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「持ち家」と「賃貸」それぞれのメリット・デメリットは?240人の主婦にズバリ聞いた!

持ち家がいいか、賃貸がいいか。この論争は、明確な答えが出ないまま堂々巡りになってしまうトピックの1つではないでしょうか。

今回は、持ち家に住んでいる人、賃貸住宅に住んでいる人に、現在の住まいの“いいところ”“悪いところ”について聞いてみました。

アンケートにご協力頂いたのは、20~50代の既婚女性240人です。

アンケート対象者の住居形態は、持ち家の女性が約7割と多数派。賃貸の女性を大きく上回っていました。

【アンケート対象者の住居形態】

賃貸・・・31.3%(75人)

持ち家・・・67.1%(161人)

どちらでもない・・・1.7%(4人)

ちなみに、社宅住まいの女性、親と同居としている女性は「どちらでもない」と回答しています。

それでは、賃貸住宅に住む女性、持ち家に住む女性の声をご紹介します。

【賃貸】主婦が感じている賃貸の「いいところ」

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まず、賃貸住宅に住んでいる女性が感じている“賃貸のよいところ”をご紹介します。

(1)住み替えしやすい

「引越しがしやすいので、収入に変動があっても収入に見合った家に住める」(33歳・主婦)

「転勤が多く一箇所にいられなかったので、賃貸で十分だった。天災が多くなって、持ち家だと住めなくなったときにダメージがきついので賃貸の方が良いのかとも思う」(54歳・主婦)

「何があってもすぐに引っ越せそう」(53歳・主婦)

(2)立地条件を選びやすい

「大きなショッピングモールやスーパーが近くにあるので便利である」(32歳・主婦)

「駅前なので、とても交通の便が良い」(50歳・主婦)

「地域の主要道路に面しているので、どこに行くのにも便利」(26歳・その他)

(3)ローン返済・修繕費の心配をしなくていい

「ローンを払う必要がない。災害時住み替えられる」(51歳・主婦)

「メンテナンスがただ」(43歳・主婦)

「将来家を買うために家賃を極力抑えて貯金に励むことができている」(35歳・営業・販売)

今回のアンケートで多く集まった意見は“住み替え”に関することです。転勤や災害、隣人トラブルなどに見舞われた場合、ローンがない分、住み替えやすいという意見が目立ちました。

また、ローン返済を続けるというプレッシャーがない点も“良いところ”としてあがっていました。

続いて賃貸住宅の“悪いところ”に関する回答です。

【賃貸】主婦が感じている賃貸の「悪いところ」

次に、賃貸住宅に住んでいる女性が感じている“賃貸の悪いところ”をご紹介します。

(1) 改装・修理不可の物件が多い

「自分の家ではないので、いじれないところ」(36歳・主婦)

「だんだん水回りなどの設備が古くなってきた」(32歳・主婦)

「リフォームができないところ」(48歳・その他)

「築年数が経っていて、直したい所が多い」(32歳・主婦)

(2) 家賃を払い続ける必要がある

「自分のものにはならない」(43歳・その他)

「賃貸なので、家賃を払い続けなければならない」(53歳・主婦)

「家賃が高いところ。家のローンを払っているのと変わらないのに、資産にならない」(43歳・主婦)

「お金が高いのをずっと払ってるだけだから」(30歳・営業・販売)

(3)「終の棲家」がないのは不安

「将来住み続けられる場所がないのは不安」(33歳・主婦)

“悪いところ”としては、住宅の設備に不満があっても自由にリフォームすることができない点、家族構成の変化に応じて間取りを変えることができない点などが多くあがっていました。

また、家賃を払い続けても結局自分たちのものになることがないことから、“家賃がもったいない”という声も聞かれました。

【持ち家】主婦が感じている持ち家の「いいところ」

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今度は、自分や家族が所有している持ち家に住んでいる女性に“持ち家のいいところ”について聞いてみました。

