赤ちゃんへの読み聞かせはいつからスタートさせる?
Q1:子どもは生後3カ月。いつから読み聞かせを始めたらいいのか分かりません(38歳・金融関係)
A1:早すぎることはありません。語りかけるつもりで読んでみて。
生まれたばかりの赤ちゃん。ためしに絵本を読み聞かせてみても、ぼーっとしてるみたい。反応だってほとんどないし。本当に嬉しいのかな、まだ早すぎるのかな? 最初に迷ってしまうのはこの頃ですよね。でも大丈夫。赤ちゃんは、実はママのお腹の中にいる頃から聴力が備わっているのだそう。案外しっかりと聞き耳を立てて喜んでいるのです。
だから生後3カ月だって早すぎません。最初は、絵本の言葉を使って赤ちゃんに「語りかける」つもりで読んであげてみてくださいね。ゆったり、楽しく、気持ちよく。そうやって続けていると、だんだんママの身体の緊張の方が先にほどけてきて……あ、今赤ちゃんが笑った? ママのリラックスが赤ちゃんに伝わったのかな? なんていう素敵なことも起こるかもしれませんよ。
Q2:0歳。月齢にあった本がよくわかりません(38歳・主婦)
A2:まずは色々とためしてみて!その反応を観察することが大事です。
確かにこの頃の赤ちゃんは身体がどんどん成長していくので、月齢が1カ月違えば「全然違う生き物」だと思っていいくらい! その成長にぴったりと合った絵本を探すのは、実はとっても難しいのです。
だけど、赤ちゃん絵本には様々な種類があります。「おもちゃみたいな絵本」「形や色がおもしろい絵本」「語りかけるような絵本」あまり気にせず、まずは色々とためしてみてください。それで赤ちゃんの反応をよく観察してみてください。
そうすると、同じ絵本を読んでいても赤ちゃんの反応が少しずつ変わってくるのです。最初はじーっと聞いているだけだったのが、ちょっと笑うようになって。ページをじっと見つめてみたり、触ったりなめようとしたり。ページをめくることに夢中になったかと思えば、指をさすようになったり。もちろん破っちゃうことだってあります。
そうやって絵本を通して成長を感じることができることこそ、赤ちゃんへの読み聞かせの一番の醍醐味。そのうちにお気に入りの絵本っていうのが段々わかってきます。同じ絵本ばかり読みたがるからです。そしたら、思う存分その絵本を繰り返し読んであげてくださいね!
今月のおすすめ絵本
音と動きがくっついて…赤ちゃんがキャッキャッと笑う絵本『だるまさんが』
『だるまさんが』(ブロンズ新社)作/かがくい ひろし
赤ちゃん絵本として圧倒的人気を誇るこの絵本。人気に秘密は「だれがよんでも笑っちゃう」つくりになっているところ。声に出して、楽しんで読んであげてくださいね。ママが笑えば赤ちゃんも幸せな気持になってくれるはずです。
赤くて、ぷくーっと膨らんだように丸くて、小さな手足がちょこんとついていて、なんだかびっくりしたような顔をしてこちらを見ているのは…だれでしょう?
「だ る ま さ ん が」
ページをめくれば、そのまあるい体が、かけ声と共にゆらゆら揺れ出して……
「どてっ」
あ、ころんじゃった!!
「だ る ま さ ん が」
今度は……
「ぷしゅーっ」
あれ!? なんかぺっちゃんこになってる!!
0歳の赤ちゃんから大人まで笑ってしまうと、発売以来ずっと多くの読者を喜ばせ続けているこの絵本。柔らかそうな丸くて赤いかたまりが、伸びたり縮んだり、転んだり。目をつぶったり、開いたり、笑ったり。おまけに「ぷっ」とする。だるまさんっていう名前なんて知らない小さな子でも惹きつけられてしまっているのが、その反応を見ているだけでわかります。呼びかけるような言葉のリズムも声に出してみれば独特な「間」をつくってくれて、誰が読んだって笑っちゃうのです。
作者のかがくいひろしさんが絵本を作る時にこだわっていたのが「もの」「音」「うごき」「見立て」なのだそう。理屈がわからなくたって、見て、聞いているだけで楽しくなってくる。それがこの絵本の人気の秘密になっているのだということは、多くの読者からの感想を読んでいてもよくわかりますよね。
さらに、ユーモラスだけれど、どこまでも優しさを感じる表情。動きの愛らしさ。だるまさんが転ぶだけじゃない、という意外性。自然とスキンシップを取りながら読んでしまうこと。読んであげる大人の方が先に笑ってしまうこと。
…それらが全部、この絵本が愛される要素になっていることは言うまでもないですよね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
※絵本ナビより引用
赤ちゃん絵本の存在は、読んであげる大人のためでもあるのです。緊張が続く毎日だからこそ、たまには声に出して思いっきり笑ったり、うたったりする時間をつくってみてくださいね。絵本は子育ての良き相棒として、結構頼りがいがあるんですよ。
【参考】