我が家に最新機能を搭載したドライヤーの2モデルがやってきた!
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どこにでもあるような我が家のドライヤーがこちら。風量だけで選んだといっても過言ではない。悪くないんですよ? 乾かすだけなら。
ライターの福瀧智子(ふくたきともこ)です。アウトドアを専門ジャンルに、フィールドでのレポートや関連道具の紹介記事などを各種メディアで編集・執筆しています。『kufura』にご縁あって、家電の比較記事を書くことになったのが2年前のこと。前回の高性能ミキサーに続き、今回は最新ドライヤーふたつをお預かりし、徹底比較することになりました。
うちに長らく君臨していたのは、某大型日用品店で買った「名もなき格安ドライヤー」。スイッチを入れればただただ熱風が出るだけ、ケアモードなんて上等なものはありません。
ところが先日、我が家にやってきたのは――『ダイソン』と『パナソニック』の最新機種。まさかの“ドライヤー界の2大巨頭”の登場に、庶民代表の私は震えました。なぜなら超!高!級!なシロモノだからであります。
さて、ビビりながら今回比較テストした2機種がこちら。

今回の試用期間、約1カ月。いいところ、今ひとつだったところ、包み隠さずお伝えします。ではいってみましょうー!
まずは『パナソニック』「ナノケア EH-NA0K」を使ってみた
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ナノケア20周年の記念モデルらしい「ナノケア EH-NA0K」。「乾かすだけで髪を美しくケアする」というナノケアの原点を強化し、翌朝のスタイリングのしやすさなど機能性も高めたのだそうです。
よかった点その1 :高浸透ナノイーで本当に髪がしっとり潤う
最大の目玉は、やはり「高浸透ナノイー」。これは『パナソニック』の独自技術で微細化された、水分たっぷりのイオンなのだそうです。最新モデルは従来比18倍(※ナノイーと高浸透ナノイーとの比較=パナソニック調べ)という水分量らしく、実際に乾かしたあとの髪は手ぐしがスルッと通り、毛先もパサつかずしっとりまとまる仕上がりぶり。夏の強烈な紫外線で髪(とくに毛先)がヤマンバ状態だった私にとって、これはちょっと感動でした。『パナソニック』といえば、犬を飼っていた我が家は空気清浄機の方で「ナノイー」にめちゃくちゃお世話になったので(本当に臭いが取れる)、さもありなんという感想ですね。

よかった点その2:モードやノズルが豊富
モードの豊富さもポイント。「温冷リズムモード」は温風と冷風が交互に出て、髪をサラサラ&ツヤツヤに仕上げてくれる。「毛先集中ケアモード」は広がりやすい毛先をしっとりまとめ、「スカルプモード」は地肌にやさしい60℃のぬるめの風。
ホットモード=普段づかい。温冷リズムモード=温風と冷風が交互に出て、髪をツヤツヤに仕上げる。
毛先集中ケアモード=毛先まで美しくまとまる。コールドモード=髪のセットで、長持ち。
スカルプモード=地肌にやさしい約60℃の温風で乾かす。
スキンモード=肌への潤いケア。お風呂上がりの乾燥した肌に1分ほど当てることで肌の潤いもプラス。
速乾ノズル=元々内蔵されていて、すぐ乾かしたいときに。
セットノズル=風をしぼって狙った場所に当たりやすくなる。
根元速乾ノズル=毛量が多い人、髪の根元が乾かしにくいと感じるときに。
ナイトキャップノズル=髪が7割程度乾いた状態で使用。髪の毛をほぐしながら均一に風を届け、寝ぐせがつきにくくなる。
テストで借りていた期間の都合上、寝ぐせ付く・付かないの検証まではできませんでしたが、彦麻呂風に言うところの「ケアモードのデパートやぁ!!」ということです。


