1万円以下でカシミアニットが買えるなんて!
nullもはや福田さん自身の冬の鉄板アイテムと言っても過言ではないという、「ユニクロ」のカシミアニット。
「『ユニクロ』のカシミアニットのよさは、やはり1万円以下という値段の安さ。カシミアを使っていながらこの値段は最強だと思います。しかもこの値段も週末価格やお正月明けのセールになるとまたぐっと下がるのですから、“買わなくてどうする!?”レベルでおすすめ。
さらにはカラーバリエとネックの豊富さも魅力。
今回はクルーネックを選びましたが、お好きなネックを選んで構いません。私は去年まではVネックを選んでいました。Vネックはデコルテの開きが広く、首がすっきりきれいに、かつやせて見えるからです。
でも今年はクルーネックをセレクト。なぜなら私も46歳。年齢的に首がしわっぽくなってきたし、デコルテのあたりがそげてきたのでVネックを着ると、ちょっとおしゃれに見えない気がして」
なるほど、年齢によって首周りのデザインの選び方も変わってくるということですね。
グレーのニットがおすすめな理由
nullでも、あれだけカラーバリエ推しながら、あえてベーシックなグレーをおすすめするのはなぜでしょうか?
「いちばんの理由は、グレーが似合わない人というのはいないからです。誰にでも似合う万能色なんですね。他の色を考えてみましょうか。黒は人によってはキツイ印象を与えてしまいますし、白は着膨れする色です。また、チャコールグレーも顔色を沈んで見せてしまいます。ベージュは似合う人と似合わない人がはっきりと分かれる色です。
でもグレーは見事にどんな人にでも似合うんです。日本人の肌色にフィットする色なんでしょうね。そういった意味でネイビーも日本人に似合う色ですが、ダークカラーにあふれる冬のファッション。あえて明るいグレーを選ぶことで、顔まわりを明るく華やかに見せることができますよ」
では具体的に今年らしい着こなしを見ていきましょう。
(1)旬のカラーロングスカートと合わせて
「カラーのロングスカートと合わせるだけで、ベーシックなグレーのカシミアニットが今年っぽい着こなしに。ただしここにダウンジャケットやダッフルなどボリュームのあるアウターを合わせてしまうと、垢抜けない着こなしになってしまいます。
ですからアウターはあえて辛口なライダースジャケットを合わせてシャープに仕上げるのがコツ。そしてバッグは、ファーを。もう今年は、どこのお店に行ってもファーしかない!というくらいファーバッグがきています。だから買って損はないですよ。
靴は引き続き人気の脚長効果が高いブーティを選びましたが、パンプスやスニーカーを合わせても構いません」
(2)トレンチと合わせれば通勤にも
「黒いシャツとグレーのワイドパンツにグレーのカシミアニットを合わせた、ベーシックカラー同士の着こなしですが、そこにトレンチコートを羽織るだけで、中に着た服が活きてくるのがわかりませんか。
ただ“男前”なスタイリングなため、これで紐靴を合わせたらマニッシュになりすぎてしまうんですね。足元はパンプスで女らしく」
(3)ファーブルゾンで今年顔に
「この冬、ファーやボアのブルゾンがものすごく出ています。どちらもそれぞれ良さがありますが、ママたちにすすめするとしたら断然ファー。ボアもかわいいのですが、カジュアルに着こなすことはできても、きれいめな着こなしにするのは難しいんですね。でもファーであればカジュアルからきれいめファッションまで楽しむことができます。
グレーのカシミアニットとダークグリーンのスカート、これだけだとド定番の着こなしですが、ファーブルゾンを取り入れたことで、エレガントな着こなしになります」
(4)ブルーデニムではなく白デニムを合わせるのが垢抜けるコツ
「普段着として着られるカジュアルな着こなし提案です。こうした普段着スタイルも、ちょっとしたコツでぐっと垢抜けます。
たとえばこの着こなしも、白デニムではなく普通のブルーデニムにしてしまうとあたり前の着こなしに。さらにはそこへ紺のフードコートを合わせてしまうと色のメリハリがなく、ぼんやりとしてしまうんです。
でもパンツを白デニムにし、小物(バッグや靴)をベージュにすることで、明るさをプラス。華やかさが生まれ、ぐっと垢抜けます。2番目のスタイリングもそうですが、暗い色同士のコーディネートの中に、白やベージュが入るとぐっとおしゃれな着こなしになりますよ」
(5)アイテム次第でドレッシーな着こなしも可能
「年末年始の集まりにもおすすめの着こなしです。カジュアルなイメージがあるグレーのカシミアニットもチュールのロングスカートとラメ入りパンプス、パールのついた細ベルトを合わせることで、お出かけ仕様の着こなしに。
またニットの上からベルトをすることで、寸胴体型に見えずスタイル良く見せてくれるんですよ。この視覚マジックはぜひ色々なきこなしで使ってみてください」
カジュアルからドレッシーにまで着こなせるグレーのカシミアニット。いかがでしたか。次回は、どんなアイテムが“買い”でしょうか?
福田栄華
1972年東京生まれ。スタイリスト。文化服装学院スタイリスト科卒業後、『CanCam』(小学館)でのアシスタントを経て、独立。同誌で10年活動後、多くの女性ファッション師で活躍。現在は「ふだんの服で大人のおしゃれ」(朝日新聞出版)、「おしゃれな大人のスウィートコーデ」(主婦と生活社)、「クローゼットにはワンピースが10着あればいい」(光文社)など著書多数。デパートにおいて不定期に「ストールの巻き方」イベントやトークショーも開催。また、「オフィス・マリカ」にてプライベートショッピングレッスンも開催中。来年以降のプライベートショッピングレッスンのお申し込みは下記まで(福田栄華指名でお願いします)。
取材・文/児玉響子 撮影/田中麻以(小学館)