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【犬山紙子の答えはなくとも育児会議〜楽になりたくて】vol.6 ダメなの知ってますが…妊娠・授乳中のお酒とストレスについて

『私、子ども欲しいかもしれない。』(平凡社)で「子ども本当に産んで大丈夫!?」「仕事と両立、本当にできるの?」など、出産についてとことん考えた犬山紙子さん。

そして2017年1月に女の子を出産し、育児まっただなかの今、どんなことを考えているのでしょうか? 先輩ママ、独身女子などいろいろな立場から「妊娠・出産・育児」にまつわるお話を聞いていきます。

【今回の会議参加者】編集K(7才女&3才男の二児の母)、編集S(独身)、ライター北川和子(8才&6歳&0歳の三児の母)

ノンアルコール飲料がママのストレスと夫婦の危機を救う!?

編集K:連載の4回目で、妊娠中の手土産や、出産祝いでのデカフェ飲料はありがたいという話になったとき、妊娠前までお酒を楽しんでいた女性にとって、妊娠&授乳中はアルコールが飲めなくてツラいという話で盛り上がりましたよね。

犬山紙子(以下、犬山):そうなんです! 「妊婦がアルコール飲めないのが辛いなんて贅沢言い過ぎ」という風潮があるからますます、ツライという……。

編集K:私も妊娠&授乳中は、ノンアルコールビールをダースで届けてもらい、ネット通販でノンカフェイン飲料を買いあさっていたので、よ~く分かります。

北川和子(以下、北川):私も今、授乳中なんで、ノンアルコールビールに助けてもらっています。のどごしと風味で“飲んだような気持ち”になれますし。たぶん、ノンアル飲料が飲み会帰りの夫と飲めない妻が険悪になる事態をけっこう救っているんじゃないでしょうか。

犬山:確かに、ノンアル飲料で世の男性への怒りが和らぐかも。「くそーーーあなたたちは飲めるんだな、変わらなくていいよね……」という、ね。

幸せなはずなのになぜ?「お酒をやめること」はどうしてストレスなのか

編集S:私はお酒を飲まないから、「飲みたい」という感覚があまりわからないんですけど、それまで大好きだったことが突然できなくなるって、ストレス源になるんだろうなぁ。例えば、私が大好きなお風呂を「もうダメだ!」と言われたら相当ストレスを感じると思います。

S以外の全員:そうそう、それ!

北川:犬山さんは、飲めないことでストレスを感じていましたか?

犬山:「そんなこともガマンできないの?」という声もあると思いますが、それまで楽しんできたことを全てシャットダウンしなければならないという状況は想像以上にキツいものでした。

飲んで酔っ払うのが楽しいというのもありますし、お酒の味を「うめぇ!」と感じ始めていましたから。それに、妊娠中は、これまで大好きだったつまみのブルーチーズや生ハム なんかも控えなければならなくなるし。

(参考:厚生労働省『これからママになるあなたへ』

編集K:お酒だけじゃないですが、妊娠中って行動範囲も狭くなるし、仕事もセーブせざるを得ないし、どうしても制限されることが多くなる。子どものことを考えたら、もちろんもちろんガマンします。でも、やっぱりストレスもあるんですよね。

夫と知人の家でのホームパーティに行ったとき、自分以外の全員が美味しい料理とお酒のマリアージュ的な話題で盛り上がっていて。なんか帰りのタクシーで不本意にも涙が浮かんでしまったことがありました。「そんなことで!?」と思うかもしれないんですが、ちょっとしたストレスがたまっていたのかなぁ。

北川:その涙、わかります! 私も初めての妊娠中に「あぁ、もう金曜日に女友達と飲みに行って終電までワイワイしたりできないんだ!」という強烈な寂しさに襲われました。大きな幸せを感じながら、ささやかな楽しみを1つ手放したような。お酒の場で“人とつながる”みたいな面もあると思うんですよね。

編集K:お酒を飲むことには、人と過ごす時間だったり、語らいだったり、雰囲気だったり、いろんな要素が絡んでいますよね。

待望のお酒解禁!それでもなぜか覚える罪悪感の理由を探る

北川:犬山さんはお子さんの月齢的にも授乳の頻度が減ってきていると思いますし、初回の連載の頃、「断乳を考えている」とおっしゃっていましたが、もうお酒を解禁しているんですか?

犬山:はい。母乳に関する本にもアルコールが抜ければ大丈夫だと書いてあったこともあり、アルコールが抜ける時間を計算して……あ、体質や体型によってそれは変わったりもするのでそこも加味して、念のためさらに多めの時間を空けて、一杯飲むというのをたまにやっています。夜おっぱいで寝かしつけた後に一杯飲んで、深夜の授乳を夫にミルクで変わってもらって。これでずいぶん気持ちがラクになりました。

編集K:私も断乳後にビールを解禁した日には、まさに“五臓六腑にしみわたる”というような喜びを感じましたよ。久しぶりで苦かったけど、気持ち的にしみた(笑)。

犬山:でも、心のどこかで「ダメな母ちゃんだなぁ」という罪悪感があるんですよ。あの罪悪感って、なんでしょうね……。

編集K:飲めない理由が「子どものため」だからこそ、ストレスを感じている自分、ガマンできない自分に罪悪感を覚えたりするんですよね。

北川:「ガマンは美徳」みたいなところがありますよね。でも、離乳食が進んでミルクも飲んでくれるなら、週イチの夜間断乳でストレスをある程度発散できて、夫婦も仲良くいられて、「育児がんばるぞ!」 となれば、すっごくいいことだと私は思いますが。

犬山:本当は毎日飲みたいんですけどね(笑)。でも、アルコールを自由に飲めなくなった分、“ささいなことを楽しむ能力”を発見できたような気がします。育児の時間はもちろん、外食だったり、子どもが寝た後のゲームだったり、そして、ノンアルコール飲料だったり。「私にもそんな能力があったんだ!」って感じでした。

ノンアル飲料が充実!お気に入りの銘柄を探してみよう

編集K:ノンアルコール飲料は、私が最初に出産した7年前に比べてずいぶんラインナップが増えてきましたよね。最近ではカクテルやワインもずいぶん充実してきました。

犬山:インターネットで検索しまくっておいしいノンアルワインを発見した時にはうれしかったなぁ。もうダース買いしていますよ。

北川:そのノンアルワイン知りたいです! この5~6年で種類も一気に増えましたし、飲み比べる価値がありそうですね!

 

というわけで、次回は「第1回ノンアル選手権」を開催します! お気に入りのビールやワインの銘柄を持つように、ノンアルコール飲料のお気に入りを発掘してみませんか?

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