デザイン脚立「ルカーノ」を展開する長谷川工業が行った調査では、冷蔵庫の上など1年以上掃除をしておらずホコリが溜まった状態と回答した人が45%を超え、10年以上手をつけていない人も11%と、高所の掃除が手つかずのまま放置されている現状が明らかになりました。
高所の掃除をしていない理由として「掃除の優先順位が低い」「身長が低くやりづらい」「気分がのらない」「道具がない」「時間がない」といった回答がありました。
今年の大掃除こそ苦手意識を克服すべく、お掃除スペシャリストのAyakaさんを講師に迎えたイベント「#アガる高掃除勉強会」にて、「高掃除」に必要な道具やテクニックについて教えていただきました。
高掃除を手助けする“3種の神器”
null最近の住宅トレンドとして、空間を広く見せるために天井が高くなっている傾向があります。マンションの天井高の標準は、以前は2,400mmでしたが今は10cm高くなって2,500mm。戸建てでも吹き抜けの間取りが多くなっているので、掃除がしにくい場所が増えています。
「日常的な掃除で、目の前にある汚れはすぐ落とそうという心理になりますが、高いところの汚れは目線より上なので、意識して見ない限り汚れ具合がわかりません。目につく場所ではないことから、高所の掃除をしてない方が多いのではないでしょうか。
高所の掃除を敬遠する理由で『気分がのらない』が3位になっています。今回提唱する『#アガる高掃除』は、“気分が上がる”“高い所に上がる”をかけ合わせ、気分を上げて高所を掃除しようというものです。
汚れは時間に比例するので、長年かけて汚れたものは掃除する時間も長くなってしまいます。コツコツと少しずつでも汚れを溜めないように、日頃から掃除できる環境を作るといいかもしれません」(以下「」内、Ayakaさん)
Ayakaさんがおすすめする、高い場所の掃除や日頃からの掃除を手助けする “3種の神器”が、「気分のアガる脚立」「ウールダスター」「高機能モップ」。
【気分のアガる脚立】
デザイン脚立「ルカーノ」は、ワンタッチバーで折りたたみしやすく、“脚立感”がないデザイン性で、自立機能もあることから、部屋に置きっぱなしにしてもインテリアになじみます。
「脚立として使っていない時はパソコンを置いて仕事をしたり、観葉植物をのせてして棚として使っている知人もいます。脚立はうまく畳まないと指を挟んでしまうこともありますが、ルカーノはワンタッチで閉じるので子どもでも安心して使えます。自立するのもメリットで、すき間に立てて収納ができます」
【ラムウールダスター】
羊毛を使ったダスターで、Ayakaさんが愛用しているのが、ドイツのメーカー「Redecker(レデッカー)」のもの。
「大掃除に限らず、乾いたホコリのある場所をさっと拭くダスターは日頃の掃除でも必要にはなるもの。日常的に使いたいものをしまっておくと、なかなかやる気にならないので、インテリア映えするレデッカーのダスターを壁にかけておき、家族がすぐに手に取れるような環境を作ってあげるのもいいかもしれませんね」
【MQ・Duotex プレミアムモップ】
「MQ・Duotex」(エムキューデュオテックス)は、水だけで菌も汚れも取れるスウェーデン発のマイクロファイバーモップ。
「高いところを掃除する際、洗剤を使うのは大変で、スプレーしても届かない場合もあります。『MQ・Duotex』は水だけで汚れを落としてくれる高機能のモップで、バクテリア99%、花粉97%除去し、油汚れも落としてくれるスグレものです。
青いマイクロファイバーのクロス部分は汚れたら洗濯機で洗うことができ、500回ほどの洗濯に耐えられます。耐熱仕様なのでお湯で消毒もできます。
『ラムウールダスター』もそうですが、『MQ・Duotex』モップもとても軽いので、腕を上げたり、伸ばしたりして行うことが多い高所の掃除でも疲れずにできます。
大掃除では、天井や壁の細かいホコリも取った方が家の中がきれいになるので、軽くて使いやすいモップと脚立と一緒に使ってもらうとかなり便利だと思います。
このモップは長く伸ばすことができるので、天井が高い吹き抜けの家でも、脚立を組み合わせればお掃除できます」
高い場所を掃除するときのポイント
null「ホコリ掃除をする際は、上から下に掃除するというのが基本です。上にあるホコリは必ず下に落ちてしまうので、先に下を掃除すると二度手間になってしまいます。
