『kufura』が男女500人を対象に、「一口ちょうだい」と言われたときの感じ方について「嫌だとよく思う」「嫌だとたまに思う」「嫌だと思わない」の三択のアンケート調査を実施したところ、「嫌だとよく思う/たまに思う」が約6割、「嫌だと思わない」が約4割と、ネガティブな見方がやや優勢でした。具体的には、どんな「一口ちょうだい」が嫌なのか、また嫌なときに上手に断るにはどうすればいいのか、アンケート調査に寄せれられたコメントをご紹介します。
こんな「一口ちょうだい」は嫌だ!
null一口の分量が多すぎる
「自分の思っている“ひとくち”と、あげた相手の“ひとくち”が結構違うと、ちょっと次からあげるのやめようかなと思う」(25歳女性/公務員)
「揚げ物で大きい一切れを取られて、自分のおかずが足りなくなった」(54歳男性/総務・人事・事務)
「友人から言われたとき、ひとくちどころではなくその食べ物の半分以上を食べられたことがある。いたずらのつもりかもしれないが、とても不快に感じた」(56歳男性/その他)
「ひとくちと言っておきながら何度も言ってくる人がいる」(49歳女性/その他)
「みんなから一口と言われて、弁当のミートボールが全部なくなった嫌な思い出」(55歳女性/その他)
まず多かったのは、ちょっとお裾分けのつもりがごっそり食べられてしまったというエピソード。たしかに、“一口”というのは曖昧な概念ではありますが、自分の分がほとんど残らないレベルだと、さすがに残念な気持ちになってしまいますよね。
親しくない人から言われる
「あまり仲良くない同僚から言われて、しぶしぶあげたこと」(47歳男性/研究・開発)
「初デートでまだ相手のことをよく知らない段階でだとちょっと躊躇する」(51歳女性/主婦)
「あまり親しくしていない人が、一口ちょうだいと私のスプーンを使って食べてしまったとき。べろーんと舐めあげたスプーンはもう使う気がしなくてこっそり拭いた」(52歳女性/主婦)
「イートインで食べていたら、いきなり知らない人から言われた」(52歳男性/その他)
食べ物のシェアは家族や長い付き合いの友人など、親密な間柄だからこそなせるもの。それほど面識のない相手からいきなり「一口ちょうだい」と迫られると、ちょっと引いてしまうかもしれません。
シェアしにくい形状のものを「ちょうだい」とねだられる
「お皿に分けてあげれるような食べ物であれば問題ないが、直接、口をつける状況でしかないものだと衛生的に無理だと感じてしまう」(35歳女性/出版・マスコミ)
「スイカを食べているときに一口ちょうだいといわれるのは、あまりいい気がしない」(69歳男性/その他)
「アイスクリームなど直に口でとられるのは衛生面で嫌」(51歳女性/主婦)
「縁日でたこ焼きならあげられるけど、イカ焼きやフランクフルトなどかぶりつかれるものは基本的に無理。無断でかぶりつかれて、そのまま全部あげたことがある」(41歳男性/その他)
「スプーンであげたら、スプーン半分量残してきた。え、私が食べる?と困った」(37歳女性/その他)
「缶コーヒーやペットボトルなどを一口ちょうだいと言われても抵抗感がある」(58歳男性/その他)
直接かぶりついて食べるものや、切り分けるのが難しいものを「一口ちょうだい」されて困惑したという人もいました。いくら親しい相手でも、何でもかんでもシェアするのは抵抗感があるという人は多いのではないでしょうか。
自分の好物や高価なものを「ちょうだい」とねだられる
「大好きなから揚げ定食を頼んだとき、4つか5個しかない唐揚げを1つ持って行かれるのは本当に嫌でした。相手が自分の何かをくれるということもなかったので、ご飯を多めに食べるしかありませんでした」(44歳男性/その他)
「最後の一口に取っておいたものを取られたときはイラッとした」(48歳男性/営業・販売)
「楽しみにしていたラーメンを夫が欲しがるとイラッとするときがある。麺の量が少ないので、あげたくない」(43歳女性/主婦)
「ショートケーキならいちご、とんかつなら真ん中など、一番おいしいところを持ってかれるとイラッとくる」(42歳女性/主婦)
「少量で高価なケーキなども一口ちょうだいと言われると自分で頼んで!とおもう」(56歳女性/主婦)
自分の好物や高価なものを「一口ちょうだい」と気安くかっさわられて唖然……。お気に入りのメニューは心行くまでじっくり堪能したいのに、その楽しみな気分に水をさされるようでガッカリですよね。
ギブ・アンド・テイクじゃない
「大学時代、ケチで人の物を食って自分の腹の足しにする奴がいて、よく周りの人にひとくちちょうだいを言っていた。あまりにあからさまなので口も聞かなくなった」(47歳男性/その他)
「飲食店に入り自分は何も頼まないくせに他の人が注文した料理を少しずつ貰うやつが嫌い」(34歳男性/コンピュータ関連以外の技術職)
「友達と食事に行ったとき一口あげたけれど、相手はくれなかった」(64歳男性/その他)
食べ物の感想を言い合うのも会食の楽しみのひとつ。そういう点で、気心の知れた相手と食べ物を一口ずつ交換するのはアリですが、返報性がなくただ一方的に「くれくれ」する人物とは、ちょっと距離をおきたくなるのも無理はありません。
その他、こんな「一口ちょうだい」は嫌だ!
