ポイントを「使う」から「増やす」へ
null今年6月に行われた楽天家計簿「家計の悩みに関する調査」では、物価高対策として、収支の可視化や、クーポンの活用といった項目を抑えて「ポイ活をする」が1位に。ポイントが現金と同様に家計を支える重要な価値として捉えられているようです。
ポイントの貯めやすさからポイント経済圏を1~2個に絞る人も多いですが、経済圏を絞る決め手として「(投資や運用などで)ポイントを増やしやすい」が3位にランクイン。(※「経済圏の利用状況」 に関する調査、複数回答 n=10,029、インターネット調査、 調査期間: 2024年11月19日(火)実施、実施機関: 楽天グループ)
これまでのポイ活は貯まったポイントを使うことが中心でしたが、長引く物価高やポイ活の広がりを背景に、単にポイント消費をするだけではなく、いかに増やしていくかという観点で積極的に活用している生活者が増えているようです。
ポイ活の達人である「株式会社ポイ探」代表取締役の菊地崇仁さんに楽天グループのポイントを活用した資産形成術について話を聞きました。
ポイントを使った投資は初心者の練習として最適
null「私は日常的に多くの楽天サービスを使っています。他の経済圏と比較すると、『楽天○○』といった買い物、金融、通信、旅行、アプリ、ポイントと自社のグループですべて揃っており、ポイントが貯まりやすくて使いやすいのが楽天経済圏の強みです」(以下「」内、菊地さん)
多くの楽天サービスを利用する菊地さんの「SPU(スーパーポイントアッププログラム)」は約8倍。これに加えて、最大で通常の10倍の楽天ポイントがもらえる「お買い物マラソン」を活用しているそうです。
「さらに5と0のつく日、楽天ブラックカード特典の火曜と木曜の買い物を徹底していまして、10月は誕生月なのでさらにプラス1倍など、プラスしていけば最大で20倍ぐらいまでは行けるのではないかなと思います。
この20%分のポイントの活用ですが、期間限定ポイントは楽天モバイルの利用料金に充当しています。楽天モバイルを契約していると、楽天市場がプラス4倍になってポイントが貯まり、さらに貯めたポイントを楽天モバイルで消費できるので非常に良い循環だと感じています。使い切れないポイントは楽天市場や楽天ペイの支払いで消費しています」


「楽天PointClub」を活用している菊地さんもリニューアルで使いやすさを実感!
楽天のポイント公式アプリ「楽天PointClub」が10月にリニューアルされ、「ホーム」「もらう」「増やす」「使う」「実績」の目的別のタブを新設されて、より管理がしやすくなりました。
「私は通常ポイントを投資に回していまして、『増やす』タブをタップすると右上に通常ポイント数が出てくるので、そこが100ポイントになったらすぐに投資するというのが日課になっています。アプリリニューアルで通常ポイントの確認が簡単になりました」
「インフレ(物価高)を通じて『投資の重要性』が浸透すれば、ポイント運用からポイント投資、そして実際のお金を用いた投資へと流れは加速していくのではないかと思います。しかし、今までやったことがない投資に不安があるのも事実です。
使わなければ消えてしまうポイントを使った運用・投資は練習として最適です。とりあえず運用してみて、どんな値動きをするのか体験しながら、慣れてきたら現金を使った投資を始めるのがおすすめの方法です」
ポイントを使った投資「ポイント運用」と「ポイント投資」の違いとは
nullポイントを使った投資には「ポイント運用」と「ポイント投資」の2つがあります。「ポイント運用」は選択したコースの値動きに連動してポイントが増減するもので、ポイントを運用して、ポイントを増やすサービス。証券口座の開設も必要なく、投資初心者には、まずはこちらがおすすめです。
一方の「ポイント投資」はポイントを使い、投資信託や株を購入するので、売却すると資産を現金として受け取ることができることが「ポイント運用」との大きな違いとなります。
ポイントを使って購入するというだけで、仕組みは通常の投資と同様なので、証券口座の開設が必要で、商品やコースによって手数料が発生する場合もあり、課税対象となります。こちらは投資中級者以上や、資金に余裕のある人向けです。

