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孫のいる女性が「令和の孫育てってこうなんだ!」と感じたこと。叱り方、干渉の加減… アップデートする育児

共働きの家庭が増加している今、育児のサポーターとして大きな期待を寄せられているのが祖父母の存在です。祖父母に“現代の育児”について知ってもらうために“祖父母手帳”を発行する自治体も増えています。一方、祖父母世代が現在の育児のどんなポイントに戸惑っているのかを育児中の世代が知ることで、相互理解につながることがあるかもしれません。

今回は孫を持つ女性29人にアンケートを実施。現代の孫育てについて、昔とは違うと感じていることを聞いてみました。

子どもを「怒る・叱り飛ばす」機会が減った

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子どもを“怒る”“叱る”ことに対する風当たりの強さを実感しているケースです。

「昔は近所の子どもが悪いことをしたときは叱ることがあったが、今は叱ると、こっちが怒られる」(49歳・その他/孫4歳)

「子どもを叱り飛ばさないこと」(68歳・その他/孫13歳)

しつけのためには、力や脅しに頼らず、物事の善悪を根気よく教えていくことが大切だと言われています。伝え方によっては、“攻撃的”と受け取られるリスクがあり、孫やよその家庭の子が悪いことをしているときの対応に迷うこともあるようです。

物質的に「豊か」になった

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自らの育児期を振り返って、物質面の変化を感じている人も。

「おむつが使い捨てになっているのが当たり前」(66歳・主婦/孫15歳・13歳・6歳)

「食べ物も教育も物凄く恵まれている。私の時代は昭和だからテレビも電話もエアコンも一家に1台しかない時代だった。分からないこともネットですぐに調べることができる」(66歳・総務・人事・事務/孫8歳・5歳)

使い捨てのおむつ、電化製品、ベビー食品など、育児の負担を軽減したり、生活を便利で快適にするものが手に入りやすくなっています。

子どもに「寄り添った」選択肢がある

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子どもの個性を尊重し、子どもの声に耳を傾けるようになっているという声です。

「習いごとが多種多様でおもしろい。多数で競争するのではなく、個人の個性を伸ばすマンツーマン型が主流になってきているよう」(52歳・その他/孫5歳)

「何歳だからこれができないと……と考えるのではなく、子どもに合わせて子育てをしている」(64歳・主婦/孫7歳)

「小さくても人権を尊重して育てるのは、昔と違って良いです」(73歳・主婦/孫10歳)

回答者の育児期と比べ、子どもの個性や主体性を尊重するようになったことをポジティブに受け止める声が目立っていました。

「祖父母は干渉しない」という姿勢が求められている

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“祖父母の役割”や“祖父母の立場”に関しては、以下のような声がありました。

「孫は子どもと違うのでいっさい何も言いません、思うようにのびのび」(78歳・主婦/孫18歳・16歳)

「息子の家庭では、教育から食生活までたくさんのこだわりがあり、孫を預かるのは疲れる。禁止されている甘い菓子やテレビ番組を見たがって困る。昔よりも嫁に干渉しないように気を使っている姑は多いと思う」(68歳・介護職/孫6歳・3歳)

「口出しをしないでかわいがればいいと思います」(62歳・主婦/孫1歳)

「昔の子育てと違うので口を出さない」(66歳・主婦/孫11歳・9歳)

「あまりうるさく口出しせず、求められた時だけ意見を言う。明らかに注意しないといけないときには昔と変わらず注意している」(72歳・主婦/孫17歳・15歳・14歳)

時代が激変していることを踏まえ、求められない限り助言や忠告をせずに、“ただかわいがる”“見守る”というスタンスを持っている、という声でした。息子や娘の育児方法についてあれこれ指摘せずに、見守りに徹する姿勢は、豊かな人生経験のなせるわざかもしれません。

「インターネット」の利用について

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インターネットの利用に関する回答です。

「遊びも学校教育もインターネットを取り入れているのでついていけない」(74歳・主婦/孫12歳)

「孫は小さいときからスマホの操作に熟練していてやり方を教えて貰っている。しかし、本はあまり読まないので有名な文学作品を知らない」(71歳・主婦/孫12歳・9歳)

回答者が育児をしていた時代にはなかった電子機器が日常に根づいています。手元の電子端末であらゆることが完結するようになった点に“ついていけない”と感じるという声もありました。

現代の孫育てについて、こんな意見も…

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今回のアンケートでは、こんな意見もありました。

「共働きが増え、ゼロ歳で保育園の抽選申込みをしないといけない。1歳申し込みでは、保育園の入園が難しい。昔とは違うと感じた」(58歳・主婦/孫6歳・2歳・1歳・1歳)

「昔は外で日にあたり遊ぶのがいいとされていたが、今は日焼けは良くないと言われた」(64歳・主婦/孫7歳)

「少子化で大事に育てられているので、つい過保護になる。友だち同士で群れて遊ぶことがないので、外遊びを知らないし、読ませる本も昔とはずいぶん違う」(69歳・主婦/孫15歳・12歳・8歳・4歳)

共働きの増加、遊び方の変化、少子化などの回答がありました。

 

以上、孫のいる女性に聞いた、育児や孫育てで昔と変わったと感じていることについてお届けしました。

子育て世代が祖父母のサポートを期待している場合、どんな変化に戸惑っていて、どんな変化を好ましく思っているのか、両者で雑談をしてみると、わかり合えるポイントがあるかもしれません。

北川和子
北川和子

自治体HP、プレスリリース、コラム、広告制作などWEBを中心に幅広いジャンルで執筆中。『kufura』では夫婦・親子のアンケート記事やビジネスマナーの取材記事を担当している。3児の母で、子ども乗せ自転車の累計走行距離は約2万キロ。地域の末端から家族と社会について日々考察を重ねている。

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