(1)改装・修繕・(設計)ができる

「自分たちが使いやすいように作れて、自分たちの家族構成や生活スタイルに合った間取り、デザインにできたと思う。ずっと自分たちのものだという安心感がある」(34歳・その他)

「子どもの成長とともに、間取りを変えることができる」(47歳・総務・人事・事務)

「2匹目の犬を飼ったときに、小さいが庭にドッグランを作り、遊ばせることができた」(50歳・総務・人事・事務)

(2)ローンを払い終えたら家賃がかからない

「義理の親が一括で買ったので家賃がかからない」(43歳・営業・販売)

「自分の家という愛着。捨て金になる家賃がなくなったこと」(52歳・ 主婦)

「年を取ったとき、家賃がいらない」(53歳・ 総務・人事・事務)

(3)資産になる

「将来売却出来る」(59歳・主婦)

「財産になる。駐車場からすぐ玄関」(52歳・出版・マスコミ関係)

(4)好きなように使える

「きれいに使わなくても大丈夫!」(46歳・公務員)

「子ども達が伸び伸びと生活できる」(40歳・主婦)

必要に応じてより暮らしやすくリフォームしたり設計できるという声、こだわってメンテナンスを重ねていくことで愛着がわくという声が多く聞かれました。持ち家の場合には、自由度の高さが強みであるようです。

さらに資産として活用できる点、ローン返済完了後は経済的にラクになるというメリットもあげられました。

続いて持ち家の“悪いところ”に関する回答です。

【持ち家】主婦が感じている持ち家の「悪いところ」

最後は、自分や家族が所有している持ち家に住んでいる女性に聞いた“持ち家の悪いところ”です。

(1) 住み替えのハードルが高い

「手軽には住み替えできない」(30歳・総務・人事・事務)

「近隣からうるさいと苦情があったりしても気軽に引っ越しできない」(46歳・公務員)

「簡単に引っ越しできない」(59歳・主婦)

(2)ローンを払い終えられるか心配

「ローンを無事に払い終えるか心配」(49歳・主婦)

「コロナで給料が減ったので、ローンが払えるか心配」(47歳・総務・人事・事務)

「住宅ローンの支出が賃貸より高いので痛手」(39歳・公務員)

(3)維持費・固定資産税がかかる

「維持費などの金銭面もだが、建物や庭などの手入れもかなり大変」(46歳・その他)

「修繕費の捻出に困る」(43歳・主婦)

「税金や維持費などを考えると、かなり高いなと思う。何かあっても、住み替えができない」(45歳・主婦)

「庭が広いぶん、草取りが大変だし、壁の塗り替え、屋根などメンテナンスが大変」(38歳・主婦)

(4)老後の始末が心配

「最後の始末が大変」(59歳・主婦)

「自分たちが年をとったらこの家はどうするか」(39歳・総務・人事・事務)

持ち家の悪いところとして最も多く寄せられたのが、ローン支払い・売却との兼ね合いで住み替えが難しいという意見です。ローンを支払い続けることに経済的な不安を抱えている声も多く聞かれました。

また、賃貸住宅であれば修繕は管理会社が担うケースが多いのですが、持ち家の場合は自分で手配する必要があります。一戸建ての持ち家の場合には補修にかかる金額が高くなる傾向があり、経済的な負担を感じている女性も見られました。

以上、今回は持ち家に住む女性、賃貸住宅に住む女性にそれぞれ“いいところ”“悪いところ”をうかがいました。

賃貸の方からは、身軽で負債はないけれど自分のものにはならないという声が、持ち家の方からは、暮らしやすく快適だけどローン返済や補修が負担という声が多く聞かれました。

ちなみに、国土交通省が平成30年に持ち家と借家の住人に満足度を調査したところ、「おおむね満足」「満足」と回答した割合は、持ち家が79.7%、借家が74.2%と拮抗しています。

これから新しい住まいを探す方は、皆さんの声を参考にしてみてはいかがでしょうか。

【参考】

平成30年住生活総合調査結果 – 国土交通省住宅局

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