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未成年の子どものキャッシュレス決済は、銀行口座と紐づいた「デビットカード」が便利でした!【お金のプロによるアドバイス付き】

基本的にクレジットカードを持てない未成年のお子さんにとって、キャッシュレス決済しかできない場面での支払いは困りもの。そこで、中学・高校生におすすめのキャッシュレス決済方法について、節約アドバイザーでファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんに聞きました。

そもそも未成年者が利用できるキャッシュレス決済方法とは

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主に電子マネー、2次元コード決済、キャリア決済、プリペイドカードなど

未成年者が利用できるキャッシュレス決済には主に以下のようなものがあります。

●電子マネー

『Suica』や『PASMO』、『manaca』、『SUGOCA』、『TOICA』、『nimoca』、『Kitaca』、『ICOCA』、『はやかけん』など、交通機関での利用に特化した電子マネーのほか、セブン&アイ・ホールディングスが提供する『nanaco』やイオンが提供する『WAON』、楽天が提供する『楽天Edy』などがあります。

いずれも基本的には事前にチャージ(入金)し、レジの決済端末などでカード(プリペイド式マネーや、電子マネー機能付きクレジットカードなど)や電子マネーアプリが入ったスマホをタッチして使います。これだけで自動的に代金が引き落とされます。

チャージ方法は、専用機やコンビニエンスストアのレジなどで現金を入金したり、銀行口座の残高から入金したりと、電子マネーの種類によってさまざまな方法があります。

●2次元コード決済

『PayPay』や『楽天ペイ』など、2次元コードを活用した決済方法。支払い時に自分の2次元コードを読み取ってもらうか、店舗側の2次元コードを読み取ることで支払いが完了します。 いずれも事前にチャージして使います。

●キャリア決済

NTTドコモの『d払い』やKDDIの『au PAYauかんたん決済)』、ソフトバンクの『ソフトバンクまとめて支払い/ワイモバイルまとめて支払い』など、商品・サービスの購入代金を携帯電話料金や通信料金と合算して支払いができる決済方法。各キャリアのIDとパスワードを入力するだけで支払いができ、クレジットカードを持っていない人も使えます。

●プリペイドカード

あらかじめお金をチャージし、その額面の商品やサービスを購入できるカードです。たとえば、『図書カード』や『QUOカード』などがその一例。1,000円や3,000円と、あらかじめ使える金額が決められています。

 

未成年者が利用できるキャッシュレス決済には、これほどさまざまな種類がありますが、それでも店舗によっては、自分が保有しているキャッシュレス決済方法が使えない場合も。実際、筆者の子どもや同世代の子を持つママ友たちから話を聞くと、

「カフェに行ったら、支払い方法が現金かクレジットカードのみ。このときは交通系電子マネーしか持っていなかったので、仕方なく友達にお金を借りました

といった声も。

そうした問題を解消してくれるのが、未成年者でもクレジットカード(以下クレカ)と同様に使え、海外でも支払いができる『デビットカード』です。

高校生以上は『デビットカード』が便利

「デビットカードとは、登録している銀行口座から、利用した分の金額が即時引き落とされるカードで、買い物をする前に銀行やATMに立ち寄って現金を引き出す手間が省けます。夜に買い物をしたいとき、ATMで引き出すと時間外手数料が取られますが、デビットカードを使えば、手数料分が節約できますし、24時間いつでも使え、インターネット通販での支払いにも活用できます。タッチ決済に対応しているものも多く、使いやすさも抜群。さらに、ポイントプログラムや付帯サービスもあるため、現金でお買い物をするより便利なのが特徴です。

クレジットカードとの最大の違いは、銀行口座の残高以上の買い物はできないという点。しかしそのおかげで、使いすぎて支払えないといったことは起こらず、お子さんにとっては、お小遣いや貯金を管理する訓練になるとも言えます」(以下「」内、丸山晴美さん)