「ファミレスでサラダバーを私だけ注文し、それをひとくちちょうだいと言われたときは、さすがにひとくちあげると1人分の料金で2人が食べたことになるので、断った。そういう常識はずれなことが嫌い」(46歳男性/その他)
「せっかくあげたのに、あまりおいしくないとか言われたら、私は今からこれを全部食べるのだが?私は好きでこれを食べているのだが?そんなこと言うんだったらくれとか言うな!それか、感想を述べるな!と思う」(29歳女性/学生・フリーター)
「ケーキバイキングで友達から言われたので、自分で同じの取ってくればいいのにと思った」(41歳女性/総務・人事・事務)
今回のアンケートでは、“一口ちょうだいとせがまれた挙句、渋々あげたらおいしくないとダメ出しされた”というエピソードが複数寄せられました。筆者自身はそうした経験は自分がしたこともされたこともないのですが、シチュエーションを想像するだけで何とも残念な気分にさせられます。
「一口ちょうだい」をどうやって断る?
nullはっきりと断る
「ごめんね。私、人とシェアするの苦手なんだ……とサラッと言う。大抵は引き下がってくれます」(62歳女性/金融関係)
「はっきり断る。中途半端に断るとなめられてしまうから駄目。それで喧嘩になっても相手が悪いから」(66歳女性/総務・人事・事務)
「やだという。一回はっきり断れば次から言われない」(31歳女性/主婦)
「もうお箸を付けてしまったのでごめんなさい。さすがに自分の食べかけは人にあげられません、と言うと大抵の人はあきらめてくれます」(34歳女性/総務・人事・事務)
「あげたくないってきちんと言います。欲しかったらあなたも頼んだら?と言うと大抵黙りますね」(39歳男性/営業・販売)
まず多かったのは、「一口ちょうだいはNG」とストレートに断ること。曖昧な態度をとったり嫌々応じたりしていては、今後も同じケースが繰り返されるおそれがありますし、価値観の違う相手には、自分のスタンスをはっきり示して境界線を引くほうが、お互いにとってハッピーかもしれません。
衛生や感染症予防を理由に断る
「さっき、くしゃみしていろいろ入ってるけど、いい?といいます。全員がじゃあいいや、といいます」(49歳男性/デザイン関係)
「同僚に“ごめん、子どもがインフルに感染したから”と言ったら納得してくれました」(50歳女性/総務・人事・事務)
「この間体調崩しちゃったばっかりでさぁ……ごめんねぇ、と言うことが多い」(25歳女性/公務員)
「コロナだからやめようと言ったらだいたいは諦めてくれた」(41歳女性/総務・人事・事務)
はっきりと「NO」を伝えるのが苦手な人でも試しやすい断り方はこれ。特に、コロナ禍以降は衛生観念や感染症予防意識が高まっており、それを理由とする「一口ちょうだいお断り」は一般的に受け入れられやすくなっているのではないでしょうか。
冗談めかして断る
「“お腹が減って死にそうだから今日は勘弁”と冗談ぽく言う」(54歳男性/総務・人事・事務)
「倍返しやで、と言うとやめる。ちょうだいと言う人は大概ケチだから」(53歳男性/その他)
「“じゃあ、そっちも貰えるかな”と逆にこちらもねだると、相手が渋って“やっぱ良いや”となる」(35歳女性/出版・マスコミ)
親しい人との会食であまり空気を悪くしたくないときには、ちょっとユーモアをきかせながらNGを伝えるのもありかもしれませんね。
今後「一口ちょうだい」問題に直面した際、どのようにリアクションすればよいのか、ぜひご参考にしてくださいね。
成人までの人生を受験勉強にささげた結果、東京大学文学部卒業。その後なぜか弁護士になりたくて司法試験に挑戦するも、合格に至らないまま撤退。紆余曲折の末、2010年よりフリーライターの看板を掲げています。