「初心者はポイント運用から始めて、慣れてきたらポイント投資で回していくのがおすすめの方法かと思います。楽天の場合はポイントの使い道が非常に多いので、増えたポイントを楽天グループで使ってもいいですし、私のようにポイント投資に回してもいいのかと思います。
実際に私が行っている、直近10カ月の資産形成についてご紹介しましょう。以前スポット買いで失敗した経験から、現在の投資は定期的に決められた金額を入れる積立投資にしています。
楽天カードで毎月10万円のクレカ積み立て、楽天キャッシュでも5万円の積み立て、合計で毎月15万円投資をしています。
楽天の証券口座に増えていく残高に応じてまた投資をして、残高、ポイントプログラムでポイントが戻ってくる。このポイントをポイント投資に回すということを繰り返していくと、ポイントで資産が膨らんでいきます。
今年の1月からNISAで運用した実データ(下記画像)です。一番上が楽天カードのクレカ積み立てで、毎月10万円なので投資額が100万円ですが、10月までに約112万円になっています。
楽天キャッシュを使った投資は月5万円で50万円を使っていますが、こちらは約56万円、今まで獲得した楽天ポイントを投資に回した分も含めると、10カ月で約20万円の含み益が出ました」

初心者はまずは練習を
null菊地さんは楽天経済圏の強みとして「いろいろな練習方法があること」を挙げています。初心者や投資に不安がある人ならばポイント運用にすれば、ポイントが自動で増え続けるのでリスクがありません。一方で、積極的に投資したい人は、楽天ウォレットでビットコインのような暗号資産取引も可能です。

「旅行や子どもの学費、老後の蓄えなど、投資で資産を増やしたいけれどやはりハードルが高いと二の足を踏んでいる方こそ、ハードルを下げるためにポイント投資からスタートしてはいかがでしょうか。無理なく自分の投資スタイルを確立させることができるのは、これだけ豊富なメニューがある楽天経済圏ならではの強みだと思います」
貯まったポイントを運用してポイントが増減する「ポイント運用」は初心者の投資トレーニングとしてはうってつけ。ポイントで実際の金融商品が購入できる「ポイント投資」でも、現金を使わず貯まったポイントで投資をするので、一般的な投資よりはるかにハードルが低いといえます。
投資に興味があってまだ踏み出せない人こそ、ポイント投資
null投資に手を出している投資中級者の筆者ですが、ポイント投資には魅力があると感じました。
ポイントを使った運用・投資の最大のメリットは、「お金」を使わずに「ポイント」でできるということ!「投資のことはまったくわからない」「損をするのが怖い」と思っている人も、投資へのハードルが一気に下がります。
はじめの一歩は「ポイント運用」から始めましょう。利益が出てもポイントでしか戻ってきませんが、増えたポイントを楽天市場の買い物に使えば節約になりますし、浮いたお金は貯蓄に回すことができます。
持っているポイントに余裕がある、もっと投資のことを知りたいという場合は、証券口座を開設して運用する「ポイント投資」にトライしてみるのもいいかもしれません。一般の投資と同じですが、こちらも「お金」を使わずに「ポイント」でできるので、お金を使う一般の投資への練習台になります。
あせらず、簡単でリスクの少ない方法からスタートして、慣れてきたらステップアップする。「ポイント投資」に関してはポイントに現金を足して投資することも可能ですが、原本割れするリスクがあることもしっかりと頭に入れておくことも大事です。
楽天のポイントを活用した運用・投資には、気軽に株主体験ができる「ポイント楽天株」や、現金ではなくポイントで行えるので怖さがなく勉強にもなる「楽天ポイントビットコイン」など、楽しくポイントを増やしながら資金形成にも役立つサービスがたくさんあります。資産形成の第一歩としてポイントを活用してみてはいかがでしょうか。
取材・文/阿部純子

【教えてくれた人】
菊地 崇仁さん
株式会社ポイ探 代表取締役。2006年よりポイント交換案内サービス・ポイ探の開発に携わり、2011年3月代表取締役に就任。以降ポイントやクレジットカードに関して、新聞や雑誌に記事提供を行い、セミナー講師としても活躍中。
約130枚のクレジットカードを保有し、約150万円の年会費を支払い、一般カードからプラチナカード等のプレミアムカードを実際に保有・利用し、信用できる情報提供を行う。すべてのカードを利用し、おトクな使い方、おすすめの使い方を日々研究中。













