子育て世代の「暮らしのくふう」を支えるWEBメディア

家族と一緒でも、独りでも「寂しい」…ふと寂しさを感じるのはどんなとき? 男女469人に聞いた

人と分かちあうのが難しい「寂しい」という気持ち。誰かが抱えている寂しさも、人からは見えにくいものです。『kufura』編集部はアンケートを実施し、男女469人に「ふとした瞬間に“寂しい”と感じることはありますか? それはどんなときですか?」という質問をしました。80.2%(376人)の回答者が、ふとした瞬間に「寂しい」と感じていました。

今回は「寂しい」という感情が大きくなるシチュエーションについて、回答者の声をご紹介します。

大切な人を思い出して「寂しい」

null

今は亡き相手を思って「寂しい」と感じる、という声です。

「亡くなった両親をふと思い出したとき」(44歳男性/総務・人事・事務/未婚・子どもなし)

「配偶者と死別して、常に寂しい」(50歳男性/コンピューター関連技術職/未婚・子どもなし)

「外出から帰って、玄関にいつもお出迎えしてくれてた愛猫がもう居ないんだと思ったとき」(68歳女性/主婦/既婚・子どもあり)

日常生活において、大切な人の不在を実感したり、相手の気配を恋しく思って「寂しい」と感じるとの声がありました。相手が身近であればあるほど、生活の中で寂しさを感じる瞬間が頻繁に訪れるようです。

家族との不和・疎外感で「寂しい」

null

家族と一緒にいても感じる「寂しい」の理由とは?

「旦那と考え方が違い過ぎるとき」(52歳女性/主婦/既婚・子どもあり)

「旦那が、家族に無関心」(44歳女性/主婦 /既婚・子どもあり)

「妻との意見の違いで、意思疎通がうまくいかないとき」(46歳男性/公務員/既婚・子どもあり)

「子どもから“嫌い”と言われたとき」(38歳男性/公務員/既婚・子どもあり)

「奥さんと子どもが楽しく会話しているが、内容が分からないとき」(47歳男性/研究・開発/既婚・子どもがいる)

配偶者と苦労や喜びをわかり合えなかったり、家族と会話が成り立たなかったり、突き放すような言葉を投げかけられたときに「一緒にいても、寂しい」と感じるとの声でした。

家族連れ・子どもを見たとき「寂しい」

null

家族と一緒にいるときの「寂しい」が書き込まれた一方で、家族を見ると「寂しい」という声もありました。

「散歩中、家族連れを見かけると、ああいう人生もあった可能性があったんだなと、寂しさに似た感じがある」(67歳男性/その他/未婚・子どもなし)

「テレビでも外にいるときでも、赤ちゃんを見かけると寂しいし苦しくなる」(43歳女性/主婦/既婚・子どもなし)

「買い物先で、ご近所や知り合いの夫婦が2人で買い物しているところに出くわすことがあります。私は独身なので、そういう光景を目の当たりにすると寂しいと感じます」(60歳男性/その他/未婚・子どもなし)

家族や夫婦の1シーンを見て、あったかもしれない別の人生を想起して「寂しい」と感じる、といった声がありました。

にぎやかなイベント期が「寂しい」

null

街が華やぐイベント時期に感じる「寂しさ」の回答です。

「イベント等のある月。正月、お盆なども特に予定がない。きょうだいも仲が悪いので、会わないし会話をすることもない。恋人もいないし、友人も少ないので」(50歳女性/学生・フリーター/未婚・子どもなし)

「人付き合いが煩わしいと思うのですが、クリスマスとか新年とか人が集まる時に予定がないと寂しいと感じる事があります」(55歳女性/主婦/既婚・子どもあり)

「大型連休とか家族連れで楽しそうな光景を見たとき」(44歳女性/主婦/未婚・子どもあり)

自分の心境によっては、街を歩く人たちが浮き立って見えることがあるかもしれません。楽しそうな他人を見て、「寂しい」を実感するとの声がありました。

子どもの巣立ちが「寂しい」

null

子どもを持つ回答者からは、子どもの巣立ちに関する回答がありました。

「子どもたちの幼かった頃を思い出すとき」(52歳男性/営業・販売/既婚・子どもあり)

「息子が忙しくて、家になかなか帰ってこない」(61歳女性/その他/既婚・子どもあり)

「子どもたちが巣立ち、ポツンと一人で家にいるとき」(69歳男性/その他/既婚・子どもあり)

「帰省していた子どもが帰るとき」(52歳女性/主婦/既婚・子どもあり)

育児期ににぎやかだったリビングや食卓が、静かになってしまった現在。ふとしたときに、過去の思い出とともに「寂しい」の思いが去来するようです。

友達と会えない・疎遠で「寂しい」

null

昔、楽しい時間を過ごしていた友達と、少しずつ疎遠になってしまうことも。

「学生時代と違い、本音で話し合える友達がいなくなった」(55歳男性/総務・人事・事務/既婚・子どもあり)

