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混ぜる回数どれ位?管理栄養士に聞く「納豆のネバネバにまつわる疑問」

納豆を混ぜる回数、あなたはどれくらいですか? たくさん混ぜれば混ぜるほどよいのか、そしてあの白いネバネバの正体は一体何なのか?……などなど、疑問に思うことも多いですよね。

そこで、管理栄養士の望月理恵子さんに“納豆のネバネバ”についてお話を伺ってみました。

納豆のネバネバにはどんな効果があるの?

納豆が苦手な理由の一つに、「あのネバネバがちょっと……」という人がいます。しかしあのネバネバにこそ、栄養が含まれているとのこと。

「納豆のネバネバは、納豆菌がたんぱく質を分解してできたグルタミン酸と、糖の一種であるフラクタンという物質からできています。それに加えムチンという成分も含まれており、血糖値の上昇を抑制する作用や、コレステロール値を低下させる作用などが期待できます。

また、納豆菌でもあるナットウキナーゼは、血栓溶解作用も期待されています」

納豆のネバネバは、健康にとって大事な役割を果たしてくれるのですね。生活習慣病の予防にもつながりそうです。

たくさん混ぜれば栄養UPということではない

では納豆はネバネバさせるほど栄養効果は増すのでしょうか? これに関しては「NO」。

納豆はかき混ぜる前からネバネバの栄養価をもっており、かき混ぜる作業によって旨味は増すものの、栄養効果が上がることはないとのことでした。 望月さんによると、旨味が増してくるのは20回ほど混ぜたあたりからということですので、今まで軽くしか混ぜていなかった方は、混ぜる回数を増やしてみてはいかがでしょうか。

美容効果を得たいなら、食べるタイミングも大事

また望月さんによると、目的に応じて食べるタイミングを変えたほうがいいのだとか。

「アンチエイジングの効果を得たいのであれば、朝食べることをオススメします。朝は体温が低いので、納豆のタンパク質が体温を上げ、血行促進に役立ちます。血液は私たちの体に栄養分を運ぶ大切な役割をしており、栄養分がスムーズに運ばれれば、臓器も活発に働き老化防止につながります。

あるいは夕食に納豆を食べると、睡眠時の細胞の再生に納豆に多く含まれるタンパク質(特にトリプトファン)やビタミンB6が使われやすく、その結果成長ホルモン分泌が促進されるためダイエット効果が期待できます。睡眠の時間は細胞の再生・新生が行われる時間ですから、その時間を迎える前である夕食にとり入れるといいでしょう」

気になるアンチエイジングやダイエット。ご自身の目的に合わせたタイミングで食べれば、嬉しい効果を発揮してくれそうです。

ちなみに、ナットウキナーゼは常温のほうがよく働くため、食べる前には常温に戻しておくのがポイントとのこと。多くの方が買ってきた納豆を冷蔵庫に入れて保存されているかと思いますが、食べる直前に冷蔵庫から取り出すのではなく、食べる少し前から出しておくほうがよいとのことです。

 

いかがでしたか? 今まで一生懸命混ぜていた人も、ネバネバが嫌であまり混ぜなかった人も、平等に栄養は摂れているのですね。

あとはご自身のお好みのネバネバ具合や期待する効果に合った食べ方をして、おいしいところどりの納豆ライフを送りましょう!


【取材協力】

望月理恵子・・・株式会社Luce代表取締役、管理栄養士、山野美容芸術短期大学講師、 服部栄養専門学校特別講師、健康検定協会主催、日本臨床栄養協会評議員、サプリメント・ビタミンアドバイザーなど栄養・美容学の分野で活躍。共著『健康管理する人が必ず知っておきたい栄養学の◯と×』(誠文堂新光社)など。2018年1月下旬に新著『体を悪くするやってはいけない食べ方』(青春出版社)を刊行予定

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