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夫婦間で「価値観の違いを感じる」のはどんなとき?合わせるかスルーするかの難しさ

夫婦は生まれも育ちも違う他人。一つ屋根の下で暮らす日々の生活において、パートナーの言動に大小の違和感を覚えることもあるのではないでしょうか。

今回は、既婚男女264人(男性176人、女性88人)を対象に、“夫婦間の価値観の違い”をテーマにアンケート調査を実施しました。

「夫婦の間で価値観の違いを感じることはありますか?」

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まず、価値観の違いを実感することがあるかどうか尋ねたところ、全体のデータは以下の通り。

・「ある」・・・193票(73.1%)

・「ない」・・・71票(26.9%)

続いて、男女別のデータです。

男性(176人)

・「ある」・・・127票(72.2%)

・「ない」・・・49票(27.8%)

女性(88人)

・「ある」・・・66票(75.0%)

・「ない」・・・22票(25.0%)

男女ともに配偶者との価値観の違いを感じる人の割合は7割オーバー。逆に、「ない」と回答した人たちは、よほどフィーリングが合うのか、ひょっとすると相手に関心がないのか……。ちょっと気になってしまいました。

最も「価値観が合わない」と感じるのはどんなところ?

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続いて、前の質問で「価値観の違いを感じることがある」と回答した193人に、どんなところが合わないと感じるのか具体的にコメントしてもらいました。

お金に関する価値観の違い

「お金がないならそれに見合った生活をするという私の考えと、実家がそこそこお金持ちだった夫とは考えが合わない。節約することを知らない」(44歳女性/主婦)

「お金はあったらあっただけ使ってしまう夫。賃貸暮らしだし、もっと老後のために貯めようと言う気がないのかと不安になる」(41歳女性/主婦)

「私的には高いと思っているものを“欲しいけど高いなぁ……”と悩んでいると“買ったらいいやん”と金額に脳みもせず言われる」(32歳女性/主婦)

「お金に関すること。自由に使えないのは分かっているが、制限しすぎ」(44歳男性/コンピュータ関連技術職)

「冠婚葬祭にかける金額の違い」(58歳男性/研究・開発)

「私は物にお金を使い、妻は思い出作りにお金を掛ける」(53歳男性/会社経営・役員)

今回のアンケートでは男女双方から、金銭感覚が合わないとの声が続出。配偶者の計画性のなさにモヤモヤしたり、逆に倹約家すぎることに窮屈さを感じたり……。

夫婦双方が好き放題に散財すると破産一直線ですので、家計をどのように配分するのかは悩ましいところ。また、パートナーからは単なる無駄遣いに見えても、本人にとっては歴とした理由があることも多く、金銭感覚のすり合わせはかなりシビアな問題かもしれません。

子育てに関する価値観の違い

「私はあまり子どもたちにYouTubeを見せたくないが、夫は自分の休みがほしいため平気で長時間見せてしまう」(34歳女性/主婦)

「子どもの学習で、ある程度の成績をとっておいてほしいが、夫は自分が勉強ができなかったから、やらなくてもよいと言う」(40歳女性/主婦)

「配偶者は子どもを自分の思うとおりにしようとしている感じがする。私は基本、子どもの人生は子どものもので自由にさせたいと思っている」(53歳女性/総務・人事・事務)

「子どもが勉強しないとき、私は口うるさく言うと逆効果だと思うが、妻は勉強しなさい、とうるさく言うのでいつも価値観が合わず喧嘩になる」(57歳男性/研究・開発)

「私は子どもを伸び伸びと育てたく、日常生活や友達付き合いなどに細かい制限を設けない派。一方、妻は真逆で、スマホの使用や友達付き合いなどに口うるさい」(55歳男性/総務・人事・事務)

わが子への愛情が深いからこそ、父母間で衝突してしまうこともある子育ての価値観。夫婦それぞれが生まれ育った環境が異なる中、互いに「自分のほうがスタンダード」だと譲らないと、溝がますます深まってしまいます。子育てには正解がないということを念頭に、夫婦でしっかり話し合う必要がありそうですね。

