一戸建てやマンションを買って後悔した人の割合は?
不動産を購入するということは、一般的には個人が何千万円もの借金を抱えるリスクが生じます。
では、どの程度の割合の家主が「ずっと賃貸でも良かったかも」と一瞬でも過去の購入を後悔した経験があるのでしょうか?
今回の調査では、一戸建てやマンションを所有し、かつ所有期間が20年以上経っている男女125人中、62人と全体の49.6%が「賃貸でも良かった……」と後悔した瞬間があると回答。その割合は半数。ちょっと無視できない数字ですよね!
ずっと賃貸でも良かったと思う理由は?
では具体的に、どのような点で「賃貸でも良かった」「無理して買わなくても良かった」とオーナーたちは後悔している(いた)のでしょうか?
第4位・・・頭金の用意がきつかった(7票)
第4位・・・家族構成に間取りが合わなくなっても簡単に変えられない(7票)
第4位・・・近所関係が悪化しても引っ越せない(7票)
第3位・・・修繕費の負担がきつい(きつかった)(8票)
第2位・・・立地、環境が気に入らなくても変えられない(9票)
第1位・・・住宅ローンがきつい(きつかった)(10票)
上位にきたのは、金銭的な問題、あるいは容易に引っ越せない持ち家、マンション特有の問題でした。
世で言われている不動産購入のデメリットと重なる内容が多いです。やはり皆さん、実際に住み始めて似たような問題に直面していることが分かります。
融資担当者に聞いた! 住宅ローンの支払いが遅れると…
確かに何千万という借金を背負って、20年、30年と時間をかけて返していくのは、大変な話ですよね。
第1位のように「住宅ローンがきつい(きつかった)」と答える人が少なくない理由も分かります。
最悪のケースとして、ローンの支払いが遅れるとどのような事態が待っているのでしょうか?
住宅ローンの支払いが遅れた場合の流れ
某金融機関で融資を担当する知人に話を聞いてみましたが、住宅ローンについては一般的に1ヶ月ほど支払いが遅れた段階で、電話や手紙の催促がスタートするそう。
3ヶ月以上滞ると、残高の分割払いが認められなくなり、一括返金か売却を選ばざるを得なくなるそうです。
未払いが6ヶ月を超えると競売になってしまい、「金融機関では救いようがなくなる」と言っていました。
住宅ローンの支払いが万が一滞りそうになった場合は、早めに融資窓口で相談すべきだとか。金融機関が条件変更など、対応策を一緒に考えてくれるそうです。
頭金ゼロで組めるローンもある
第4位の「頭金の用意」に関しては、上述の金融機関の知人によると、今はそれほど心配する必要がないそう。
低金利の時代のため、頭金ゼロでローンを組む人も少なくないようです。
実際に知人のお客さんの場合は、半数近くが“頭金なしの全額ローン”を選択しているとのこと。
もちろん頭金を用意すると資産があると判断され、金融機関の審査にも多少のプラスの影響があるそうですが、現在は必ずしも必須ではないみたいですね。
マンションの修繕費が増える覚悟も必要
第3位の修繕費の負担についても、某大手の不動産メーカーでマンションの営業・管理を行う知人に聞いてみました。
住宅金融支援機構では、マンションの場合、修繕費の目安として、築5年未満で月6,000円、5年以上10年未満は7,000円、10年以上17年未満が9,000円、17年以上は10,000円という基準を設けているそう。
その額を下回ると、必要な時期に必要な修繕工事ができなくなると考えられているようです。
修繕費の負担は家主と建物が高齢になるほど増えていく
さらに何十年か経過した後に、修繕費のさらなる値上げをせざるを得ないケースもあるそうで、世帯数の少ないマンションほど、頭数が少ないため1世帯の負担額は増えていくそうです。
プラスして管理費が加われば、なかなかの出費になります。老後になるほど、月々の負担は増える可能性が高まるのです。
持ち家でも条件は同じ。戸建て住宅は外壁から屋根、水回りに至るまで定期的なメンテナンスが不可欠です。そのための費用は自分なりに積み立ててまかなうしかありません。
こうした修繕費の増加に直面したとき、「賃貸住宅にしておけば良かった」といった後悔を、オーナーは感じてしまうのかもしれませんね。
以上、一戸建てやマンションを保有する人が「賃貸にしておけば良かった」と後悔した瞬間を、専門家の意見も交えながら見てきましたが、いかがでしたか?
せっかくの夢のマイホーム! 手に入れるなら、身の丈にあった物件をチョイスしつつ、金融機関と上手に付き合いながら後悔のない日々を送りたいですね。
2017/5/7 WooRis掲載
執筆/坂本正敬