もうひとつ大切なのが、掃除をする時に窓は閉めるということ。乾いたホコリが風に舞ってしまい、せっかく拭き掃除したところにもホコリがまた溜まってしまいます。風の流れを止めて掃除をすると完成度が変わってきます」
カーテン・ブラインド、照明の上は、粘着性のない乾いたホコリなので、ウールダスターで、拭き残りがないように端から端にかけていきます。乾いたホコリに対しては、基本的に水拭きはしないようにします。
「みなさんはホコリを取るときは雑巾を絞って水拭きするイメージがあると思いますが、乾いたホコリがあるところに最初から水拭きはNGです。水分が含んでないホコリにわざわざ水拭きで水分を与えては、サラサラの砂に水をかけると泥になるのと同じです。乾いたホコリには『ウールダスター』の空拭きで十分にきれいになります。
空拭きした後に水拭きをし、さらに空拭きをすると埃が付着しづらくなります。手間がかかってしまいますが、気になるようであれば徹底的にやることがおすすめです」
冷蔵庫の上やレンジフードの上など、キッチン周辺のホコリには油が混ざって粘着性のある汚れになり、落とすにも時間がかかる箇所です。
「汚れは酸性、アルカリ性の2つに分かれます。油汚れに関しては酸性。酸性の汚れには逆であるアルカリ性の洗剤で掃除をしましょう。100円ショップでも簡単に手に入る重曹、電解水を使えばきれいに掃除ができます」
高い場所の掃除を楽にするため、Ayakaさんのおすすめするのが、掃除後にきれいな状態を保つ「ラッピング」。ホコリが溜まりやすいレンジフードの上の部分には、ラップを伸ばしてマグネットで貼り付けると、本体を汚さずに済み、1年に1回ラップを取り替えるだけなので、掃除がだいぶ楽になります。
冷蔵庫の上には、市販の換気扇フィルターを貼り、フィルターを年に1回取り換えるだけで、レンジフード同様に掃除の手間が大幅に軽減されます。
天井や壁は「MQ・Duotex」で拭き掃除
null大掃除では天井や壁もぜひやっておきたい場所。洗剤を使いにくい箇所なので、『MQ・Duotex』プレミアムモップを使った掃除がおすすめです。
「『MQ・Duotex』は水だけで部屋中をきれいにすることができるので、まずは天井から行いましょう。天井を拭く際は、カタカナの“コ”の字を書くように端から端までを一列ずつ、拭き残しがないように掃除をします。モップでさっと拭くだけで、部屋のニオイや空気感が変わってくると思います。
拭き掃除の基本はすべて“コ”の字。ダイニングテーブルやキッチンを拭くとき、ぐるぐると円を書いている場合が多いかもしれません。一見すると全体を拭いているように思えますが、拭き残しが発生してしまいます。
“コ”の字で拭くと、同じ道を通らずに一本道をずっと続けていくイメージで、汚れた部分を残さずにきれいにすることができます。
掃除は手順が重要です。“上から下に”が鉄則で、天井や壁、冷蔵庫やエアコン、カーテンレールの各上部の高掃除をしてから、最後に床掃除を行います。
また、日常の床掃除では、おおよそ6~7時間で舞っているホコリが全部下に落ちると言われており、ベストは朝一番の誰も起きていない時間帯です。朝、家族で最初に起きた人が窓を開ける前に床掃除をするのが理想ですね」
高い場所の掃除は安全に配慮して
null高い場所の掃除で気を付けてほしいのが脚立での事故。脚立はバランスが取りにくい状態になるので、作業面に対して必ず正面に向けて設置して作業するようにします。
脚立に乗った状態で、もう少し遠くのところまで掃除をしたいと手を伸ばしてしまいがちですが、体を乗り出して作業をするとバランスが崩れてしまい、転倒の危険性がかなり高まります。ステップの真ん中の部分、体の中心をしっかり支えられる場所に乗った状態で作業をすることが大切です。少し遠いところで作業をしたい場合は、一度脚立を降りて場所を移動させてから作業するようにしましょう。
【取材協力】
Ayakaさん
時短家事コーディネーター/お掃除スペシャリスト。家族が帰りたくなるようなおうちつくりをモットーに、家事が“楽になる”“楽しくなる”お掃除術や収納術を発信する。お掃除スペシャリストや整理収納アドバイザーの肩書きも持ち、書籍の出版だけでなく、TV 出演や雑誌掲載など多数メディアで活躍。Instagramも10 万以上のフォロワーがいる。Ayakaさんインスタ
【協力】
長谷川工業「ルカーノ」
取材・文/阿部純子