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「専業主婦がうらやましい…」と兼業主婦の半数が感じている!足りていないのは時間やお金の余裕?

女性は、結婚や出産の前後に「わかれ道」に直面することがあります。仕事を続けるのか、家事や育児にどのくらいの時間とエネルギーをあてるのか、重大な選択に迫られることも。仮に兼業主婦の道を選んだあとも、どのような就業形態で、どのくらいの時間働いて、どの保育施設に申し込むのか……など、いろんな選択が待ち受けています。人生って、選択の連続なんですよね。

ふとした瞬間に、自分とは異なる道を選んだ人に思いをはせる日もやってくるかもしれません。

『kufura』 編集部は、兼業主婦34人・専業主婦34人にアンケートを実施して、自分と異なる立場の主婦について「“うらやましい”と感じること」について、聞いてみました。

アンケートでは、兼業主婦の55.9%が、専業主婦の58.8%が、対の立場の主婦を「うらやましいと感じることがある」と回答しており、それぞれ半数を超えています。

それでは、どんなときに「うらやましい」と感じるのでしょうか。今回は、兼業主婦の声をご紹介します。

専業主婦は「家事と育児に時間をかけられる」ことがうらやましい

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兼業主婦から見て、専業主婦が「うらやましい」と思うポイントとして、一番多かったのが「時間」に関する回答です。

「子どもとの時間をしっかり取れること」(39歳/総務・人事・事務)

「時間にとらわれないようなイメージ。でも、実際、自分が専業主婦だったときは、自分以外の用事が多く、自由な時間はなかったけれど」(49歳/その他)

「時間にも経済的にも余裕があるように見えること」(34歳/総務・人事・事務)

専業主婦が、家庭のため家族のために、十分な「時間」を使えることをうらやむ声がありました。一方、自らの専業主婦時代を振り返って「時間はあったけど、自由ではなかった」という兼業主婦の声も。

「妻の収入がなくてもやりくりできること」がうらやましい

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続いて、専業主婦世帯の経済力について述べた回答です。

「専業主婦でいられるという、余裕がある点。私は経済的にも余裕がないので、そういった余裕がほしいと思ってしまう」(41歳/その他)

「資金に余裕があると思うから」(30歳/その他)

働いて収入を得ている回答者の中には、妻の収入に頼らない家計をうらやむ声が含まれていました。

ひるがえって、専業主婦からは「家のこと」があって今は働けないため、兼業主婦の収入がうらやましいという声がありました。生活費の収支や、自由に使えるお金については、各人、各世帯の事情がありそうです。

「職場のストレス」がなくてうらやましい

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現在の職場でストレスを感じている人からは、こんな声も。

「会社の人間関係のストレスがなくてうらやましい」(49歳/総務・人事・事務)

「仕事のストレスがないこと」(43歳/その他)

対人関係や業務のストレスを抱えていても、職場を簡単に離れることができない事情もあるでしょう。仕事のストレスから離れたいときに、専業主婦をうらやむ気持ちが生じるという声がありました。

一方、専業主婦の回答者からは、社会とつながることができる職場があって、家族以外の人から感謝される機会があることをうらやむ声が寄せられています。

専業主婦のことが「うらやましいとは思わない」という声も…

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今回のアンケートでは、現在兼業主婦の44.1%の女性が「専業主婦をうらやましいと思うことがない」と回答しています。その理由をたずねたところ、以下のような回答が寄せられました。

「私は、以前は専業主婦でした。子どもが小さいうちは専業主婦で良かったですが、ずっと気楽に自宅にいるのに“疲れた”と言うのが申し訳なかった。今はパート勤務ですが、家計が助かるし、身体を休めるのも心苦しくなくなったので良かったです」(42歳/パート勤務)

「仕事をしていると大変だけど、社会とのつながりがある」(49歳/総務・人事・事務)

「専業主婦は家のことをきっちりやらないとならないプレッシャーがあるからイヤ」(58歳/総務・人事・事務)

兼業主婦の皆さんの回答を振り返ると、家族のために時間を使える専業主婦をうらやむ声がある一方で、「家のこと」「家族のサポート」から逃れられないプレッシャーや収入がなくなることを敬遠する声もありました。

「専業主婦」と「兼業主婦」の垣根は低くなっているけれど

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今回は、兼業主婦が「専業主婦のことが“うらやましい”と感じること」についてお届けしました。

専業主婦と兼業主婦の声を読み込んでみると、いずれも、誰かがやるべき「家のこと(家事・育児・介護)」から生じる悩みが多くなっています。

女性の暮らし方や働き方についての情報を継続的に収集している『kufura』が過去に行ったアンケートでは、ライフステージの変化に合わせて、家庭と仕事との向き合い方を変えていく傾向も見られます。今回のアンケートでも、両方の属性を経験したうえでの回答が含まれていました。

快適な生活空間、家族との時間、生活費、教育資金、充実した日常、老後資金……などなど、大切なことはたくさんあって、優先順位は時の流れとともに変化しています。

「今、大切にしたいこと」を、思うように大切にできていないと感じるときに、異なる属性への羨望が生まれるのかもしれません。

次回は、専業主婦の声をご紹介します。

北川和子
北川和子

自治体HP、プレスリリース、コラム、広告制作などWEBを中心に幅広いジャンルで執筆中。『kufura』では夫婦・親子のアンケート記事やビジネスマナーの取材記事を担当している。3児の母で、子ども乗せ自転車の累計走行距離は約2万キロ。地域の末端から家族と社会について日々考察を重ねている。

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