たった1枚の本命を探す方が、トレンドものをたくさん買うより経済的
null日々、たくさんの流行服に囲まれて仕事をしている金子さんですが「流行がどんどん変わる時代の今だから、トレンドものを買い続けるよりも、たった一枚の本命を探すほうが自分らしくいられるし経済的」と考えているのだそう。
「気分が上がる新しい服」を集めても、結局本当によく着るのはワードローブの中のほんの一部だけだったりしませんか? 気に入っている服があるならその「気に入ってる1枚」を着続けてもいい、という金子さんの考え方には「それでいいんだ!!」と背中を押されたような嬉しい気持ちになります。
おしゃれにとことん向き合ってきた金子さんだからわかる、トレンドではなく長く愛せる服の選び方のヒントを教えていただきました。
1:セントジェームスのボートネックカットソー
セントジェームスの定番カットソーはボーダーが人気ですが、私が着るのは無地のもの。ユニセックスで、6サイズと幅が広いのも魅力です。定番だからまた同じものを手に入れられるという安心感もいい。洗濯する度に体になじんでいく過程も好きです。
2:コンバースのオールスター ハイカット
色んなスニーカーを試したけれど、ショートブーツ感覚で履けるオールスターハイカットがNo.1です。よく履くのはグレージュとネイビーのニュアンスカラー。
3:レペットのバレエシューズ
子どもができて、いちばん変わったのは間違いなく靴。スタイリストになる前から私のスタイルに中心にあったのがヒールの高い女らしい靴。それを泣く泣く諦めて……。それまではヒールありきのファッションだったから選ぶものもバランス感覚も何もかもリセットしました。
レペットのバレエシューズを履くようになってコーディネートの幅が驚くほど広がりましたね。いちばんよく履くのはくすんだブラウン(写真中央)。毎シーズン発売される絶妙カラーも楽しみのひとつです。タイツやソックスに合わせることも多いのですべて1サイズ上を買っています。
4:パールのネックレス
雑誌のスタイリングでも使用率No.1のパール。クルーネックにちょうどいい40cmという絶妙な長さが、王道のパールネックレスをモダンに見せてくれます。夏なら白Tシャツ、冬なら白ニットと、白いクルーネックに重ねるのが定番です。
5:マックスマーラのロングコート
以前から、いつかはマックスマーラのコートを、と思っていましたが、このコートを買った次の年も、その次の年もコートが欲しくならなくて。「たった1枚」のいいコートに出合えたら、他の「似たもの」はいらないんだな、と身をもって実感しました。年を重ねるのが楽しみになった1枚です。
6:アロヴィヴィのシートマスク
朝起きたらまず、これ。お風呂を出たら、これ。もうかれこれ10年くらい続けているルーティンです。消耗品だから選びのポイントは肌に優しくコスパがいいこと。無香料、無着色、無鉱物油で、たっぷり45枚入り。
7:マヌカハニーとリポソームビタミンC
とにかく代わりのきかない仕事。それに体調をくずしても育児は待ったなしです。だから健康でいることが何より大事。このふたつは、毎日”いつもの自分”でいられるよう欠かさず続けている予防習慣です。免疫力がアップするといわれているマヌカハニー(MGO400)は就寝前に。疲れやだるさ対策にも効果を感じる”リポC”は朝晩に。
「スタイリストはトレンドを伝える仕事だと思われがちだけれど、私はひとりでも多くの人に『たった1枚』を見つけてもらえるお手伝いができれば……と思いながら、日々雑誌やメディアで発信しています」
そんな風に話してくれた金子さんの「これは間違いない」がたっぷり詰まった本が発売されました。スタイリストならではの洗練されたセンスで選ばれた77のアイテムたちが「なぜコレなのか」という選ばれた理由と共に掲載されています。
おしゃれを少し休んでいる人にも、子どもが生まれて自分のスタイルを見直し中の人にも「自分に必要で似合うものを、きちんと選ぼう」と思わせてくれる、おしゃれゴコロに栄養をくれる一冊です。
撮影/渡辺修身(静物)、金谷章平(人物)
『a only.「好き」だけを集めてつくる、私らしいおしゃれ』
金子 綾/著 ¥1,400(税別)小学館
金子 綾
1979年生まれ。シンプルでベーシックな服を中心にしたキレよく女らしいコーディネートで人気を博すスタイリスト。数々の女性誌やファッションブランドとのコラボで活躍。5歳の女の子のママ。自身のコーディネートを発信するインスタグラム (@ayaaa0707)も人気で注目を集めている。