるのが食中毒。その原因や対策についても、管理栄養士がじっくり解説します。

牡蠣の豆知識

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岩牡蠣と真牡蠣の違い

牡蠣は夏が旬の岩牡蠣と、冬が旬の真牡蠣があります。種類によって収穫方法や産地も異なるのが特徴です。

・岩牡蠣:旬は夏。主な産地は山形県、秋田県、石川県など。天然物が多い。
・真牡蠣:旬は冬。主な産地は広島県、宮城県、岡山県など。ほとんどが養殖。

この記事では主に流通量の多い真牡蠣について解説します。

生食用と加熱用の牡蠣、何が違う?

牡蠣は生食用と加熱用が販売されていますが、それぞれ育て方や収穫後の処理に違いがあります。

■生食用:細菌が少ないきれいな海水で育てられたもの、または収穫後に浄化処理をして細菌を少なくしたもの。いずれも出荷の前に細菌数をチェックする、細菌が増加しないための温度管理などの基準が食品表示法で定められている。

■加熱用:収穫後に処理されないもの、生食用の基準を満たしていないもの。これらは加熱用として店頭に並ぶ。食べる前に十分な加熱が必要。

※生食用であっても食中毒のリスクはゼロではありません。妊産婦、子ども、お年寄り、また免疫力が低くなっている方は生食を控えてください。牡蠣の食中毒予防については後ほど解説します。

牡蠣の栄養情報

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生の牡蠣(養殖)100gあたりに含まれる主な栄養素

・エネルギー:58kcal
・たんぱく質:6.9g
・脂質:2.2g
・カルシウム:84mg
・マグネシウム:65mg
・鉄:2.1mg
・亜鉛:14.0mg
・ビタミンB12:23.0μg
・葉酸:39μg

エネルギー(カロリー)は低めなのがうれしい!

牡蠣100gあたりのエネルギーは58kcal、カロリー控えめでヘルシーな食材です。低カロリーなのにクリーミーな味わい、ミネラルやビタミンが補給できるのも牡蠣の魅力ですね。

不足しがちなミネラルを補給

牡蠣はミネラルが豊富です。カルシウムとマグネシウムはともに丈夫な歯や骨をつくります。鉄分は全身に酸素を運び、エネルギー産生にも関わる栄養素。牡蠣に含まれる鉄分の吸収を高めるなら、ビタミンCを含むレモン汁と合わせるのが最適です。おいしい食べ合わせに栄養面のメリットもあるなんてうれしいですね。

亜鉛は正常な味覚を保つ、免疫力を維持するといった働きがあります。また、細胞の生成をサポートして、肌や髪のターンオーバーを促すので、美しい肌や髪を保ちたい人におすすめです。

ビタミンB12&葉酸はペアで摂ろう

チームワークよく働くビタミンB群は上手に組み合わせると作用が高まります。特に相性がいいのがビタミンB12と葉酸のペアで、牡蠣にはどちらも含まれています。このふたつは力を合わせて働き、赤血球の合成に欠かせません。さらに、DNAの合成にも関わる重要なビタミンです。

タウリンが肝臓をサポート

牡蠣に含まれるタウリンは肝臓の働きをサポートする働きがあります。食べ物から取り入れられた主な栄養素は肝臓で代謝されたあと全身に運ばれたり、蓄えられたりしています。そのため、肝臓の機能をサポートすると全身の健康にいい影響があるといえます。

牡蠣に期待できる効果・効能

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美容にうれしい鉄分&亜鉛

鉄分は血液中のヘモグロビンの材料となり、血色のよい肌づくりに役立ちます。亜鉛はケラチンという肌や髪、爪を作るたんぱく質を合成して、それらのターンオーバーをスムーズにしてくれます。

鉄分と亜鉛を効率よく摂るなら、ビタミンCを合わせましょう。美肌レシピとして、ビタミンCを含むレモンを使うほかに、鍋やスープにするのもおすすめ。その際は白菜やキャベツなどビタミンCを含む野菜を合わせて、水溶性のビタミンCが溶け出た煮汁までおいしく味わいましょう。

成長や体調管理に必要なミネラル類を摂取できる!