趣味に関する価値観の違い

「笑いや感動するツボが違う。同じ映画やドラマが見れない」(53歳女性/主婦)

「休日に行きたいところがたまに食い違う」(65歳女性/主婦)

「自分はインドア派だが、妻はアウトドア派」(65歳男性/その他)

「スポーツ好きな私と、スポーツに関心がない妻とでは見たい番組がまるで違うこと」(55歳男性/その他)

一緒に笑ったり感動したり手に汗握ったり……。夫婦で趣味が合わないと、そうした感情の共有ができず、ちょっぴり寂しい気もします。ただ、過去に『kufura』が実施したアンケートでは、適度な距離感を保つことも夫婦円満の秘訣とのこと。趣味の価値観が合わない場合、無理に合わせるのではなく、「自分はこれが好き。あなたはこれが好き」と互いの楽しみを尊重するほうがよいかもしれませんね。

食事に関する価値観の違い

「味覚。味の好みが違うときがある」(29歳女性/その他)

「2日間続けてカレーを食べるなんてありえないと言われた」(52歳女性/総務・人事・事務)

「食事の味付けの濃さ」(39歳男性/営業・販売)

「私は味音痴なので、これが好き嫌いというのはあまりなく、何でも食べます。卵かけご飯があれば、ごちそうです。反対に、嫁さんは好みがうるさくて、肉は神戸牛がいいとか、魚はマグロ、中トロがうまいとか言っています」(64歳男性/その他)

何がおいしいと感じるか、味覚は生まれ育った土地や子どもの頃の食習慣に左右されやすく、すり合わせが困難。また、せっかく作った料理に「味が濃い(or薄い)」などとダメだしされるのも辛いものがありますよね。

ちなみに、筆者は夫とものの考え方のズレを感じることは多々あれど、なぜか食事の好みだけはほぼ一致。夫婦間で些細なトラブルが発生しても、その日の夕食がおいしければ「まあいいか」と険悪なムードが解消されることもしばしばです。それだけに、夫婦で味覚が合わない人たちは、一体どのように折り合いをつけているのか……よそさまの家庭のことながらちょっと心配になってしまいました。

生活習慣に関する価値観の違い

「私は朝は自分で起きるもので、誰かに起こされる前提で二度寝するのはいかがなものかと思うタイプだが、夫は、家族なんだからそれぐらいしてくれて当然と思っている。尚、その件で先週から絶賛冷戦中です!」(42歳女性/総務・人事・事務)

「旦那は家を出るときにベランダの鍵はかけないで良いといいますが私は必ずかけます」(52歳女性/その他)

「出したものを定位置に戻さないと気が済まない私と“また使うから”と言ってその場に置きっぱなしの妻」(55歳男性/営業・販売)

「生活に関すること。水を出したまま歯磨きをしたいのと止めて歯磨きをするのと」(45歳男性/その他)

「掃除や使っていない物の処分に関すること。得意、不得意は誰しもあるので、得意な方が行っている。お互いの同意の得られないものは、無理に行わない」(44歳男性/その他)

生活習慣のさまざまな所作に関して、配偶者に違和感を覚えるとの声も数多く寄せられました。夫婦の一方にとっては取るに足らないことでも、他方にとっては気になって仕方がない……。これもなかなかストレスがたまりそうです。

ただ、いくらおしどり夫婦であっても、クローン人間のように一挙一動がぴったり重なり合うなんて土台無理な話。最後のコメントにあるように、違いがあっても自分のやり方を押し付けるのではなく、お互いに無理をしないというのが理想的なあり方かもしれませんね。

 

“価値観の違い”といっても、夫婦でとことん話し合ってズレを解消する必要のありそうなものから、スルーしたほうがよさそうなものまで、内容も深刻度も千差万別。みなさんの家庭ではいかがでしょうか? 今回ご紹介したコメントなども、夫婦がもっと仲良くなるためのヒントにしてみてくださいね。

中田綾美
中田綾美

成人までの人生を受験勉強にささげた結果、東京大学文学部卒業。その後なぜか弁護士になりたくて司法試験に挑戦するも、合格に至らないまま撤退。紆余曲折の末、2010年よりフリーライターの看板を掲げています。

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