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我が子は本好きじゃないみたい…どうしたら?【絵本ナビ編集長の読み聞かせ相談】♯7

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我が子には、できれば毎日読み聞かせをしてあげたい。なぜなら「子どもに本が好きになってもらいたい」から。そういう目的を持って、小さい頃から熱心に絵本を読んであげているお母さま方はきっと多いでしょうね。

でも、だからこそ。「あれ? この子、本が好きじゃないのかな」そう感じてしまった時の悩みも大きくなってしまうもの。そんな時はどう対処すればいいのでしょう。無理やり読まない方がいいのでしょうか……。

この連載では、『絵本ナビ』編集長の磯崎園子が、月に1テーマずつ、読み聞かせの悩みについておすすめの絵本と共に回答していきます。今回のテーマは「本好きではない子に、どう読み聞かせる?」です。

「本好きではない子」にどう読み聞かせする?

Q1:子どもに本を好きになってもらえない(46歳・主婦)

A1:「本の楽しみ方」は様々! 子どもの興味の延長線上にある本を探してみても。

ひとくちに「本」と言っても、色々ありますよね。赤ちゃん絵本から物語絵本、しかけ絵本・遊び絵本、写真絵本や図鑑、そして読みもの。そして「本が好き」と断言できる子って、そのどれもが好きなのだと思うのです。どんな本を渡してもすぐに夢中になってしまう。そう考えると「どんな本でも好きな子」っていうのは案外少ないものです。

ほとんどの子は、「写真絵本の方が好き」「同じ絵本ばかり読んでいる」「いつも図鑑をながめている」などなど、好みがかたよっていたりします。また、「パパに読んでもらうのが好き」「おやすみ前に必ず1冊」「ひたすらめくるだけ」「迷路や探し絵ばっかり」など、楽しみ方だってさまざまです。

そうなってくると、もしかしたら主役は「本」じゃなくたっていいのかもしれない……という考え方だって生まれてきます。本を開くのは苦手だけど、ママやパパの口から物語を聞いている時間は好き。あるいは、外遊びで見つけてきた虫や動物園で見た動物の話は好き。ものをつくるのが好き。スポーツに夢中、ゲームに夢中。子どもが興味を持っていることさえ見つけだせれば、その延長線上にそっと本を差し出してみるっていう方法もあるでしょう。

だって、ほら。大人になってから「読書の楽しみに目覚めた」っていう方だって沢山いるはず。「好き」になるタイミングっていうのは、いつやって来るかわかりません。まわりの大人が「本が嫌い」なんだって決めつけるのは、まだ早いですよ。

Q2:本を読んであげても聞いてもらえなかった(48歳・フリーター)

A2:本の読み方は自由。思いつく限りのことを試してみて!

とはいえ、せっかく手元にたくさん本があるのに読んでくれない。読み聞かせをしてあげても、聞いてくれない。そういう毎日が続けば、やっぱり落ち込むものです。例えばこう考えるのはどうでしょう。

「もし本が、子どもの嫌いな野菜だったら」

どうしてもその野菜が食べてもらいたいのだとしたら。色々な工夫をするのではないでしょうか。生でダメなら焼いてみる、煮てみる、すりおろしてみる。他の食べ物と混ぜてみる。わからないようにお料理する。野菜自体に興味をもってもらう。

お母さまご自身が好きな野菜だとしたら、その美味しさを上手に伝えるでしょうし、お母さまご自身も嫌いだったとしたら、克服してよかった話を得意気に伝えることでしょう。そして、それでもダメなら放っておくのではないでしょうか。そのうち大人になれば食べるかもしれない、と。

本の読み方だって、実は読む人の自由なのです。歌ってもいいし、声にださなくなっていい。読まないで、その良さを伝えるだけだっていい。ここはお母さんの引き出しの多さにかかっています。ぜひ、思いつく限りのことを試してみてくださいね!  子どもから見たら、なんだか必死なお母さんって面白いものなのです。

今月のおすすめ絵本

絵本をきちんと読まなくても盛り上がる…!?  ヨシタケシンスケ『りゆうがあります』

             『りゆうがあります』(PHP研究所)作/ヨシタケシンスケ

読めばもちろん面白くて笑ってしまうのが大人気ヨシタケシンスケさんの絵本なのですが、そのテーマ性だけでも盛り上がってしまうのが、さらにスゴイところ。

「あ!また ハナ ほじってる! ダメよ!!」
……しまった。今、ぼくはハナをほじっている。

そんな瞬間、子どもならしょっちゅう体験しているはず。
当然、おかあさんにはいつも怒られる。
りゆうは、「おぎょうぎが わるいから」。

確かにその通り。
だけど、ぼくにもなにか「りゆう」がほしい。
ちゃんとしたりゆうがあれば、ハナをほじってもいいんじゃないだろうか。
そこで、ぼくがおかあさんに答えた「りゆう」とは……?

絵本『りんごかもしれない』『もう ぬげない』等で大きな話題を集め、今もっとも注目を集めている作家さんのひとり、ヨシタケシンスケさんのこの作品のテーマは「クセ」。

ハナをほじったり、ツメをかんだり、貧乏ゆすりをしたり。
人には、ついついやってしまう色んなクセがあります。
子どもがそれをやっているのを見かけたら、注意しない訳にはいきません。

だけど、この絵本では、子どもたちに「そのクセをやめなさい!」なんて言うつもりは、さらさらないようです。主人公の「ぼく」に言わせると、どの行動にもちゃんとした「りゆう」があるんだと。
ハナをほじるのは、ハナの奥にあるスイッチを押して「ウキウキビーム」を出すためだし、ツメをかむのは、大人には聞こえない音を出してゴミすてばのカラスを追い払っているから。
では「貧乏ゆすりをするのは…」「ごはんをボロボロこぼすのは…」「高いところを見つけると必ずのぼっちゃうのは…」?

「へー……そうなんだ」
思わず納得しちゃうほど、そのりゆう(いいわけ?)がとにかく面白い。奇想天外、だけど確かに「正当」。何なら、もっと他のりゆうが聞きたいくらい。
この絵本のおかあさんみたいに、クセを見つけた時には、叱る前にちょっと聞いてみようかという気にもなってくる。大人だって、自分じゃ気がつかないクセがあるしね。私もりゆうを考えなくっちゃ。

子どもたちが、この絵本を読んで笑って、それから心が少し軽くなったら嬉しいな。

(磯崎園子 絵本ナビ編集長)

※ 絵本ナビより引用

 

この絵本を横において、まずはお母さまが自分の「クセ」とその理由について話しはじめる。そんな不思議なシチュエーション、想像するだけでワクワクしてきます。

 

【参考】

『りゆうがあります』- 絵本ナビ

ヨシタケシンスケ作品一覧 – 絵本ナビ

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