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「夫婦の寝室」どうしてる?同室or別室?移ろいゆく寝室事情を調査

夫婦の寝室事情は、デリケートな話題の1つ。

単に夫婦仲の良し悪しだけでなく、さまざまな理由を踏まえて「どこで、誰と寝るか」を決定している家庭は多いと思います。

今回は、既婚男女500人に就寝形態に関するアンケート調査を実施しました。年代別に見ていくと、結婚後の夫婦関係の推移の傾向が浮かび上がってきます。

6割の男女の就寝形態は「同じ部屋」で。年代別の差は?

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まず、20〜50代既婚男女500人に現在の寝室事情についてうかがったところ、以下のような割合となりました。

「夫婦が違う部屋で寝ている」・・・38.6%

「夫婦が同じ部屋の同じベッド(布団)で寝ている」・・・25.6%

「夫婦が同じ部屋の別々のベッド(布団)で寝ている」・・・ 35.8%

年代ごとの数値を見てみると、

「同じ部屋の同じベッド(布団)で寝ている」割合が最も高かったのは20代の50%、最も低かったのは50代の18.7%

「夫婦が別々の部屋の別々のベッド(布団)で寝ている」割合が最も高かったのは、40代の42.1%。逆に最も低かったのは20代の14.3%

一方、「同じ部屋の別々のベッド(布団)で寝ている」という回答は、どの年代も30%台でした。

続いて、現在の就寝形態となった経緯についてうかがったところ、夫婦が個々の“歴史”を経ていることがわかりました。

それぞれの項目ごとに、現在の就寝形態をとっている理由についてうかがいました。

「同じ寝室の同じ寝具」で寝ている男女の声

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まず、同じ寝室の同じ寝具で寝ている男女に現在の就寝形態を選んでいる理由についてうかがいました。

【20代】

「一緒に寝たいから。子どもはいないので、同じベッドで寝ています。子どもができたらどうするか検討中ですが、夫は同じベッドで寝たいと言ってくれています」(27歳・総務・人事・事務/女性)

「特に別々で寝る理由もなく自然とそうなった。初めから何も変わってないし先のことも特に話してはいないが子ども(4歳)が大きくなってきて、若干狭いかなと感じ始めている。いまはセミダブルで3人で寝ている」(24歳・主婦/女性)

【30代】

「お互い別々の部屋で寝ることが嫌だから。子どもが産まれて子どもを間にはさみ寝るようになりました」(33歳・主婦/女性)

「部屋に余裕がないから新婚時から同じダブルベッド」(36歳・主婦/女性)

「妻の意向。最初から子どもとは別で寝ていたので変化がない」(31歳・その他/男性)

【40代】

「一緒の方があったかいし、狭い家でそれが当たり前になってしまったから。歳をとってきたので寒くはなるが、別のベッドの方がお互いの睡眠のためにはいいと思うようになり、ベッドを買うか迷い中」(43歳・主婦/女性)

「ベビーベッドを入れて3人で寝ていましたが、子どもが成長して今は夫婦2人で寝ています」(49歳・主婦/女性)

「寝室でしか交換できない情報があるから。結婚以来ずっと変わっていない」(48歳・総務・人事・事務/男性)

【50代】

「子どもが生まれて川の字で一緒に寝ていましたが、子どもが自分の部屋で寝るようになりました。結婚して27年、安心感があるので今も一緒の布団で寝ています」(51歳・主婦/女性)

「部屋が狭いから別で寝られない。子ども部屋を与えるために夫婦のベッドを移動した」(50歳・総務・人事・事務/男性)

「寝室の数が1つで済むし、お互いの存在が気にならないから」(51歳・金融関係/女性)

同じ部屋・同じ寝具グループで目立つ回答は、以下のようなものでした。

・安心感がある

・一緒に寝たい

・配偶者の気配がストレスにならない

・住宅事情により

中には、子どもが小さい頃から“親子別室・夫婦同室”の欧米式スタイルを取り入れている夫婦も見受けられました。

“同室・同寝具”のグループは、結婚以来、就寝形態を変えていないケースが目立ちます。

「別の部屋」で寝ている男女の声

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続いて、夫婦別室の回答者の声をご紹介します。

【20代】

「2人目が産まれるまでは一緒に寝ていたが、2人目が産まれてからベッドが狭くなりパパは別室で寝ることになった。子どもたちが1人で寝られるようになったら夫婦同室に戻る予定」(28歳・その他/女性)

【30代】

「新婚時は同部屋、別ベッド。子どもが生まれてから別室。別部屋の方が熟睡できる」(34歳・総務・人事・事務/女性)

「夫の寝息がうるさくて起きてしまうので、別々に寝ています。その方が熟睡できるので。結婚したときからもう別々に寝ていました。夫の寝息がうるさくて起きてしまうので。でも仲良いです!」(39歳・主婦/女性)

「就寝時間が異なり、お互いを起こさないため。子どもが生まれてからは妻が子どもと、私は寝室で寝るようになった」(37歳・コンピュータ関連技術職/男性)

