「100年つづく」がコンセプト! 25周年のミナ ペルホネン
nullミナ ペルホネンは、デザイナーの皆川明が1995年に「ミナ」という名前で立ち上げたブランド。2003年に「ミナ ペルホネン」となり、現在に至ります。
ミナとはフィンランド語で「わたし」、ペルホネンは「蝶」を意味する言葉。「せめて100年つづく」をブランドコンセプトに活動を続けてきました。
当初はオリジナルデザインのテキスタイルを使ってファッション製品のみを作るブランドでしたが、領域は次第に拡大。現在ではインテリアや食器、空間デザインまで手がけるようになりました。
この「ミナ ペルホネン/皆川明 つづく」展は、そんなミナ ペルホネン独自の理念や世界観を紹介していくもの。
展示を通じて、ミナ ペルホネンというブランドだけでなく、現代におけるものづくりの意味や、デザインの社会における役割を幅広く考えていけるように構成されています。
会期中にブランド設立25周年、つまり目標とする100年の4分の1を通過するミナの世界。さっそくのぞいてみましょう。
8つのセクションにたっぷり詰め込まれた「ミナの世界」
null展覧会は8つのセクションに分かれ、それぞれ「実」や「森」「風」など、ミナ ペルホネンのブランドにちなんだ名前がつけられています。
まず通されるのは「実」のセクション。ここに並んでいるのは、ミナ ペルホネンのデザインの原点である「tambourine(タンバリン)」シリーズ。
小さなドットの刺繍、25個で構成される円のパターンは、テキスタイルだけでなく、家具や食器、インテリアなどにも展開されるようになりました。
ちなみにミナ ペルホネンでは、ブランド設立当初から、服を製作して余った布を使ったバッグを販売し続けています。それは、巷で“サステナビリティ”という言葉を見聞きするようになる遥か前からのこと。これはすごい。
そんなところからも、デザイナーの想いやブランド理念を感じられます。展覧会場でもその一部を見ることができます。
続くセクションは、「森」のセクション。ミナ ペルホネンの服が埋め尽くす圧巻の空間!
ブランドスタート時から2020年秋冬までの服がずらりと並んでいます。どの服も、ひとつひとつがかわいい!
そして、1着ずつ見ているうちに気づくのです。95年に作られた服も2020年に作られた服も、どこか懐かしく、そして斬新に感じるということを……。
そう、ミナ ペルホネンの服はまったく古びることがないのです。“流行にとらわれることなく、時代を超えて長く繰り返して着てもらいたい”という、デザイナー皆川明の哲学が反映されているのですね。
下記写真は、皆川明が構想し、建築家・中村好文が設計した「シェルハウス」のプロトタイプ。「簡素で心地よい宿」をコンセプトにしていて、渦巻状の構造がユニーク。
“フィボナッチ数列”という、数学者フィボナッチが導き出した数式に着想を得たものだそうです。フィボナッチ数列は、ひまわりの種の並び方や巻き貝のカーブなど、自然界の形や法則に現われると言われています。
コンパクトにまとまった小さなおうちは、まさにミナの世界観にぴったり。いつか実際に建設されたものを見てみたいですね。
今回ご紹介した以外のセクションも、ミナ ペルホネンの魅力がたくさん詰まった「ミナ ペルホネン/皆川明 つづく」展。展覧会なので服を手にとることはできませんが、いつまでも眺めていられるのがうれしい。
美術館内の特設ショップには、もちろんミナ ペルホネンのグッズがたっぷり。物欲も満たされそうです。
会期は長めの2020年2月16日(日)まで。年内は12月27日まで、年明けは2日より開催です。ミナ ペルホネンワールドにどっぷり浸かりにいきましょう!
【展覧会情報】
会場:東京都現代美術館 企画展示室 3F
東京都江東区三好4-1-1
会期:2019年11月16日 (土) ~2020年2月16日 (日)
開館時間:10:00~18:00(最終入館は閉館30分前)
休館日:月曜(2020年1月13日は開館)、2019年12月28日(土)~2020年1月1日、1月14日
最寄り駅:東京メトロ半蔵門線、都営大江戸線「清澄白河駅」B2番出口より徒歩9分
問い合わせ:03-5777-8600(ハローダイヤル)