よかった(びっくりした)点その3: 顔にドライヤーを向ける初体験のスキンモード
ドライヤーを顔にあてて肌が潤うって、どういうこと? これは入浴後、毎日1分間使うことを前提に、3〜4週間使い続けると肌のキメやしっとり感、肌の保水力が安定するなどの効果が出てくる機能なのだそうです。テストを始めて期間の終盤あたりに変化があるように感じましたが、それは感覚的な話。それとは別で間違いなくよいと思ったことがありました。「顔に当てていい」というお墨付きがあるので、夏の朝、汗でベタベタの顔にサッとあてると肌がメイク前に整う使い方としてとても重宝しました。
よかった点 その4 :スマートセンシング機能

本体には室温や風温を検知するセンサーが入っていて、環境に合わせて自動で最適な風を出してくれます。夏の暑い夜には「熱くしすぎませんよ」と、そしてこれから訪れる冬の寒い洗面所では「ちょっと温度上げますね」と空気を読んでくれるでしょう。まるで気配り上手な執事に髪を乾かしてもらっている気分。
本体のマット質感
見た目の高級感もポイント。マットな質感で手にフィットしやすく、濡れた手でも滑りにくい。デザインも落ち着いた雰囲気で「洗面所で悪目立ちしない」という、小さな満足感も得られました。
さて、この「ナノケア EH-NA0K」を総じて言えば、じっくり潤いを与えて仕上げる“美容家電界の温泉旅館”とでも申しましょうか。これまで髪を乾かす作業が単なる「作業」だったものが、私の野蛮なライフスタイルですらうっすら「美容タイム」に変えてくれる存在と言えました。365日走り続ける働くすべてのお母さんにご褒美としてピッタリと思います。
『ダイソン』「Dyson Supersonic Nural Shineヘアドライヤー」を使ってみた
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よかった点その1: 圧倒的な風量と速乾力
お風呂上がりに「さあ髪を乾かすぞ」と構えると、ドライヤーから放たれる風はまさに“ハリケーンクラス”。普段なら大汗をかきながらショートヘアを7〜8分かけて乾かしていましたが、ドライヤー作業が3分もかからず終了。とにかく速く髪を乾かして、子どもを寝かしつけ、自由な夜のひと時をゲットするために、お風呂上がりは一刻一秒を争う時間。この速さはまさに髪……いや、神でした!!


よかった(すごかった)点その2: 頭皮にやさしいセンサー制御
センサーで頭皮の表面温度が55℃で保たれるため、「熱い〜! もう終わって〜」とこれまでドライヤーを嫌がっていた子どもが「すぐ終わるんだ」と認識し、おとなしくなりました。お風呂上がりがスムーズに終わり、親のメンタル消耗も半減。家の平和を保つ、まさかのピースメーカーでした。

よかった点その3:アタッチメントが実用的
『ダイソン』も3種類のアタッチメントが装備されています。「低温ツール」では子どもの細い髪をやさしく乾かせるし、「なめらかツール」で部分的にセットするのもお手のもの。もっとも便利だったのは、「ツヤ出しツール」。クシとヘアドライを一緒にできる非常に便利なアタッチメントで、角度も動かせるため内側から内巻きに整えるのも簡単でした。


