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【夫の家出事情】理由と戻るまでの期間。その間どこへ?飲み屋、パチンコ、読書三昧と自由すぎる行動も

夫婦がひとつ屋根の下で暮らしていると、ほんの些細なことがきっかけで相手に対する不満が募り、「もう顔も見たくない!」なんてことにもなりがち。そんなときは、本当に物理的に距離をおいて、頭を冷やすのもひとつの手かもしれません。

そこで『kufura』では、既婚男性207人を対象に“夫の家出”をテーマにアンケート調査を実施しました。夫婦喧嘩などの事情で家を出て行った経験のある夫のリアルボイスをご紹介します。

ちなみに前回の記事では、その逆バージョン“妻の家出”に関するアンケート調査結果をご紹介しましたので、そちらも併せて御覧ください。

夫に聞く!「家を出て行ったことがありますか?」

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まず、家出経験(数時間程度の短いものも含む)の有無について尋ねたところ、結果は以下のように。

「ある」・・・54票(26.1%)

「ない」・・・153票(73.9%)

およそ4人に1人が家出経験ありとのこと。ちなみに、既婚女性を対象にしたアンケート調査では、「ある」と回答した人の割合が4割オーバーでした。母集団が大きくないので一概に言えない面はありますが、どちらかというと男性よりも女性のほうが家出率は高い傾向にあるようです。

「夫が家を出て行った理由」は?

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続いて、家出経験者54人にそのきっかけや理由について教えてもらいました。

家事を巡って揉めた

「妻の家事を手伝わないことで口論になり、家からしばらく離れていようと友人宅に身を寄せた」(66歳/その他)

「何も手伝ってくれないと言われて、カッとなって家を飛び出したことがある」(47歳/研究・開発)

『kufura』の過去記事でも再三にわたってご紹介している“夫婦間の家事分担問題”。今回のアンケートでも非協力的な夫に妻が業を煮やし、バトルが勃発し、収拾がつかないまま夫が家を出て行くケースが散見されました。

気になるのは家出のその後。一旦、頭を冷やした後、夫婦でよく話し合い、お互いの納得ポイントを見つけられていればいいのですが、ただ夫が逃げるだけで問題がうやむやになっているのだとすれば残念でなりません。

育児を巡って揉めた

「子どもの育児方針の違いで口論になり家出した」(39歳/その他)

「子どもの習い事の件で意見の相違が頻繁にあったので。いよいよ頭にきて、しばらく夜の街を徘徊して帰りませんでした」(52歳/営業・販売)

育児を巡る夫婦喧嘩もヒートアップする傾向あり。夫も妻もそれぞれ我が子のことを真剣に思うからこそ、両者が引くに引けません。言い争う姿はできれば子どもに見せたくないものですし、大事になる前に距離をおくのはひとつの手ともいえそうです。

妻に一方的に攻撃された

「会社から帰るなり帰宅が遅い!…となじられて喧嘩になり外出した」(65歳/その他)

「妻が初めて妊娠した際、不安を私にあたることで解消しようとしたため喧嘩になった」(49歳/その他)

「妻の勘違いで怒っていたのにそれを指摘したらさらに怒った。時間を空けようと家を出ました」(44歳/公務員)

「つまらないことで小言を延々と言われ続けて、我慢できなくて反論したら喧嘩になりました。顔も見たくないので一人で食事に出かけた」(68歳/総務・人事・事務)

「自分ではそれほどでもないと思っている些細なことで妻から怒られて気分を害したから」(56歳/コンピュータ関連以外の技術職)

夫婦喧嘩というより、夫視点では「妻から一方的に攻撃された」のが家出の引き金になったという言い分も。「つまらないことで小言」「些細なことで怒られた」とのことですが、夫にとって取るに足らないことでも、妻にとっては切実な訴えかもしれず、コメントの端々からも夫婦間の溝の深さがうかがえます。

夫を追い詰めるような言い方は避けるように妻側が工夫する余地もありそうですが、他方で夫も逃げてばかりではなく、妻の言い分をしっかり受け止めてほしいところです。

ほんのささいなきっかけで…

「何気ない一言で喧嘩になり家出をした」(41歳/その他)

