年末年始「帰省する」「帰省しない」「わからない」が拮抗…
null今回アンケート(実施時期:2020年11月5日~10日)にご協力いただいたのは、20~50代の既婚女性275人です。
まず、新型コロナウイルスが感染拡大する前(平常時)には実家や義実家に定期的に帰省をしていたか、聞いてみました。
【平常時には、定期的に帰省していた?】
帰省していた・・・63.6%
帰省していない・・・36.4%
同居・近居により「帰省する必要がない」と回答した女性(55人)を除いて集計したところ、6割超の女性が実家や義実家に定期的に帰省していました。
同じく「帰省する必要がない」と回答した人を除く220人に今年の年末の予定を聞いたところ、結果は以下のようになりました。
【今年の年末年始は帰省する?】
帰省する予定がある・・・31.4%
帰省する予定がない・・・39.1%
まだわからない・・・29.5%
帰省の予定をたてている女性は約3割。平常時の数字を基準とすると、帰省する家庭は顕著な減少が予想されます。
ちなみにコロナ禍以降の帰省状況についても聞いたところ、「いつもより少ないが帰省している」と回答した女性は45.0%。「帰省していない」と回答した女性は37.9%。つまり、4割弱の女性はコロナ禍が起こってから1度も帰省をしていません。
今回のアンケートでは、3つの回答の割合がそれぞれ拮抗しています。個人の判断に委ねられた今の難しい現状を物語っているかのような数字です。
続いて、「帰省の予定がある」「帰省の予定がない」「まだわからない」と回答した女性にその理由について聞いてみました。
「帰省する予定がある」その理由は?
null「帰省する予定がある」と回答した女性に、その理由についてうかがいました。さまざまな理由が寄せられました。
(1)親とずっと会えていないから
「夏に行けなかったから」(27歳・公務員)
「極力帰らないようにしていたが、せめてお正月はのんびり家族で過ごしたい」(34歳・主婦)
(2)親が心配
「先日、父が亡くなったので母が心配だから」(53歳・主婦)
「母親が認知症で、父親は他界してるので心配だから」(51歳・主婦)
(3)対策をして帰省する
「玄関の外で、ソーシャルディスタンスを保ち、挨拶のみします」(54歳・主婦)
「対策をしながら会うつもり」(47歳・主婦)
「義実家の方が私たちを帰ってくるものだと思っているし、義姉たちも集まるので、感染防止に気をつけて帰る。孫にも会わせたいし」(28歳・公務員)
(4)その他
「政府がGOTOトラベルを推奨しているから」(26歳・主婦)
「子どもが双子で、年末年始主人が仕事の時に1人では育児が難しいから」(35歳・総務・人事・事務)
帰省のピークシーズンとなる5月の大型連休やお盆の季節に帰省がかなわなかった方は多いでしょう。
しばらく会えていない親にせめて正月には会いたいという声、子どもに会わせたいという声、高齢の両親をずっと放っておけないという声があり、皆さんの多様な事情が垣間見られました。
「今年は帰省しない」と決めた理由は?
null一方で、11月初旬の時点で今年は帰省しないと決めた女性の声です。感染リスクや、非難の目を配慮した回答が目立ちます。
(1) 感染のリスクがある
「年老いた両親のもとへ万が一にもコロナを運びたくないから」(58歳・主婦)
「両方の実家とも感染リスクの高い地域のため、行くに行けない状況です」(44歳・主婦)
「コロナ禍で里帰りしないでと言われたから」(43歳・技術職)
「私の住んでいる県でコロナが増えているので、持って帰ってしまう可能性があるから」(46歳・総務・人事・事務)
(2)周囲の目が気になる
「高齢の夫の祖母が同居しているため。また、夫の実家は田舎なので、東京から帰省して、その後万が一感染者がでたら家族が非難されかねないので」(40歳・主婦)
「自分の実家は田舎なので周りの目が厳しく行けない。義実家は向こうから無理して来なくて良いと言われているから」(52歳・公務員)
(3)時期をずらして帰省する予定
「定期的に帰っているので、年末という理由では帰らない」(30歳・主婦)
「今月帰る」(44歳・営業・販売)
自分が感染するリスクよりも、親に感染させてしまうリスクを恐れている声が多くなっています。中には混雑期の年末年始を避けて帰省する予定をたてている人もいました。
「わからない」と回答した理由は「状況を見て決める」「感染者が増えそう」
null今の時点で帰省するかどうかわからないと回答した女性にその理由をうかがったところ、全国的に新規感染者数が増加していることを踏まえて現状では判断できない、との理由が大半でした。
(1)状況による
「お盆に帰省できなかったので本当は帰省したいが、帰省したことで実家に対する周囲の目が気になるのであればまだ状況を見なければいけないのかもしれないと思う」(43歳・総務・人事・事務)
「これからがコロナの本番だと思うので帰れないと思うが、もし感染が落ち着いたままであれば帰省を考えるかもしれない」(35歳・主婦)
(2)実家・義実家の意向による
「あちらの意向を聞いてから」(41歳・主婦)
「自分の実家は挨拶と仏壇参りだけで会食はなしと決めたが、旦那側は気にしない家だし。口出しできる立場ではなく、旦那も正月くらいと言うはずだから、呼ばれたり、言われたら行かないといけない。言われないことを祈るのみ」(49歳・主婦)
「親は高齢で田舎に住んでいるので、都心に住んでいる私たちが帰省するのはNGかと思うけれど、ずっと会えていないからそれも良くないと思うし、悩ましい」(54歳・主婦)
自分の家庭の方針だけでは決められない帰省。状況を見て、実家・義実家の方針を探りつつ、これから決めていくケースも多いようです。
以上、既婚女性に聞いた今年の帰省予定についてお届けしました。
帰省について家族の誰もが同じ考えでいればいいのですが、親子間、夫婦間でも考え方が異なり、決めかねているケースも少なくないようです。
今年も残すところ1カ月半。今後の状況を注視しながら、家族会議を重ねていく方もいらっしゃるでしょう。
いずれにしても、暖房の効いた暖かい密閉空間で、おせち料理の重箱を大勢で囲んで、団らんする……という”いつものお正月”を今年はあきらめた家庭も多く見受けられました。