子どもが社会人になると約6割が実家を出ている
nullまずアンケート調査にて「現在、お子さんと同居していますか?」と尋ねたところ、以下のような結果になりました。
はい・・・37.4%(102人)
いいえ・・・62.6%(171人)
「同居していない」と回答した人は全体の約6割。社会人になると半数以上の子どもが実家を出ているケースが多いことが分かりました。
いくつになってもやっぱり子ども?子ども部屋は「そのままの状態」が最多
nullでは子どもが出ていったあとの子ども部屋は一体どうなっているのでしょうか? その用途について、一番多かったケースごとにアンケート結果をみてみましょう。
1位:子どもが使っていたそのままの状態・・・32.2%(55人)
一番多かったのが「子どもが使っていたそのままの状態」。しかしその中でも、本当に何も手を加えていない状態と、基本的にはそのままの状態をキープしつつ、別の用途にも活用するケースがあることが分かりました。
何も手を加えていない人の回答は主に以下の通りとなります。
「帰省した時に同じ部屋のままがいいと思うので」(40歳男性/その他)
「たまに帰ってきた時にくつろいでもらう為」(50歳男性/その他)
「断捨離などは本人に任せたい」(73歳男性/その他)
「いつでも帰ってもらいたいから」(69歳男性/その他)
そのままの人に多いのは、子どものことを最優先に考えていること。いくら実家を出て独り立ちしても、親にとってはいつまでも子ども。そんな愛情を感じる回答が多くみられました。
とはいえ、放置すればホコリも溜まるしある程度のメンテナンスは必要となります。掃除をする際にはある程度スッキリしていたほうがいいですし、ずっと使わないものを置きっぱなしにされると、片づけたくなるもの。やはりそんな本音が垣間見える意見も少なくありませんでした。
「帰省時のためにそのままにしているが、取り敢えず余分な物がある時は一時物置きとして使っている」(67歳男性/その他)
「本当は片づけたい。でも荷物が多すぎて片づけられない」(69歳男性/その他)
「その内に片付けようと思いつつ、面倒くさくてそのままになっている」(76歳男性/その他)
親が片づけたいと思っているなら、帰省時にでも子ども自身で片づけるのがベストのような気がします。いくら実家を出たからといっても、自分の部屋くらいは自分で片づけたいものです。
2位:物置部屋として活用・・・27.5%(44人)
続いて多かったのはこちらです。普段使う人がいなければ“空き部屋”とほぼ同じ。そうなるとついついかさばるものを収納したり、何かの一時置き場として活用したくなる気持ちはよくわかります。しかし収納スペースが増える一方、デメリットもあるようです。
「災害用の備蓄品を置くスペースになっています」(67歳男性/その他)
「物置部屋にしたことでリビングが広くなり、快適になった」(56歳男性/その他)
「物置として使っていて収納ができるが、たまに子どもが帰ってきたときは部屋を使うので、いちいち片づけないといけない」(60歳男性/デザイン関係)
「不要なものを処分することなしにとりあえず放り込める。よって不要なものが溜まる一方……」(71歳女性/主婦)
「収納部屋にしたので片付けにはいいが、物が増えすぎてしまった」(69歳女性/主婦)
物置部屋にするデメリットは、いざ子どもが帰省するときに片づけないといけないことと、つい不用品を溜め込んでしまい、断捨離のモチベーションが下がること。収納スペースは多いことは必ずしもいいことばかりではないようです。
3位:書斎や仕事部屋として活用・・・11.1%(19人)
かつて憧れの存在であった“自宅の書斎”。しかしコロナ禍以降はテレワークが定着し、普通のサラリーマンでも家で仕事をすることは珍しいことではありません。パソコンやスマホさえあれば家でできる仕事は多いので、子ども部屋でも十分に書斎や仕事部屋として活用できるようです。