【40代】

「ダブルベッドで寝ていたが、子どもが産まれてからは、旦那の帰りが遅いから別に寝るようになった。自分と子どもがダブルベッドで寝ている」(41歳・営業・販売/女性)

「別の布団で寝た方が熟睡できるから。妻と子どもが一緒の部屋で、夫は別の部屋で寝るようになった」(48歳・その他/男性)

「私が寝相が悪いから最初から別々」(48歳・デザイン関係/男性)

「子どもが乳児の時期、ミルクや夜泣きで子どもが泣いても夫は全く目覚めず、私は夫のいびきで眠れなかったため寝室を分け、以来そのままになっている。新婚時はシングルベッドを並べて寝ていたが、子どもが乳児の時期に私だけが子どもと寝るようになり、幼児になった現在もそのままになっている」(42歳・その他/女性)

【50代】

「お互いのいびきがすごくて一緒にはいられない。ずっと布団ですが、戸建てに越してからは夫1階、私3階の部屋で寝ています」(52歳・技術職/女性)

「熟睡のため。妻のいびきがうるさい。子どもが中学生くらいから別の部屋で寝るようになった」(55歳・金融関係/男性)

「お互い束縛されずに自由に寝られる。子どもが中学生になったころから別々の部屋になりました」(54歳・コンピュータ関連技術職/男性)

「夫が寝る直前まで飲酒するのでいびきがうるさい。子どもを授かるまで10年以上セミダブルの布団で夫の大いびきに耐えながら寝ていたが、子どもが生まれてからは私と赤ちゃんが、夫が自分の騒音を棚に上げて赤ちゃんの泣き声で眠れないと言い出し、別室にシングルの布団で寝る生活がスタートした」(54歳・主婦/女性)

皆さんの回答を見ると、いくつかのパターンが見られました。

・子どもが生まれたことで妻と子どもで寝るようになった(一時的なパターンと、その後習慣化のパターンがあり

・配偶者のいびき・寝返り・就寝時間の違いが気になる。別々のほうが熟睡できる

・子どもが1人で寝られるようになり、夫婦の自由を優先するようになった

40~50代になると、子ども基軸の就寝形態から、夫婦がよりゆっくりと休める形態を模索して現在の方法に落ち着いた人が目立ちます。

「同じ寝室の別の寝具」で寝ている男女の声

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同じ部屋にベッドや布団を並べて寝ている、と回答した男女の声をご紹介します。

【20代】

「別々の布団の方が1人1人のスペースが広く、窮屈に感じないので熟睡できるから。子どもが産まれたばかりの頃は、夜間授乳などもあり主人を起こすといけないので、主人だけ別部屋でした。夜まとまって寝てくれるようになった頃、3人川の字で寝るようになりました」(29歳・主婦/女性)

【30代】

「父親と長女、母親と次女の組み合わせで寝ている。新婚時代は同じ布団で寝ていたが、子どもが生まれてからは別々で寝ている」(37歳・技術職/男性)

【40代】

「掛け布団の取り合いにならずに済むから。ずっと同じ部屋で別の布団で変わらない生活」(43歳・医師/男性)

「布団の取り合いが起きるのが嫌だから。結婚してからずーっと一緒。寝室1つしかないし、広くもないから変わらず」(40歳・主婦/女性)

【50代】

「お互い熟睡できるためだがベッドはくっつけている。昔は布団を敷いてみんなで川の字で寝ていた。家を建ててから子どもはそれぞれの部屋、夫婦は同じ寝室で別々のベッドだがくっつけて使用している」(51歳・主婦/女性)

「掛け毛布の引っ張り合いにならないように。子どもが大きくなってから夫婦だけで寝るようになった」(51歳・技術職/男性)

同部屋・別布団の回答でよく出てきたのが、

・布団の取り合いや相手の寝返りで熟睡が妨げられない

・子どもの布団と夫婦の布団を並べて“川の字スタイル”で寝ている

・子どもが別室で1人で寝られるようになり、夫婦だけになった

・住宅事情により

というもの。

相手の気配を近くで感じられるけれど、体はのびのびと伸ばせる、という点で同室と別寝具の“いいとこどり”といったところでしょうか。

 

以上、今回は夫婦の寝室事情を掘り下げていきました。

それぞれの方法に夫婦の工夫の形跡が見られました。

欧米の夫婦相談のサイトではしばしば、配偶者が別の部屋で寝たがることに対する悩みを深刻に受け止める書き込みが見受けられます。一方アジア圏やアフリカ圏に目を向けると、3世代の家族が1つの空間で寄り添って寝る文化も、個室はないけれど個ベッドを必須とする文化もあって、就寝形態は、家族観をよく映し出しています。

今回の回答内容を見ると、日本のカップルは、子どもの添い寝の必要性や、夫婦のライフスタイル、住宅事情に合わせて、より心地の良い方法を選択している印象を受けました。

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