「飲みに行きたいと思っても誘う人がいないとき」(54歳女性/金融関係/未婚・子どもなし)

「育児に追われて、めちゃくちゃ仲良かった友達と疎遠になって寂しい。昔みたいには戻れないのかな」(39歳女性/主婦/既婚・子どもあり)

何かがあったときに話す相手がいない。ライフステージの変化で仲の良かった友達と疎遠になってしまった……といった声がありました。日常はいつものように過ぎていくけれど、腹を割って話せる相手がそばにいないときに「寂しい」と実感するとのことでした。

集団の中で実感する「寂しい」

null

目の前に人はいる。それでも「寂しい」という気持ちはやってきます。

「たくさん人がいるのに何となく無視というか構われていないと感じるとき」(52歳男性/営業・販売/既婚・子どもなし)

「みんなが親しく話しているのに、自分は1人でいるとき」(67歳男性/総務・人事・事務/既婚・子どもあり)

「誰かと一緒にいるのに、周囲と価値観が全然合わないとき」(47歳男性/その他/未婚・子どもなし)

人が集まる場で話を聞いてもらえない、話に入れてもらえない、話が合わないときなど「寂しい」と感じる人も。ポツンと取り残された孤立感に近いのかもしれません。

1人で過ごしているときの「寂しい」

null

自分以外に誰もいない自宅で過ごしているときに感じる「寂しい」に関する回答です。

「1人暮らしなので自宅に帰ると時々寂しい」(55歳男性/営業・販売/未婚・子どもあり)

「家族が泊まりで遊びに行った日の就寝時、1人で寂しくなる」(35歳男性/技術職/既婚・子どもあり)

「家で1人になったとき」(41歳女性/主婦/既婚・子どもあり)

属性に関わらず、1人で過ごしているときに「寂しい」気持ちになる、という回答が多く寄せられました。仮に衣食住が満たされていても、1人の時間で寂しさを感じるのは、ヒトが長らく集団生活を送っていたことの名残りなのかもしれません。

夜間・暗闇・静寂で「寂しい」

null

特定のシチュエーションで寂しさを実感するという回答です。

「テレビやスマホで気を紛らわしているが、眠る前など何もしない時に寂しいと感じる」(60歳男性/その他/未婚・子どもがいない)

「妻が外出して、自宅が真っ暗の状態のとき」(69歳男性/公務員/既婚・子どもあり)

「冬の夜は人恋しくなる」(43歳女性/総務・人事・事務/未婚・子どもなし)

「1人でも平気なタイプなのでほとんど寂しいと思うときはありません。でも、高齢の母が病気で入院して、夜1人で食事しているとき、いつも口うるさく、高齢でわがままばかりの母ですが“寂しいな……”と思いました」(60歳女性/その他/未婚・子どもなし)

寂しさを駆り立てるシチュエーションとしては、暗い、寒い、静かなどのキーワードが書き込まれていました。

将来に思いを巡らせ「寂しい」

null

将来を思って「寂しい」という気持ちになるという声もありました。

「1人でいろいろなことを考えているとき、これからの未来に対して寂しくなることがある」(69歳男性/会社経営・役員/既婚・子どもあり)

「テレビなどの番組で1人で暮らしている老人を視聴したとき。自分の将来を考えてしまう」(49歳男性/その他/未婚・子どもなし)

年を重ねた未来の自分の生活を想像して、漠然と「寂しい」という気持ちになる、という声でした。

過去を思い出して「寂しい」

null

将来だけでなく、過去の記憶によって寂しさを感じるという声も寄せられました。

「離婚した妻との何気無い日常の会話を思い出したとき」(65歳男性/その他/未婚・子どもなし)

「昔を思い出したとき」(66歳男性/会社経営・役員 /既婚・子どもあり)

こうした声は、おもにシニア世代の回答者から寄せられました。昔の自分が持っていたもの、今の自分が持っていないことを目の当りにして「寂しい」という気持ちになることもあるのかもしれません。

 

以上、今回は「ふと“寂しい”と感じるのはどんなとき?」というテーマのアンケートをご紹介しました。

一過性の「寂しい」も、頻繁に感じる「寂しい」もありました。

きっかけとしては、家族との別れ、子どもの巣立ち、話し相手の不在、配偶者との不和、集団での孤立感、1人で過ごす夜やイベントシーズンなどが「寂しい」につながっていました。

誰かと分かち合うことが難しい「寂しい」は、多くの人が抱く感情。皆さんは、どんなときに「寂しい」と感じますか?

北川和子
北川和子

自治体HP、プレスリリース、コラム、広告制作などWEBを中心に幅広いジャンルで執筆中。『kufura』では夫婦・親子のアンケート記事やビジネスマナーの取材記事を担当している。3児の母で、子ども乗せ自転車の累計走行距離は約2万キロ。地域の末端から家族と社会について日々考察を重ねている。

pin はてなブックマーク facebook Twitter LINE
大特集・連載
大特集・連載