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既婚男性に聞いた「妻と結婚してよかった」こと、「結婚しなければよかった」と感じる瞬間

人生におけるターニングポイントのひとつ「結婚」。結婚を通じてさまざまな経験を重ねたり、価値観や生活スタイルの更新、家族としての新しい絆を築いていくことになります。しかし、その道のりには嬉しい瞬間もあれば、悩むことや葛藤も少なくありません。

前回は、妻たちが結婚生活を通して感じた「結婚してよかった」と思うことや、「結婚しなければよかったかも」と感じる瞬間についての声をお届けしましたが、今回は夫たちに焦点を当てます。彼らが感じる結婚の意義や、夫婦生活の課題、そしてその中でどのように幸せや後悔を感じたか、それぞれの体験談をもとに掘り下げてみたいと思います。

8割以上の人が「結婚してよかった」

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まず、【妻編】と同様に「あなたは「結婚してよかった」と思いますか?」と質問したところ、以下のような回答結果となりました。

思う・・・80.7%(151人)
思わない・・・4.8%(9人)
わからない・・・14.4%(27人)

約8割の男性が「結婚してよかった」と感じていることがわかりました。これは【妻編】での女性の割合よりも高くなっています。その一方で、4.8%の人は「結婚しなければよかった」と感じており、14.4%の人は「わからない」と答えています。

続いて、夫目線からの、結婚生活における「良かったこと」と「後悔の瞬間」を探ります。

夫が「結婚してよかった」と思うとき

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家族の形成、存在

「家族で食事をしたり出かけたりするのが楽しくて、人生に充実感を与えてくれていると感じるから」(55歳/総務・人事・事務)

「子どもにも恵まれて家族が増え、家を建てて犬を飼うなんてことは独身では絶対にやらないことなので、それが体験できてよかった」(57歳/コンピューター関連技術職)

「子どもが育ち、それぞれ結婚し、孫が増えにぎやかになった」(69歳/その他)

「両親が亡くなった時一人でなくてよかったと思った」(59歳/コンピューター関連技術職)

回答者の多くが、結婚を通じて得た家族の存在を喜びとして挙げていました。家族との食事や旅行、孫の誕生など、家族と過ごす時間が幸福感につながっていると述べていました。

結婚して、子どもができて、家族が増えていくのは素敵なことですね。

一緒にいる安心感

「疲れていても話すと笑顔になれる 話し相手がいる」(46歳/医師)

「自分のことを心配してくれる人が必ずいるという安心感」(66歳/営業・販売)

「自分一人では働いていても生きている理由が見出せなかったと思うから」(42歳/その他)

「心のよりどころだから。常にお互いを尊敬し生きてきました。認め合い愛し合って今の自分がいると思っています」(59歳/研究・開発)

「同志として生きていくことに孤独が癒される」(65歳/その他)

結婚によって安心感が得られたと答えた人も多くいました。疲れていても笑顔にしてくれる存在や心配してくれる人がいることで、日々のストレスが和らいだり、精神的な支えになっていることがうかがえます。また、自分だけでなく「誰かのために」と思うことで、より頑張れるという意見もありました。

パートナーのサポート

「困った時など支え合える」(48歳/公務員)

「パートナーがいることでいろいろ協力しながら暮らせるから」(63歳/その他)

「失業した時など、辛い時や困った時に支えてもらった」(66歳/その他)

「昨年、癌の手術をした時にすべての事をしてくれたから」(61歳/営業・販売)

困難な状況に直面した際、パートナーの支えを強く感じたという人も。精神的なサポートや健康面での気遣い、日常生活の手助けなど、さまざまな形での支援が、夫婦としての絆をさらに深めるきっかけになっているようです。

感情を共有できる

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「楽しいことが2倍になる。悲しいことは半分になる」(61歳/その他)

「笑いのツボが一緒なので、話をしていて楽しい」(56歳/その他)

「楽しみも悲しみも共有できてこそ幸せだと思うからです」(60歳/その他)

感情を共有することで、喜びは倍増し、悲しみは和らぐ、という声もありました。また、笑いのツボが合うことで会話がさらに楽しくなるといった意見もあり、こうした感情的な結びつきが夫婦の絆を深めていることがわかります。

会話がある、それだけで幸せ。

生活の充実

「冬場の仕事帰りに、お風呂が沸いて、暖かい部屋で美味しいご飯ができ上がっていること」(67歳/その他)

「日々の行動、話し相手がいること」(66歳/その他)

「日々の食事の支度をしてくれるので、とてもありがたいです」(68歳/総務・人事・事務)

「役割分担して生活しているので、今の生活を維持するためには必須だから」(68歳/その他)

日常生活の中でのホッとする時間や気持ちも、結婚の魅力のひとつです。「帰宅すると温かいお風呂が用意されている」や「毎日の食事を準備してくれる」など、お互いの思いやりが日常をより快適にし、生活の質を高めていることが伝わってきます。

夫が「結婚しなければよかった」と思うとき

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結婚っていいな……と感じるエピソードが続きましたが、その一方で、結婚生活には後悔を抱く瞬間も。

妻とのコミュニケーション不足

「いつからかはもう覚えていませんが、口をきかなくなって久しい。なにがまずかったのかももう記憶のかなたです」(66歳/総務・人事・事務)

「嫁とあわない」(51歳/総務・人事・事務)

「喧嘩が続き一秒でも一緒にいたくないと感じる日々が続くとき」(63歳/営業・販売)

「いつの間にか会話が減ってしまった」との意見もあるように、コミュニケーションの不足が結婚生活に影響を及ぼすことがあります。些細なことが夫婦関係を冷え込ませる原因になりかねないため、気をつけたいですね。

経済的なストレスを感じている

「お金がかかる」(65歳/その他)

「お金を握られているから」(62歳/コンピューター関連技術職)

「金が無い」(29歳/その他)

経済的な負担がストレスの原因となることも。生活費を一方が全て負担している場合や、自由に使えるお金が少ないといった状況では、不満が生まれやすくなるようです。家族のためと理解しつつも、結婚していなければ全て自分で使えるのに……と考えてしまうのかもしれません。

自由な時間が欲しい

「時間が足りなくなる」(48歳/営業・販売)

「自由になる時間とお金がない」(61歳/学生・フリーター)

また、共同生活の中で個人の自由が制限されることに対する不満も見られました。平日は仕事に追われ、休日は家族と過ごす中で、自分だけの自由な時間がほしいと感じる男性も多いようです。これは男性に限らず、夫婦ともに感じることではないでしょうか。「自分だけ」でなく、お互いが一人の時間を確保できるようにしたいですね。

誰かと一緒に暮らすということは、大なり小なりストレスはたまるものです。

結婚は喜びと課題の両方が伴うもので、夫婦が協力し合い、お互いを理解することが関係を深めるために欠かせません。結婚生活を通じて多くの人が幸せを実感する一方で、コミュニケーションの問題や経済的な負担などが原因で後悔する場面もあります。

長い結婚生活のなかでは「結婚してよかった」「結婚しなければよかった」という気持ちを行ったり来たりするはず。相手の思いも大切にして、一緒に成長していく姿勢こそが、より豊かな結婚生活につながっていくのではないでしょうか。

ナカムラミカ
ナカムラミカ

エディター/ライター。大学在学時からライターとして活動、気付けばもうすぐフリーライター歴20年。webサイトや書籍の編集・ライティングなどを担当。料理と暮らしまわりの手仕事が趣味。根っからのインドア派だが、3児の母となりアウトドアの楽しさにも目覚めたところ。

 

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