牡蠣はおいしいのに低カロリー、ダイエット中も安心して食べられます。しかも、日頃不足しがちなミネラル、ビタミンも補給できる優秀な食材です。なかでもカルシウムとマグネシウムは丈夫な歯や骨をつくるので子どもの成長にはもちろん、大人や高齢者がいつまでも健康で丈夫な身体でいるためにも欠かせません。

気になる!牡蠣の食中毒情報

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ノロウイルスの発生状況

牡蠣はノロウイルスによる食中毒のリスクが高い食品として知られています。厚生労働省の食中毒統計を見てみると、平成24年~28年では1年間に発生した食中毒患者数の6割以上をノロウイルスが占めています。これにより、ノロウイルスは非常に感染力が強いことが分かります。また、ノロウイルス食中毒は冬に多く発生するのが特徴です。

食べるときの注意点

■生食するとき

・必ず生食用の牡蠣を選ぶ
・妊産婦、子ども、お年寄りなど抵抗力が低い人は生食を控える

■加熱して食べるとき

・中心温度85℃~90℃で90秒以上の加熱調理をする
・ノロウイルスによる汚染を防ぐため、適切な手洗い、衛生管理等をする

ノロウイルスについて詳しくは下記も参考にしてください。

・厚生労働省「ノロウイルスに関するQ&A」

ノロウイルスに注意して、旬の牡蠣を安全においしく楽しんでくださいね。

 

撮影:黒石 あみ(小学館)

 

【参照】
・文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
・厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
・「からだにおいしい魚の便利帳」藤原昌高監修 高橋書店
・「あたらしい栄養学」吉田企世子 松田早苗監修 高橋書籍
・「一生役立つきちんとわかる栄養学」飯田薫子 寺本あい 監修
・「医師が教える すごい美肌循環」日比野佐和子 アンノーンブックス・北海道 水山林務部 水産局水産経営課「マガキ(牡蠣)」
https://www.pref.hokkaido.lg.jp/sr/ske/osazu/oz01fis/fis062.html
・山形県「天然 岩牡蠣」 https://www.pref.yamagata.jp/020026/kensei/joho/koho/mailmag/pride/iwagaki.html
・秋田県公式サイト「美の国あきたネット」イワガキ
https://www.pref.akita.lg.jp/pages/archive/48293
・石川県「いしかわ四季のさかなカレンダー」 http://www.pref.ishikawa.jp/suisan/center/sigenbu.files/calendar/calendar.htm
・広島県 ひろしまラボ「本格シーズン到来!生産量日本一を誇る下記の最新情報とは!?」
https://www.pref.hiroshima.lg.jp/lab/topics/20211108/01/
・宮城県「南三陸のさかな図鑑-マガキ」
https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/mtsc/kaki.html
・岡山県「海の恵み 岡山かき」
https://www.pref.okayama.jp/page/detail-15824.html
・農林水産省 消費者相談『カキ(牡蠣)の産地と生産量を教えてください』 https://www.maff.go.jp/j/heya/sodan/1510/01.html
・農林水産省 消費者相談『「生食用」、「加熱用」と表示して販売されているかき(牡蠣)はどのような違いがあるのですか。』
https://www.maff.go.jp/j/heya/sodan/2110/01.html
・厚生労働省 令和元年(2019年)「国民健康・栄養調査」の結果 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_14156.html
・厚生労働省「冬は特にご注意!ノロウイルスによる食中毒」
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000182906.pdf
・厚生労働省「ノロウイルスに関するQ&A」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/kanren/yobou/040204-1.html

(最終参照日:2022/11/10)

プロフィール

小嶋絵美
小嶋絵美

フードライター×管理栄養士。好きな食べものは野菜とフルーツ。食べものと栄養について分かりやすく丁寧に伝えることを大切に、コラム執筆を行う。
「食材をシンプルにおいしく」誰にでも作れる簡単レシピを提案している。

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