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【妻の意見】3年間のコロナ禍を経て「夫婦関係」はどう変化した?既婚女性のリアルな声は…

時の流れとともに、身近な人との人間関係は変わっていきます。恋と愛と情の分量が時々刻々と変化する夫婦関係においては、変化を嘆く人もいれば、味わいが増したととらえる人もいます。

直近の3年間を振り返ると、コロナ禍の影響が社会から家庭内に降り注ぐ時期もあったのではないでしょうか。

今回『kufura』編集部は、結婚後3年以上経過した既婚男女216人(男性86人/女性130人)にアンケートを実施。コロナ禍以前と現在で夫婦関係がどう変わったのか振り返ってもらいました。

【夫の意見】編に続く今回は、既婚女性の声をお届けします。

【夫編】と同じく7割超が「変わらず仲が良い」と回答

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アンケートにご協力いただいた130人の既婚女性の夫婦仲の“体感変化”については、以下のような割合になっています。

【コロナ禍以前と現在で夫婦関係はどう変わった?/妻に調査】

変わらず仲が良い・・・70.8%

変わらず仲が悪い・・・10.8%

以前より仲が良くなった・・・3.8%

以前より仲が悪くなった・・・14.6%

今回のアンケート対象者に関しては、コロナ禍に関わらず、夫婦仲が変化していないケースが多数派でした。

ちなみに「変わらず仲が良い」の割合は、夫サイドでは70.9%。妻サイドは70.8%ですから、男女ともにほぼ同じ割合です。

一方、夫編と妻編と異なるのは、「以前より仲が悪くなった」「以前より仲が良くなった」の割合です。夫婦仲が悪くなったと感じている女性は、男性の2.5倍でした。逆に夫婦仲が良くなったと感じている女性は、男性の約3分の1でした。その背景には、“在宅時間”がありました。

コロナ禍の3年で「夫婦仲が悪くなった」理由

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既婚女性がコロナ禍で「以前より夫婦仲が悪くなった」と感じた理由について、以下のような回答が寄せられました。

「外に出る機会が減りイライラすることが増え、今までは平気だった相手の行動にもイラッとすることが増えた」(35歳/主婦)

「在宅が増え一緒にいる時間が長くなった分、アラが目立つようになったため」(36歳/主婦)

「文句ばかり聞かされる」(40歳/事務職)

「スマホでゲームをする習慣がついて、暇があるとすぐにゲームをしているので」(47歳/パート)

「夫がリモートワークで家にいる時間が長くなり、はっきり言って、うんざりしている。息が詰まりそうだし、食事作りも大変だし、私はもうストレスがマックスです……。夫はどう思ってるのか知りません」(53歳/主婦)

「夫からものすごく当たられるようになった」(42歳/主婦)

夫婦仲の悪化には個々の背景がありますが、共通していたのは劇的な“何か”が起こったわけではないことです。以前から夫に感じていた”小さな違和感”が、少しずつふくらんでいったケースもあると推測されます。理由は、夫の行動や言葉遣い、家事への考え方などが目立ちました。

さらに「以前と変わらず夫婦仲が悪い」と回答した理由について、以前からの不満がそのまま継続しているケースが見受けられました。

「医療介護の仕事をしている自分に“コロナを家に持ち込んだら承知しないぞ”と険悪な態度を取ってくるようになった。しかし、もともとコロナ以前も他の感染症をネタに同じような態度を取ってはいたから」(42歳/その他)

「コロナに関わらず、スマホゲームに精を出している旦那とは、ほとんど会話が無い。お互い干渉しない。ある意味自由」(54歳/主婦)

「単身赴任が続いているので距離が近づかない」(32歳/主婦)

ライフスタイルが変わっても、人のパーソナリティは容易に変わることはありません。コロナ禍以前から相手の言動に不満を抱いている場合には、変わらず不満を抱き続けているケースがありました。

3年間で「夫婦仲が良くなった」理由は?

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対して、コロナ禍の3年間で「夫婦仲がよくなった」理由についてです。

「コロナ禍になり、在宅ワークが始まってから昼も一緒にご飯を食べたり、会話をする時間が増えた」(35歳/事務職)

「コロナに感染したときに、夫が看病をしてくれたから」(40歳/主婦)

「旦那が深夜に帰ってきたり、飲み会の頻度が少なくなったから」(35歳/総務・人事)

「友達と出掛けられなくなったので、夫婦や家族で出かける事が増えた」(50歳/財務・経理)

コロナ禍のライフスタイルの変化によって、向き合う時間が増え、それが夫婦仲の“好転”につながったケースです。

「過ごす時間が増えた」という背景は同じでも、結果が“悪化”と“好転”に分かれているのが興味深いですね。

「変わらず仲良し」でいられた理由

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今回のアンケートでは7割の女性が「以前と変わらず仲良し」と回答していますが、その理由としては以下のような回答が寄せられました。

「旅行などは行けなくなったが、家の中が整備されて家で過ごす休日が2人とも好きになった」(31歳/主婦)

「コロナで外出先や頻度などの意見の相違はありますが、関係に影響するほどではない。コロナは私たち夫婦の関係にはあまり影響はありませんでした」(38歳/公務員・団体職員)

「お互い変わりなく現場で働いている。医療職なので、少し行動制限はあるが、県内旅行の機会が増えた」(41歳/専門職)

「コロナ前と変わらず、なんでも話すようにしているからなのか、特に変化はない」(42歳/その他)

「スキンシップの時間を忘れないから」(28歳/公務員・団体職員)

「私はイライラしても、夫からの歩み寄りが出てきたので、結果相殺されている」(55歳/主婦)

「外出する機会は多少減ったけれど、共通の趣味がゲームなので普通に楽しんでいたから」(41歳/主婦)

頻繁なコミュニケーション、2人で家を整える、共通の趣味を持つなど、以前と変わらぬ“円満習慣”を継続しており、結果的に良好な夫婦仲が保たれていました。

 

以上、今回はコロナ禍の夫婦関係の変化についての既婚女性の声をお届けしました。

一時期は“コロナ離婚”などという言葉も取りざたされていましたが、男女ともに「仲が良い」と実感している人が7割を超えています。外では“新しい日常”を送りながら、家庭内では“変わらぬ関係”を継続していた夫婦は案外多いようです。

北川和子
北川和子

自治体HP、プレスリリース、コラム、広告制作などWEBを中心に幅広いジャンルで執筆中。『kufura』では夫婦・親子のアンケート記事やビジネスマナーの取材記事を担当している。3児の母で、子ども乗せ自転車の累計走行距離は約2万キロ。地域の末端から家族と社会について日々考察を重ねている。

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