子どもたちの空想がぎゅっとつまった絵童話『おおきなおおきな おいも』
『おおきなおおきな おいも』(福音館書店) 原案/市村 久子 作・絵/赤羽 末吉
いよいよ明日はいもほり遠足。あおぞらようちえんの子ども達は、それはそれは楽しみにしています。ところが…当日は雨。いもほり遠足は一週間延期です。先生は仕方ありませんねって言うけれど。
「つまんない つまんない」
でも大丈夫。おいもは7つ寝ると、いっぱい大きくなって土の中で待っててくれるんですって! そのおいも、どのくらい大きくなっていると思う? 子ども達は想像しているうちに紙に描いてみたくなりましたよ。大きな大きな紙を用意して、それでも足りないからのりで貼り合わせてもっと大きくして。絵具を筆で「ごし ごし しゅっ しゅっ」「ぴちゃ ぴちゃ しゃっしゃっ」…もっと紙を足して。もっともっと。
ああーーーすごい!!
絵の具で描いたおいもの大きいこと、大きいこと。
先生もびっくり仰天。
「こーんな大きなおいも、どうやって掘り出すの?」
さあさあ、そこから子どもたちの素敵な想像の世界が膨らんでいきます。
綱引きみたいにして引っこ抜いて、ヘリコプターでようちえんまで運び、みんなで洗ったら、プールに浮かべ…!?
発売から40年以上経ってなお読まれ続けているこのお話。実際の園での遊びからヒントを得て作られたのだそう。自分たちの想像を超えたとんでもなく大きなおいも。そのインパクトは一度読んだら忘れることはありません。「いもざうるす」や「おいもパーティ」、印象に残っているシーンは沢山あるけれど、その全てがシンプルな線画。そこに効果的に使われているのが、サツマイモを思わせる紫一色のみというのも驚かされます。それでも子どもたちの生き生きと動き回る様子や、先生の役割、主役であるおいもの桁外れな存在感が伝わってくるからです。
いもほり遠足の前に。雨で退屈になっている子どもたちに。お絵描きやごっこ遊びが大好きな子どもたちに。子ども達の心を存分に刺激してくれる絵童話です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
※『絵本ナビ』より引用
【読者の声(『絵本ナビ』より)】
おいもほりは、永遠の子どもの夢!
子どもの頃、おいもほりで自分の顔よりおおきな、おおきなおいもを掘って、嬉しかったことが今も僕の心に焼き付いています。
子どもの想像力や発想は、大人のはるか彼方にあり、この絵本の中の幼稚園のこどもたちは、とんでもなくおもしろい発想を繰り広げてくれ、読んでいる人みんなを幸せにしてくれます。
しかし、この絵本の魅力は、そんなおもしろい発想がつまっていること以外にもあると思います。それは、リズミカルで、ワクワクしてつい言ってみたくなるセリフと、色彩は芋の紫色以外は全て白黒で、主役である「おいも」を際立たせているところにもあると思います。
年中クラス担任の時に何十回と子どもに読みましたが、何度読んでも子どもは必ず一緒に笑ってくれます♪
(フラスープとパイナッぷり♪さん 20代・せんせい )
【こちらも合わせておすすめ!】
秋の味覚をぞんぶんに楽しむ絵本『いもほり』
『いもほり』(ほるぷ出版)作/はまのゆか
気持ちよく晴れた秋の日、おじいちゃんの畑にいもほりにやって来たふたり。土の下にはどんなさつまいもがかくれているかな……?
【読者の声(『絵本ナビ』より)】
芋掘り&焼き芋がしたくなります
秋にぴったりの「おいもほり」をテーマにした絵本です。 いもほりの絵本は数あれど、この絵本もなかなか素敵な良い作品です。 まず、全体的にどのページも絵が素晴らしい! いもほりのワクワク・ウキウキした気持ちが画面全体からはちきれそう。 登場人物は子ども2人とおじいちゃんだけですが、ほのぼのと暖かいやり取りが優しい気持にさせてくれます。 小学校2年生の読み聞かせで使用しましたが、どの子も食い入るように…というか食いつくように聞き言入ってくれていました。 ちょうど2日後に芋堀の行事がはいっているという、タイムリーな設定だったのもあって 「あー!早くおいもほりした~い!!」と、読後の子どもたちからの感想に、私もニヤリ。 子どもたちの大好きな芋堀のお話ですし、難しい内容ではないので、小さな子、幼稚園・小学生と、長い期間で読んであげられると思います。 きっと芋掘りと焼き芋がしたくなる、そんな素敵な作品です。 (ちょし★さん 30代・ママ 男の子10歳、男の子9歳、男の子8歳)
食べる方が好き!っていう子は美味しそうなおいもの絵本も沢山ありますよ。合わせて探してみてくださいね。
【参考】