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家事研究家・高橋ゆきさん流「庭まわりのお掃除方法」客観的な視点で庭全体をチェック!

【家事大学 学長 高橋ゆき的お掃除の基本】vol.40…自分の家の庭は、いつも見慣れた風景だし、家の中と違ってあまり長時間過ごすことがないため、汚れやゴミなどに意外と気が付きにくいもの。庭まわりは、玄関や玄関の外まわりのお掃除と同様に、客観的な視点で全体をチェックする必要があります。

『kufura』では、今回も家事研究家で株式会社ベアーズ副社長・高橋ゆきさんが学長を努める「家事大学」のテキストなどを参考に、楽しく家がきれいになる“高橋ゆき流お掃除メソッド”をご紹介。テーマは「庭まわりのお掃除方法」。汚れやゴミをしっかり取り除いて、庭まわりをスッキリきれいにするための、楽ラクお掃除方法を見ていきましょう。

第三者の視点で庭全体を見渡してみることが大事

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庭まわりは見慣れてしまうと、汚れていたり、雑草が生えていたり、不必要なものが置かれていたりしても、あまり気にならなくなるものです。ですが、第三者からすると、けっこうそれが気になる場合も多いもの。

庭まわりのお掃除でもっとも大切なのは、視点を変えて庭全体を見てみるということ。自分の家の庭が、人からどう見えているのかを想像し、いろいろな方向から眺めながらお掃除を進める必要があります。

外から来るお客さんはもちろん、近所の人などからも目に付きやすい庭まわりは、その家の第一印象を左右します。どんなに家の中がきれいにお掃除されていても、庭まわりがきちんとしていなければ、全体的に残念な印象になってしまうもの。

庭まわりを掃除する際は、第三者の視点で庭全体を見渡し、気になる部分を少しずつ、確実にきれいにしていくようにします。なお、庭まわりのお掃除は、雑草や落ち葉の問題など、季節とも大きな関連があるので、時期を見極めながらお掃除を進めることも大切です。

実践!庭まわりの楽ラクお掃除方法

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では早速、庭まわりのお掃除を始めていくことにしましょう。ポイントとなる庭全体、側溝、草むしり、落ち葉のお掃除の仕方についてご紹介していきます。

(1)庭全体

まずは、庭全体を見渡してみましょう。庭にそぐわないものが出しっぱなしになっていないかどうかを確認し、いらないものは捨てて、必要なものは所定の位置などに戻します。

また、大きなゴミをすべて拾ってから、庭全体を掃いて掃除します。来客など、外から来た人の目につきやすい場所は、特に念入りにお掃除をするようにしてください。

(2)側溝

庭に側溝がある場合は、ここにゴミや落ち葉、泥などがたまることにより、悪臭が発生することもあります。スコップやジョレンという鉄製のすきのような道具を使って、定期的に側溝の掃除をし、たまった汚れを取り除くようにしましょう。

すくったゴミは、乾かしてからまとめてゴミの収集に出します。雨のあとは、ゴミが水分を含んで重くなります。ある程度側溝のゴミが乾いてから掃除をしたほうが、ラクにお掃除できるので、お天気の様子を見ながらお掃除をするようにしてください。

(3)草むしり

庭がある家にとって、雑草の繁殖は大きな悩みのタネです。春になると次々に芽を出し、梅雨の季節にはたっぷりの水分を吸収して、驚くほどどんどん繁殖していきます。そのまま放っておくと、草ぼうぼうになって夏には手が付けられない状態になってしまいます。

そんな困った状態を防ぐためにも、気になる雑草は、毎年6月までにすべて抜いてしまいましょう。草むしりは、一度にやると疲れてしまうし、腰を痛めたりすることもあるので、場所を区切って少しずつやるようにするのがおすすめです。

(4)落ち葉

秋になると落ち葉が増えますが、庭の落ち葉はその都度気になるときに掃き掃除をするようにします。落ち葉が塀の外側に落ちてしまうと、通行の妨げになることもあるし、隣近所の迷惑になることもあります。

秋は落ち葉が大量に出るので、とにかくこまめに掃いて掃除をするしかありません。集めた落ち葉は、堆肥にしてもいいですが、そのままゴミとして捨てる場合は、お住まいの地域のルールに従って処理をするようにしてください。

お掃除上手になるための3つの心がけを忘れずに!

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お掃除をする際は、あわてず、あせらず、やさしい気持ちで取り組むことが大切です。そのためにはまず、計画性を持って、あわてずにお掃除をすることを心がけましょう。汚れをため込まないためにも、日ごろから予防(小掃除)を徹底し、余裕を持ったお掃除スケジュールを立てて、実行していくようにしてください。

次に、あせらずお掃除をすることも大切です。あせるとムダに力が入ってしまうため、家や家具などにキズを付けてしまったり、そのキズに汚れが入り込んでしまうこともあるなど、いいことは1つもありません。あせらず落ち着いて、ゆったりとお掃除を楽しみましょう。

最後に、お掃除は常にやさしい気持ちで取り組むようにします。イライラすることなく、やさしい気持ちでお掃除をすることで、自分の大事な家、また大切な家族と住む家に、居心地のいい空間エネルギーを漂わせることができます。

この「あわてず、あせらず、やさしい気持ちで」の3つを合わせたお掃除メソッドが、“楽ラクきれい”なのです。

この連載は、今回が最終回となります。今までさまざまなお掃除方法をご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか? どうか皆さん、先ほどのお掃除上手になるための3つの心がけを忘れずに、これからも楽ラクきれいに楽しくお掃除をしていきましょう。

構成・文/土田奈々子

【参考】

高橋ゆき(2014)『楽ラク掃除の基本』(学研パブリッシング)

家事大学1級・2級 家事研究員資格講座テキスト』-日本講師支援機構

【取材協力】

ベアーズ

高橋ゆき
高橋ゆき

家事代行サービスの株式会社ベアーズ取締役副社長。 キッズからシニアまで暮らしの向上を研究し、家事のスペシャリストとしてテレビ・雑誌などで幅広く活躍中。おそうじは、”楽ラク(楽しく、楽に)キレイ”をテーマに、身近にあるもので様々なアイディアグッズを開発。2015年 には世界初の家事大学設立、学長として新たな挑戦を開始。2016年のTBSドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」でも家事監修を務める。 書籍「楽ラク掃除の基本」(学研プラス)が好評発売中。

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