アタッチメントを自動認識&前回の設定を記憶
使い始めると、前回と同じモードに自動で戻ってくれる。「昨日の続きから再生します」みたいに『Netflix』か!とツッコミたくなるけど、これが地味に便利。
さて、『ダイソン』は総じて言えば、圧倒的な風力で一気に乾かす“ドライヤー界のF1カー”というところでしょうか。一般的なドライヤーの約2倍の風を送り出すから、ロングヘアでも乾きが速いでしょう。しかも温度センサーが髪との距離を測定して風温を自動で調整しているので、熱ダメージで髪がバサバサになる心配もなし。スピード命で朝夕の戦場を制したい人にお勧めです。
では続きまして、それぞれの「今ひとつ」だった点。駆け足でいきましょう。
『パナソニック』「ナノケア EH-NA0K」の今ひとつだった点
null1、風量切り替えボタンが小さい
とくに濡れた手だと探しにくく、思わず「あれ、どこ!?」と本体を確認してしまう。
2、多機能ゆえ慣れが必要
モードが豊富すぎて「結局どれを使えば正解?」と迷子になりやすい。
3、折りたためず収納に不便
旅行バッグに入れにくく、出張や帰省には不向き。洗面台の省スペース派にもツラい。
『ダイソン』「Dyson Supersonic Nural Shineヘアドライヤー」の今ひとつだった点
null1、壁掛けフックがない
洗面所のシンク横に吊るして収納している我が家にとって、フックがないのは非常に不便でした。置くことしかできない。
2、風量が強すぎると感じる人がいそう。
髪の毛を乾かすというより、吹き飛ばすという感覚に近い使用感。もちろん風量は3段階で調節可能です。
3、アタッチメントの置き場を選ぶ
仕上がりが変わるため、毎回活用したいアタッチメント。ただしとくにツヤ出しツールは収納に場所を取り気味。これも紐を通して吊り下げられる仕様だったらよいなと思いました。
「ナノケア EH-NA0K」? 「Dyson Supersonic Nural Shineヘアドライヤー」? あなたにお勧めはどっち?
nullさて、結局買うならどっちがいいの?と思いますよね。私が友人知人に勧めると仮定し、タイプ別に分別してみました。
パナソニック「ナノケア EH-NA0K」を勧めたいタイプ
・髪の潤い・ダメージケアを最優先したい人
・美容家電として“髪+肌”を両方ケアしたい人
・夜のケアで翌朝の寝ぐせ対策をしたい人
・国産メーカーの安心感と多機能を重視する人
ダイソン「Dyson Supersonic Nural Shineヘアドライヤー」を勧めたいタイプ
・とにかく速く乾かしたい人
・頭皮や髪への熱ダメージを簡単に避けたい人
・スタイリングを効率よく整えたい人
・未来感あるデザイン&最新技術を楽しみたい人
ドライヤーに求めるものって、人によってまったく違いますよね。
「とにかく早く乾けばそれでいい!」というスピード至上主義派もいれば、「髪も肌もうるおって、朝の私が少しでもマシに見えますように」と願うケア重視派もいる。あるいは「どうせ毎日使うなら、最新テクノロジーのワクワク感も味わいたい!」というガジェット好きタイプも。
今回試した2機種は、そのどれにも応えてくれる力を持っていました。爆風ハリケーンで“速乾命”をかなえるF1カー的(熱ダメージ軽減&なめらかツヤ出し)『ダイソン』と、美容家電界の温泉旅館よろしく“潤いと癒やし”を届ける『パナソニック』ナノケア。どちらを選ぶかで、毎日の「髪を乾かす時間」がまったく別物になるのは間違いないと思います。
しかも、『パナソニック』ナノケアは3万円超え、『ダイソン』に至っては5万円に迫る最上位モデル。最初は「たっか!」と声が出ましたが、実際に使ってみると「お値段に見合う……いや、それ以上」と思わせる技術がしっかり詰まっていました。「乾けばOK派」も、「ケアまで欲張る派」も、「最新家電で遊びたい派」も、ドライヤーひとつであなたの毎日がちょっと楽しく、ちょっとラクになるかもしれません。
以上、みなさまのドライヤー選びの参考になれば幸いです。
【製品概要】
パナソニック「ナノケア EH-NA0K」
サイズ:221×148×74mm
重量:約550g(ノズル含まず)
コード長:約1.7m
温風温度:温風モード時=約95℃(HOT時/室温30℃のとき)スカルプモード時=約60℃(室温30℃のとき)
最大風量:1.6㎥/分(風量「強」のとき)
消費電力:1,200W
本体カラー:チャコールブラック、他3色
価格:38,610円(税込・実勢価格)
パナソニック
ダイソン「Dyson Supersonic Nural Shineヘアドライヤー」
サイズ:245×78×97mm
重量:712g(ケーブル含む)
コード長:1.9m
温風温度:4段階(高温・中温・低温・冷風)
最大風量:3.0㎥/分
消費電力:1,200W
本体カラー:セラミックピンク、他2色
価格:49,900円(税込・実勢価格)
ダイソン

フリーランスの編集者・ライター。アウトドアやスノーボードなどについての執筆を担当。国内の野外フェス制作にも多数携わる。一児の母。