【デビットカードとクレジットカードの違い】

ちなみに、日本で発行されているデビットカードは下記の2種類です。

■J-Debit

キャッシュカードをそのままデビットカードとして使える、キャッシュカード一体型タイプ。J-Debitマークがある加盟店で使えますが、加盟店が少ないのがデメリット。

■ブランドデビットカード

VisaやJCBといった、クレジットカードの国際ブランドがついており、クレジットカードと同様にスーパーマーケットやコンビニエンスストア、レストランなど、さまざまな店舗で使えます。海外でも利用でき、提携ATMから現地通貨も引き出せます。

「未成年者におすすめなのは『ブランドデビットカード』で、特に国内外で使える店の多い『Visa』付帯のものがいいと思います」

ただし、発行が可能なのは15才以上のケースが多いので、注意しましょう。また、年会費を取られる場合もあるので、事前に確認が必要です。

さまざまな種類があるデビットカード。どれを選ぶ?

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メインバンクのキャッシュカードにVisaを付帯

デビットカードは『Visa』付帯のものがおすすめなのは前述の通り。さらに、メインバンクのキャッシュカードにつけてもらうと、手続きが簡単で、キャッシュカードと兼用でき、口座管理もしやすいのでおすすめだといいます。

早速、筆者のメインバンクの管理用アプリを見てみると、「取引」の表示が。そこをタップし「カードを申込む」をタップ。「デビットカードを申込む」を選択し、指示通りに必要な情報を入力すると、2週間後にデビットカードが送られてきました。本当に簡単!

海外に行くなら『Sony Bank WALLET』

「留学などで海外に行く人は、『Sony Bank WALLET(Visaデビット付きキャッシュカード)』がおすすめで、以下のようなメリットがあります。

・世界200以上の国と地域のVisa加盟店でショッピングが可能。

・対象通貨は、円、米ドル、ユーロ、英ポンド、豪ドル、NZドル、カナダドル、スイスフラン、香港ドル、南アランド、スウェーデンクローナの11通貨と多彩。

・利用代金は円または外貨口座から即時引き落としされる(外貨預金口座の開設【無料】が必要)。

・海外ATMでも外貨口座から現地通貨を引き出せる(外貨口座がなくても円口座から利用可能)。

・Visaのタッチ決済にも対応。

・外貨口座からの引落の場合、手数料が抑えられる。

・利用時に外貨の残高が不足しても円預金口座から自動両替される。

・対象10通貨の海外利用時の為替コストが割安。

国内ATMと同様、海外ATMを使って自分の預金口座から現地通貨を引き出せるので、両替が不要なのが大きなメリットと言えます」

高校生になったら、デビットカードを持たせると、貯金管理の勉強になるだけでなく、クレジットカードを持ったときの予行練習にもなりそうです。ぜひ、キャッシュレス決済の選択肢のひとつにしてみてください。

 

※紹介したサービス内容などは2025年11月7日現在の情報です


節約アドバイザー・丸山晴美さん

ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザー、宅地建物取引 士(登録)、認定心理士、家庭の省エ ネエキスパート検定合格、調理師など の資格を持ち、食費や通信費など、身の 回りの節約術やライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスを各メディアで行う。著書・監修書に『大人のおしゃれ手帖 特別編集 年間100万円!がんばらなくても貯まるお金の習慣』、『InRed 特別編集 シングル生活を最高に楽しむ!お金と上手に暮らす本』(ともに宝島社)などがある。

嶋田久美子
嶋田久美子

エディター/ライター。大学卒業後、出版社に勤務し、その後、フリーの記者として主に週刊誌の編集・執筆に携わる。歴史や美術をはじめ、マネー・車・健康・ペット・スピリチュアル・夫婦関係・シニアライフスタイルといった多岐にわたる女性向け実用情報を手掛ける。1児を持つシングルマザーで、趣味は漫画・アニメ鑑賞、神社巡り。

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