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開催中!紙を遊び尽くす本「ぺぱぷんたす」ができるまでを体感できる展覧会、2月14日まで

こんにちは。『ぺぱぷんたす』という耳慣れない名前の本をつくっている、編集長の笠井です。『ぺぱぷんたす』は、紙をとことん体験する本です。

この連載では、この本を作るために集ってくれているたくさんの「プロ」たちの仕事、そして私たちがこの本に込めている思いなどを、ご紹介していきます。「紙ってすごい!」を一緒に感じてもらえたらうれしいです。

「ぺぱぷんたす」初の展覧会を開催中

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今日は、2月1日から東京の青山ブックセンターで始まったぺぱぷんたす初の展覧会についてお話ししたいと思います。

「ぺぱぷんたす001」を創刊した頃から、いつか、どこかで展覧会ができたらいいなとずっと考えていました。

「紙でできること、紙だからこそできることはなんだろう?」「子どもの感性をふるわせ、好奇心をかきたてることはなんだろう?」「自分で想像したり、創造する楽しみを味わえることはなんだろう?」

そんなことをアートディレクターの祖父江慎さんや、参加してくださるアーティストとともに考えながら、企画の内容はもちろん、テーマに合った紙、印刷、加工にまでこだわってつくっている「ぺぱぷんたす」。

はじめて手にとった方は皆、1冊にこんなにたくさんのアーティストが! こんなにたくさんの紙が! そしてこんなにたくさんのしかけが! と驚かれます。

でも、この「ぺぱぷんたす」。残念なことに、店頭で本を開いて中身を見ていただくことができません。表紙が加工されていたり、付録もたくさんついているため、製本が終わった段階でピシッとビニールで包まれた姿になってしまうのです(「シュリンク」といいます)。

裏表紙はインデックスになっていて、中身のご紹介はしているのですが、手にとって直接見ていただいてこそ、ぺぱぷんたすの楽しさ、すごさが伝わると思っているので、それができないもどかしさをずっと抱えています。

展覧会は、そんなぺぱぷんたすの「中身」をお伝えできる絶好の機会で、「青山ブックセンター」で「ぺぱぷんたす展」を開催できることが決まった時は、嬉しくて小躍りしてしまいました。

印刷では再現しきれない!貴重な原画がずらり

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まず、ご覧いただきたいのは、006号に参加してくださった6組のアーティストの貴重な原画。

・tupera tuperaさんの「シワシワンダフル」
鮮やかな色彩、インパクト抜群。切り絵でつくられたtupera tuperaさんの絵。

・玉川桜さん(え)/原田郁子さん(うた)の「オ・ノ・マ・ト・ぺ」
原田郁子さんの歌を玉川桜さんが絵で表現。タイトルの脇にあるQRコードから、原田郁子さんの歌を聴くことができるので、ぜひ、聴きながら原画を楽しんでいただきたいです。

・ザ・キャビンカンパニーさんの「みえないともだち」
読者と一緒につくる絵本「みえないともだち」。ベニヤ板の上に直接描かれたザ・キャビンカンパニーさんの絵。読者を誘い込む、勢いのある筆致と独特の雰囲気。

・西淑さんの「ほしの あかり」
絵を見て読者が自由にお話を考えるページ。星々の煌めき、立体感が美しい、切り絵で作られた作品です。

・えつこミュウゼさんの「ぼくたち もりに いくよ」
鮮やかでハッとする色彩、不思議で個性的な生き物たち。会場でもひときわ目立っています。

・加藤久仁生さんの「ごあいさつ」
短編映画のような少年と犬のものがたり。繊細なタッチ、優しい空気感。加藤久仁生さんの絵は、肉眼で見ていただきたい!(写真では伝えきれません!)

ずらっと並んだ原画は、どれも個性にあふれていて、会場は賑やか! 印刷ではわからない、もしくはなかなか再現できない切り絵の立体感や、蛍光ピンクなどの鮮やかな色、金銀の輝き、勢いのある筆の線や、羽毛のように繊細なタッチ、そして質感などなど。じっくりご覧いただきたいです。

実際にさわって体感できるコーナーも

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手前にあるのが006号。中を開いて、触って遊んでいただけます!

そして、原画のそばには「ぺぱぷんたす006号」も置いてあります(001〜005号もあります)。

原画を見終わった後に、その原画が祖父江慎さん率いるデザイン事務所 cozfishと、デザイナー脇田あすかさんによって、どのようにデザインされ、どんな紙が採用され、どんなふうに印刷され、1冊の本に綴じられたとき、どう目に映るのか……。

原画と本を見比べて、違いやそれぞれのよさを味わっていただけるのも本展の楽しみ方のひとつです!

そのほか、006号の中身がわかるパネルや、制作の裏側がわかる校正紙(祖父江慎さんの赤字入り)なども展示しています。ぺぱぷんたすを体感できる遊びのコーナーもあります。

さらに! どこにも出したことがない、002〜006号の「束見本」も展示しています。

「束見本(つかみほん)」というのは、本番と同じ紙、同じ製本方法でつくる本のサンプル。全体のイメージや本の厚さなどを把握するためにつくるもので、たいていは、真っ白のノートのようなものができあがるのですが、「ぺぱぷんたす」の束見本はそんじょそこらの束見本とは訳が違います。紙の種類も大きさも様々。たくさんの紙が綴じられて1冊の本になっていることが、よくわかると思います。

マニアにはきっとたまらないであろう「束見本」もこの機会にぜひご覧ください。

盛りだくさんの展示内容になっておりますので、お子さんはもちろん、大人の方にもきっと楽しんでいただけると思います。

「ぺぱぷんたす」の世界を体感しに来てください。

【開催概要】
ぺぱぷんたす展

開催期間:
2023年2月1日 (水) 〜 2023年2月14日 (火)

時間:
平日/11:30~21:30
土日祝/10:00~21:00
*最終日は17:00まで
*状況により、営業時間の変更がある場合もございます。お手数ですが、お出かけ前にご確認下さい。

会場:青山ブックセンター本店・ギャラリースペース
(東京都渋谷区神宮前5-53-67 コスモス青山ガーデンフロア B2F)

料金:無料

イベントの詳細はこちらから

「ぺぱぷんたす006号」2,300円(税込)

「紙でできること、紙だからこそだきること」をテーマに、年に1度のペースで発行しているMOOK『ぺぱぷんたす』。アートディレクター祖父江慎さんの元に、絵本作家をはじめ、たくさんのアーティストが集結!

「手を動かして何かを作る喜び」「想像し、工夫し、想像することの楽しみ」「紙の本の面白さ」を味わえるよう、毎号、内容はもちろんのこと、紙、印刷・加工と趣向を凝らして丁寧に作っています。

発売中の006号は、切ったり、折ったり、くしゃくしゃしたり、紙の楽しさを存分味わえる企画が盛り沢山。身の回りのもので遊びをぐんぐん広げられるページもあります。

笠井直子 
笠井直子 

息子ふたり、猫二匹、ウーパールーパーとのドタバタ暮らし。余裕のある生活に憧れるもゆっくりできない性分。20年ほど女性誌を編集した後、幼児誌の編集に携さわり、2017年『ぺぱぷんたす』を立ち上げ。帰宅後10分でつくる料理のマンネリ化が、今最大の悩み。

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