実は日本人によく似合う色である「赤」
nullダークカラー好きの日本人にとって、“赤い洋服”というと抵抗を覚える人がほとんどではないでしょうか?
「そうなんです。でも赤って日本人の肌色に映えるのと、35歳を越えるとすごく似合う色なんですね。何しろ35歳を過ぎると悲しいことに肌色もだんだんとくすんでくるのですが、その肌色に赤ってとてもよく似合い、かつ若々しく見せてくれるんですね。
また勢いのある色なので、ある程度年齢を重ねないと赤の持つ色のパワーに負けてしまうんです。でもそれが35歳を越えると、パワーがつくんでしょうね。よく似合うようになります。つまり赤は大人になったからこそ着こなせる色なんです。
そして実はいちばん着まわしやすく垢抜けて見える色でもあります。同じ暖色系の黄色やピンクよりも難易度は高めですが、赤は日本人に親しみあるネイビーやブラウンのアイテムと相性がいいので、コーディネートしやすいんです」(以下「」内、福田さん)
色に抵抗のある人は、まずボトムスから挑戦を
とはいえ、色ものの洋服に抵抗があるという人は多いはず。
「そういう方は、ボトムスから取り入れてみてください。いきなり赤のニットやシャツなどトップスから攻めてしまうと、色の印象が強すぎて、今までダークカラーばかりを着ていた人の場合、周りも“いきなりどうしたの”という反応になりがちなので、おすすめしません。
でも、顔から遠いボトムスから始めると、色の印象が弱まるのでいいんですよ。
ボトムスすら抵抗がある、という人は小物をどうぞ。赤い靴やバッグ、ネックレスをアクセントで取り入れてみてください」
なるほど!“抵抗がある人は小物からスタート”、これなら真似できそうです。
では実際の赤の着こなしを見ていきましょう。
赤スカートで気をつけたいことは…
null「赤スカートの魅力は、やはりはくだけで華やかさが演出できること。でも1つだけ注意を。30歳過ぎたら“かわいいコーディネート”は卒業し、大人っぽいコーディネートを目指してください。やはり年齢に合ったおしゃれをするというのは、ファッションを楽しむうえでいちばん大事なことだと思うのです。
それに年齢に合っているからこそ素敵に見えるものですよね。ですからスカートもふんわりフレアーではなく、シャープに見える細かいプリーツタイプをおすすめします。縦のラインが強調され、着やせ効果もありますよ」
(1)スエード調のライダースジャケットで大人っぽくまとめて
「こうしたプリーツスカートのコーディネートでやりがちなのが、ツインニットやラメ入りキラキラカーデを合わせること。確かにそうしたコーディネートも間違いではありません。
でも働くママが着るにはちょっと甘すぎる……そこでカシミアニットとスエード調のライダースジャケットを合わせてシャープに大人っぽくまとめてみました。ジャケットの色に合わせてバッグと靴もキャメルベージュにすることで、すごくまとまりがある印象=きちんと感があるコーディネートになります」
(2)ざっくりニットを合わせて
「チュニック丈のチョコレートブラウンのニットをざっくりと着て、スカートのすそを少しだけ見せる着こなしです。ここ数年、上に着るニットはウエストにインして着ることが多かったのですが、今冬は出して着るのがいいですよ。ただしそのままだと寸胴体型に見えてしまうので、ベルトでマークします。スタイルに自信がある人であればベージュのニットでも構いませんが、着ぶくれが心配な人は断然チョコレートブラウンをおすすめします」
(3)あえて赤×黒は避けて
「赤×黒のコーディネートってやってしまいがち。年末年始、ドレッシーな場面で着るのにはいいと思います。でも普段着るにはかなりキツい印象の色あわせになってしまいます。そこで、赤に合わせるダークカラーは、チョコレートブラウン・チャコールグレーなどニュアンスのある色を選んでください。
このコート、ノーカラーなのでちょっと甘い印象があるのですが、ダークカラーを選べばOK。白やベージュだと甘くなりすぎてしまいます」
赤パンツで気を付けたいことは…
null「今年、カラーパンツブームなので、ぜひネイビーや黒に逃げず、赤に挑戦してほしいと思います。しかもママになるとやっぱりスカートより、パンツを着る回数の方が断然多いですよね(笑)。筋金入りのスカート派だった私ですら、息子が産まれてパンツを履くようになりましたもの。ぜひ1本赤パンツをクローゼットに取り入れて、今冬のおしゃれを楽しんでください」
(1)ブルー系と合わせれば通勤にも使える
「紺のジャケットにブルーのストライプシャツを合わせれば、赤パンツでも通勤に使えるファッションに。
バッグは黒やブラウンではなく、シルバーで華やかに。とはいえ職場環境によっては“うちは赤はちょっと……”というお勤め先もあると思います。そのときは、今、テラコッタカラーのパンツも出ていますので、そちらをどうぞ。
テラコッタは赤みがありつつもブラウンに近い色なので、非常に落ち着いていますし、でもニュアンスのあるカラーなのでおすすめです」
(2)いつものコーディネートに赤いパンツを!
「ママたちの鉄板アイテム・ボーダーTシャツに白いニットカーディガン。“着慣れた組み合わせ”に赤いパンツを投入。これだけで今年らしいコーディネートになりますよ。いつもだったらここにデニムや黒いパンツを合わせると思いますが、それだと面白みのない着こなしになってしまうんですね。おしゃれにはチャレンジ精神がときには必要ですよ」
(3)今年らしさ全開!カラー×カラーの攻めのコーディネート
「ピンクのニットに赤いパンツ!? 色が苦手な日本人にとっては、ちょっと驚きのコーディネートですよね(笑)。でもトップス、ボトムスでビビットな色あわせをするのが今年っぽいコーディネートなんです。
もちろんピンクがビビットすぎると感じたら、もう少し抑えたピンクにしてもいいですよ。こうしたビビットなカラー×カラーのコーディネートはともすれば90年代風になりがちなので、足元は『コンバース』でカジュアルにするのがコツです」
福田栄華
1972年神奈川県生まれ。スタイリスト。文化服装学院スタイリスト科卒業後、『CanCam』(小学館)でのアシスタントを経て、独立。同誌で10年活動後、多くの女性ファッション師で活躍。現在は「ふだんの服で大人のおしゃれ」(朝日新聞出版)、「おしゃれな大人のスウィートコーデ」(主婦と生活社)、「クローゼットにはワンピースが10着あればいい」(光文社)など著書多数。デパートにおいて不定期に「ストール巻き方」イベントやトークショーも開催。また、「オフィス・マリカ」にてプライベートショッピングレッスンも開催中。来年以降のプライベートショッピングレッスンのお申し込みは下記まで。(福田栄華指名でお願いします。)
https://www.office-malika.com/
取材・文/児玉響子 撮影/田中麻以(小学館)