子育て世代の「暮らしのくふう」を支えるWEBメディア

アウトドア好きママが厳選!子どもと行く「野外フェス」オススメ3つ

コロナ禍での規制が緩和されたことによって、今年は野外フェス開催を復活するところも増えています。子どもと共に行きたいと考えている方に向けた「フェスの選び方」と「オススメのフェス」を、アウトドアのメディアで活躍し、フェスの運営にも携わる福瀧(ふくたき)智子さんに伺いました。

ライブメインではなく、子ども優先のフェス選び

null

福瀧さんの息子さんは、0歳でフジロックフェスティバルデビューを果たした。

大人だけであれば好きなアーティストが出るからという理由で選ぶのもいいですが、子どもが必ずしもライブを楽しめるとは限りません。

 「私は息子が0歳のときと4歳のときに『フジロックフェスティバル』(以下フジロック)に参加したのですが、どちらもすごく大変でした(笑)。正直、自分が好きなアーティストのライブはほぼ見られていません……! でも、新しい体験をさせるイベントとしては子どもにとってパラダイスのような場所だとも感じています」(以下「」内、福瀧智子さん)

 自然の中に複数のステージがあり、心地いい音楽がずっと鳴っています。そんな異世界に、息子さんも大興奮だったそうです。

 0歳のときにはベビーカーに乗って散歩する程度だったので、本人が楽しいかはわかりませんでしたが、4歳のときには、こんな遊び方や表情をするんだ!という気づきが多かったですね。何かを見つけては目をキラキラさせていて、満喫しているのがわかりました。夜は寝袋に入った瞬間に寝ていましたよ(笑)」

 子どもと行くのであれば、あくまで「子ども優先の選び方で」と福瀧さん。ライブ以外にプラスαで子どもが楽しめる要素の多いフェスを選ぶのがポイントだそうです。

 「フジロックの会場内には、キッズランドというミニ遊園地のような場所があったり、川が流れているので、そこで自由に遊べたり、子どもが楽しめる要素がたくさんあるんです。多分、ただライブだけを見る状況だったら、楽しめなかったと思うんですよね」

都市型フェスという選択もありますが、親がアウトドアに慣れているのであれば自然の多い場所がオススメとも福瀧さん。

 「新しい体験をさせるという意味では、自然が多いフェスのほうが子どもも気持ちいいはず。中でもキャンプを重視しているフェスは楽しいと思います。ステージ近くにテントが張れて、そこでライブを楽しむことができるフェスもあるので、それなら子どもも安心ですよね。

ただし、フェスに参加する前に親子でキャンプの経験をしておくことが大事。一般的なキャンプ場とは違って施設も簡易的な可能性がありますし、フェスがキャンプデビューになるのは避けたいところ。テントが立てられない、子どもがテントで寝られないなどのアクシデントがないように準備しておきましょう」

遊び満載のキャンプIN野外フェス3選

null

キッズエリアが豊富。国内最大級の野外フェス 「フジロックフェスティバル」

撮影/宇宙大使☆スター

“自然と音楽の共生”を目指し、1997年にスタートした日本最大級の野外ロックフェスティバル。世界最高峰のアーティストやレジェンドたちが集結し、3日間の動員は10万人以上。コロナ禍では海外アーティスト不在の時もありましたが、今年は完全復活し、海外からも多数アーティストが参加する予定です。

「キッズランド」と呼ばれるエリアではダイナミックなアスレチックが広がり、メリーゴーランドやツリーハウスなども用意されています。「ところ天国」エリアは川遊びをしやすく、木陰にもなっているので、休憩スポットとして親子で利用している姿も。

「会場は南北に4kmという広大な山間部にあるので、靴や雨具はとくに念入りに準備しましょう。デビューの際は近隣エリアで民宿をとったり、キャンプでも1泊に留めるなど、子どもに負担のないスタートの仕方がよいでしょう。中学生まで入場無料なのもうれしいポイントですね!」

開催日:2023年728日(金)〜30日(日)
場所:苗場スキー場(新潟県湯沢町)
出演者:THE STROKESNxWORRIESYEAH YEAH YEAHSDANIEL CAESARDENZEL CURRYなどhttps://www.fujirockfestival.com/

芝生の上でのんびりキャンプが楽しめる「ニューアコースティックキャンプ」

「わらう、うたう、たべる、ねっころがる」 をテーマに掲げるキャンプインフェス。会場はゴルフコースを活かしており、ふかふかの芝生が気持ちいい。フェスのキャンプというと窮屈なイメージもありますが、キャンプエリアが広く、サイトをのびのび作れるのが特徴です。

極上のアコースティックミュージックをBGMに青空の下ねっころがったり、走り回ったり、のんびりした親子時間が過ごせます。また、子どもが参加できるワークショップを複数開催しているのもありがたいです。

「ステージがそこまで多くなく、規模的にちょうどいいフェスです。キャンプをするのに気持ちのいい立地も◎!」

開催日:2023年916日(土)〜18日(月)
場所:水上高原リゾート200(群馬県みなかみ町)
出演者:ELLEGARDEN、青葉市子、フラワーカンパニーズ、リーガルリリー、森 大翔、OAUなどhttps://newacousticcamp.com/

小学生までは入場無料!親子に人気 「阿蘇ロックフェスティバルファイヤー」

2015年に泉谷しげるを発起人としてスタート。音楽だけでなく「体験」をテーマとし、イベント名に「FIRE」を追加。「火の国熊本」を文字通り体感できるコンテンツも。

阿蘇山を背負ったステージは、その存在だけで圧倒的。小学生までは入場無料で親子参加者が多いフェスです。ステージ左側にキャンプスペースがあり(傾斜は注意)、テントサイトにいながらにしてライブを楽しめるのは嬉しいところ。ステージから距離はありますが、焚き火ができるサイトもあります。

「このフェスのキャンプサイトを運営しているメンバーから『親子にオススメ』と評判です。キャンプもしやすく、小規模なので、デビュー戦にもよさそうです」

開催日:2023年9月30日(土)~10月1日(日)
場所:熊本県野外劇場アスペクタ(熊本県南阿蘇村)
出演者:きゃりーぱみゅぱみゅ、yama、サンボマスター、小泉今日子、C&Kなど
https://aso-rockfes.com/

「子どもを連れてわざわざ行かなくても……という声もチラホラ聞こえてくる野外フェス。だからといって親が好きなことを我慢するのではなく、子どもと一緒に楽しめる環境を頑張って親が用意してあげればいいと思うんです。いつも怒ってばかりのお母さんが楽しそうに笑っている姿をみるのは、きっと子どもにとって楽しくうれしい体験だと思っています。子育てはみんなで一緒に笑顔になれるときが絶対必要!」

子連れ野外フェスは、ライブ以外のことで子どもが楽しめる要素があるのかも重要になります。キッズエリアがある、キャンプの環境が子ども向きかなど、目的をひとつに絞らずに選んでみると親子で楽しめそうです。


 

【取材協力】

福瀧智子さん

フリーランスの編集者・ライター。アウトドアやスノーボードなどについての執筆を担当。国内の野外フェス制作にも多数携わる。一児の母。

中山夏美
中山夏美

山形県出身在住。一児の母。出産を機に2020年に東京からUターン。アウトドアとエンタメを得意とするライター。雑誌やWEBメディアに携わる。

pin はてなブックマーク facebook Twitter LINE
大特集・連載
大特集・連載