「ほんとうにささいなことが積もり積もっていっぱいいっぱいになって出てしまった」(39歳/営業・販売)

「理由は忘れたがたぶんささいなことだったと思う。むかついたので外で憂さ晴らしのため一杯飲みに行った」(60歳/営業・販売)

「言った言わないで喧嘩になり妻とこれ以上話したところで腹が立つばかりなので家を出て行きつけの飲み屋で飲んだ後朝までぶらぶらしていた」(69歳/営業・販売)

夫婦喧嘩は犬も食わない……などといいますが、当事者ですら思い出せないような些細なことが双方の言葉のアヤで大問題に発展! 物理的に距離をおいて頭を冷やせば「なんであんなことで怒ってしまったんだろう」「もう少し別の言い方をすればよかった」などと反省する点も出てくるかもしれませんね。

夫はどこへ出て行った?戻るまでの期間は…

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家出経験のある男性たちに、行き先と戻るまでの期間についても尋ねました。

1日未満のプチ家出

「(夫婦喧嘩で妻を泣かせた男性)お金もなく、近くの公園で午後10時から深夜0時までベンチに座っていました。2時間程度で、妻も泣き止んでもうそろそろ寝ているだろうと思い帰宅しました」(67歳/その他)

「(記念日をすっぽかして妻に怒鳴られた男性)2〜3時間、あてもなく車を乗り回した」(63歳/企画・マーケティング)

「(食事の支度を巡って揉めた男性)5時間ファミレスにいた」(69歳/その他)

「(夫婦喧嘩した男性)1日中、パチンコしていました」(53歳/その他)

「(言った言わないで口論になった男性)夜の7時から行きつけの飲み屋とカラオケバーで過ごし、翌朝9時までぶらぶらしていた」(69歳/営業・販売)

女性ではプチ家出の行き先として公園が多かったのに対し、男性はドライブで時間つぶしする声が目立ちました。ガソリン代はかかってしまいますが、とりあえず雨露はしのげてひとりの空間にこもることができ、頭を冷やすのにはもってこいかもしれませんね。

1日~数日のショート家出

「(初産の妻に八つ当たりされた男性)あてもなく車で走り、夕方になったらその町のビジネスホテルに泊まり、翌日はわざわざ遠回りをして帰宅した」(49歳/その他)

「(互いに不機嫌で無言が続いていた男性)2晩。ネカフェと車泊で遠出しましたが、警察に届けを出されていて連れ戻されました」(44歳/総務・人事・事務)

「(夫婦喧嘩した男性)3日間職場に宿泊しました」(62歳/公務員)

女性では実家を頼る人が多かったのに対し、男性の宿泊先は、ネットカフェやビジネスホテル、車中泊などにばらけました。もちろん、性別の問題ではなく個人差もあるかと思いますが、どちらかというと男性は女性よりも強がり、やせ我慢で、親にも弱音を吐きたくないなんて心理が働くのかもしれません。

1週間以上のロング家出

「(妻の両親と同居して肩身が狭い男性)長いときは1週間車中泊します」(50歳/その他)

「(妻から拒否された男性)1週間。海と山で釣りと読書三昧」(51歳/会社経営・役員)

「(浮気がバレた男性)3週間ぐらい実家に逃げ込んだ」(52歳/コンピュータ関連以外の技術職)

女性では最長家出期間が1年にも及びましたが、男性は3週間とかなり短め。今回のアンケート調査だけで全てを語れるわけではありませんが、男性の場合、カッとなって家出することはあっても、すぐに冷静になったり我に返ったりで、1日未満のプチ家出か長くても数日で戻ることがほとんどのようです。

 

頭に血がのぼって冷静に話し合いができないような事態では、夫婦のうちどちらかが一時的に家出するのもひとつの選択肢。頭を整理したり気持ちを切り替えたりしたうえで、もう一度、夫婦で互いの意見のすり合わせをしてみてはいかがでしょうか。

中田綾美
中田綾美

成人までの人生を受験勉強にささげた結果、東京大学文学部卒業。その後なぜか弁護士になりたくて司法試験に挑戦するも、合格に至らないまま撤退。紆余曲折の末、2010年よりフリーライターの看板を掲げています。

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