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こんなときだから夫婦で読書会でもいかが?「夫婦関係」「育児」について夜更かし議論したくなる7冊【コミック・小説・実用書】

新型コロナウイルスが世界中に広がってから2年あまり。“新しい日常”“三密”など新しい言葉が生まれ、 “おうち”に“ステイホーム”して親子や夫婦で過ごす時間が増えた方は多いと思います。在宅時間が増えたことで家族関係・夫婦関係に変化のあった家庭もあるかもしれません。

『kufura』は、コロナ以前から継続的に既婚男女の声を収集していますが、2人の時間を持ったり、同じ体験をしたり、じっくりと会話をする機会を持つ夫婦は、夫婦仲が良好な傾向が見られます。

そこで今回は『kufura』で夫婦関係の記事を多く担当している筆者が“読書会”というアプローチをご提案します。読んだら思わず感想を交換したくなるような育児・夫婦関係の本をセレクトしました。

夫婦で読みたい【コミック】

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まずは、読みやすいコミックから。ユニークな設定の2冊をご紹介します。

(1)『ワンオペジョーカー(1)』宮川サトシ(原作)後藤慶介(作画)/講談社(2021年)

舞台は、バットマンがいるゴッサムシティ。ある日、事故によって正義の味方のバットマンが赤ちゃんになってしまいます。“正義のもろさ”を証明することを生きがいとする“悪”のジョーカーは、バットマンを育てることに。“ワンオペ育児”によって白塗りのメイクをする余裕をなくしたり、夜泣きに苦しんだり、保育園探しの“ホカツ”がうまくいかずにやきもきしたり……。育児の「あるある」の場面でジョーカーがアワアワと焦る様子に共感と愛おしさが募ります。

DCコミック公認とのことで、アメコミ好きの人にもおすすめです。

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(2)『ヒヤマケンタロウの妊娠』坂井恵理/講談社(2013年)


物語は「男性も妊娠するようになって10年後の世界」で、主人公の男性が意図せず“妊夫”となる場面からスタートします。職場の出世頭としてリーダーシップを持って働いていた主人公ですが、妊娠後に社会を見る視点がどんどん変わっていく描写がリアル。男性を妊娠“させてしまった”女性との関係性の変化にも要注目です。

2022年4月にドラマ化され、Netflixで全世界に配信予定。

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夫婦で読みたい【小説】

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夫婦のすれ違いや・育児の大変さは、どこの国・どの時代でも語られています。家族愛の“ヒューマン小説”ではなく、男女ともに物語に没入しやすい海外のサスペンス系の2冊セレクトしました。

(1)『春にして君を離れ』アガサ・クリスティー(著)中村妙子(訳)/ハヤカワ文庫(2004年)

主人公は、3人の子どもを育て上げた絵に描いたような良妻賢母。物語は、遠方に嫁いだ娘の家で過ごした主人公が、帰路の途中に自分の人生を振り返る、という構成。

1人称の回想から彼女の記憶の書き換えや認知のゆがみが少しずつ浮かび上がり、「あれ?」という違和感が積み重なっていきます。読み手の想像力にゆだねられる部分が多く、1人1人違う解釈になることもあると思います。

読後は夫婦であーでもない、こーでもない、と話し合うのも一興。ちなにみに、筆者は、この本を読んだ後、2時間ほど打ちひしがれていました。

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(2)『ヌヌ 完璧なベビーシッター』レイラ・スリマニ (著) 松本 百合子(訳)/集英社文庫(2018)

舞台はフランスのパリ。ハイキャリアの夫婦が子どもを授かった後、夫はこれまで通り仕事を続け、妻は仕事からいったん離脱。妻が“ワンオペ育児”に疲弊し少しずつ追い詰められる中で、運よく育児も家事も一任できる完ぺきな有能なベビーシッターが現れます。

徐々にベビーシッターの高い育児・家事スキルに依存するようになる夫婦ですが、「ベビーシッターよりも自分たちの仕事に価値がある」という意識が端々に見られ、“稼ぐこと”と“育てること”のいびつな関係性が可視化されます。

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夫婦で読みたい【実用書・新書】

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続いて、専門的な内容がわかりやすく解説されている実用書・新書をご紹介します。

夫婦の現在地や子育てが完了したあとの2人のありかたを探るためにも役立つ内容です。

(1)『どうして、男と女はすれちがう? ─妻から母へ、夫から父になるとき+現役のあとに』岡崎 勝・貴戸 理恵 ・ 山本 芳幹・小島 貴子・ 土井 峻介/ジャパンマシニスト社(2019)

夫と妻の「すれ違いポイント」を対談形式で掘り下げた一冊。

慌ただしい子育て期を終え、子どもたちが巣立った“その後”までの人生を長い目で見つめられる内容です。一方の目線に偏ることなく、夫婦で共有しやすい内容で、2人の関係をメンテナンスするためのヒントが詰まっています。

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(2)『なぜ共働きも専業もしんどいのか 主婦がいないと回らない構造』中野円佳/PHP新書(2019)

共働きでもしんどい。専業もしんどい、夫婦でつらさを共有できない……。その理由を突き詰めると、仕事をするためには家庭内や育児や雑事を担う“主婦的な存在”が必要な社会構造が見えてきます。

女性の共感を呼ぶタイトルですが、職場で人を管理する立場にある人こそ、ぜひ読んでおきたい1冊。

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(3)『結婚と家族のこれから』筒井淳也/光文社新書(2016)

以前『kufura』編集部が、シニア世代と子育て世代にアンケート調査を行ったところ、「働きたくても働けなかった。若い世代はうらやましい」というシニア世代の声と、「子どもともっと過ごしたいのに、共働きじゃないと家計がまわらない。経済に余裕があった頃がうらやましい」という現役世代の声のかい離が印象的でした。

社会の急激な変化に、働き方や価値観の変化が追いついておらず、正規雇用と非正規雇用の経済格差も広がっています。本著では「共働き」が基本となった現代の家族のこれからはどうなるのか、という内容を易しく説いています。読後は「じゃあ、子どもたちが自立するころの社会はどうあって欲しい?」と誰かと論じたくなる1冊です。

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以上、今回は夫婦で読みたい本をご紹介しました。

春めいてきましたが、まだまだ大勢の人と集まってワイワイと過ごすのは難しい状況です。

夜に時間ができたら、夫婦で読書体験を共有することで、お互いの考えていることを少しずつシェアできるといいですね。

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