「自分の部屋がなかったので、子ども部屋を書斎として活用している。おかげで集中して取り組めるようになった」(74歳男性/その他)
「子ども部屋をリフォームして、今は私の仕事に不可欠な部屋になっている」(67歳男性/その他)
「夫が在宅勤務の時、子ども部屋の学習机で仕事をしています。椅子だけ買い替えましたが、落ち着いて仕事が出来ているみたいです」(53歳女性/主婦)
「主人が子ども部屋で仕事をするようになったので、リビングでゆったりとくつろげます」(52歳女性/主婦)
在宅勤務の際、仕事部屋がなく家のリビングで仕事をしている人は多いと思います。そうなると同居しているパートナーは居場所がなくなる……そんなケースはけっこう多いのでしょうか。そういった時に子ども部屋で仕事をしてくれれば、夫婦ともに気を遣わずに済みそうです。
3位(同率):夫婦別の寝室として活用・・・11.1%(19人)
同率3位となったのが「夫婦別の寝室として活用」。夫婦別寝室に関しては賛否両論ありそうですが、実際に別々で寝ている夫婦の回答をみると「ぐっすり眠れるようになった」という意見は少なくないようです。
「それまでは一緒に寝ていたが、夫婦別の寝室として活用するようになってからはぐっすり寝られるようになった」(76歳男性/その他)
「ひとりの時間がもてるようになって、精神的に安定した」(59歳男性/研究・開発)
「子ども部屋が二部屋あり、一部屋を夫婦別の寝室に使い、もう一部屋はゲストルームに使っている。有意義に日々を過ごしています」(75歳男性/その他)
年齢を重ねると夜中に何でも目が覚めてしまう「中途覚醒」があったり、トイレが近くなったりすることも多く、人によってはいびきや歯ぎしりもあります。そうなると一緒に眠っていても目が覚めてしまうので、夫婦別寝室は快適なのかもしれません。
5位:ゲストルームとして活用・・・9.4%(16人)
子どもが独身のうちは帰省してもそのまま子ども部屋を寝室として使えますが、結婚して所帯をもつと、そのままというわけにはいきません。部屋を片付けて夫婦や子どもが眠れるゲストルームとして活用するケースも多いようです。
「少し手狭だけどゲストには気兼ねなく泊まっていただける。もちろん娘親子も泊まります」(76歳男性/その他)
「子ども部屋はゲストルームにしました。リビングから離れているのでお客さんに静かに休んでもらえて良いと思います」(71歳女性/主婦)
「子ども部屋で一番広いところを洋室から和室に変更して、ゲストルームにして使っています。子ども夫婦が帰ってきたときなど便利に使っています」(71歳男性/公務員)
布団文化のある日本では、必要な時に人数分の布団を敷くことですぐに寝室となるのがいいところ。ベッドがあるとなかなかそれができないのが難点です。
そのほかこんな活用法もありました!
「ただいま4匹のねこちゃんお部屋です」(77歳男性/その他)
「雨天の洗濯干し場になった」(77歳男性/その他)
「クローゼットに変更して活用している」(74歳男性/その他)
「私の癒しの空間にしています」(64歳女性/主婦)
子どもが社会人となる年齢になった親は、ある程度高齢の人がほとんど。もちろん今の時代は若い人に負けず劣らず元気な高齢者も大勢いますが、いつどんなきっかけで病気をしたり、体が動かなくなるリスクを抱えているのも事実です。
家を出て行ったとはいえ、子どもたちはできれば親に負担をかけないよう、子ども部屋は親が暮らしやすいように片づけたり、リフォームの手伝いなどをしてあげたいところです。「子ども部屋のその後」を家族で相談してみてはいかがでしょうか?
東京都出身、千葉県在住。短大の春休みより某編集部のライター見習いになり、気が付いたら2022年にフリーライター歴25年を迎えていた。現在は雑誌『DIME』(小学館)、『LDK』(晋遊舎)などで取材・執筆を行うほか、『kufura』などWEB媒体にも携わる。
執筆ジャンルは、アウトドアや子育てなどさまざま。フードコーディネーターの資格も持つ。