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クラムボン原田郁子さんとのワークショップは特別な時間で…【ぺぱぷんたすの作り方】

こんにちは。『ぺぱぷんたす』という耳慣れない名前の本をつくっている、編集長の笠井です。『ぺぱぷんたす』は、紙をとことん体験する本です。

この連載では、この本を作るために集ってくれているたくさんの「プロ」たちの仕事、そして私たちがこの本に込めている思いなどを、ご紹介していきます。「紙ってすごい!」を一緒に感じてもらえたらうれしいです。

イベントには38名のアーティストが参加!

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みなさん、こんにちは。1カ月に渡る夏のイベント、立川のSUPER PAPER MARKETで開催した『ぺぱぷんたす』×福永紙工 Presents「紙となかよくなる夏休み かみの すきなこ、あつまれ~!」が、無事、幕を閉じました。

オグロエリさんの「パタパタパッタンであそぼう!」1枚の紙に切り込みを入れて立ち上げるだけで、違う世界が現れたり、見えたり。
平面が立体的に、二次元が三次元になる面白さを、カード作りを通して体験。終わる頃にはみんなカッター使いのプロに!みんなのカードから、物語が生まれているようでした。

ぺぱぷんたす001号〜006号まで、参加してくださった38名のアーティストが集結した、なんとも豪華!なPOP UP STORE。なんだか同窓会みたいで、ずらりと並んだ作家さんの絵本やグッズを眺めながら、創刊から006号に至るまでをしみじみと思い返し、またこれからに思いを馳せる、そんな貴重な時間でした。足を運んでくださったみなさまに、ぺぱぷんたすの世界観が少しでも伝わっていたらいいなと思っています。

マグネットさんの「じぶんだけのたっちコースターをつくろう!」。目をつぶって紙を触ってみると、どんな感じがする? さまざまな種類の紙の中から、好きな紙を選んで、切ったり、折ったり、ぐしゃぐしゃにしたり。変化する紙の触感の面白さや多様さを指で感じながら、それぞれが個性豊かな「たっちコースター」を作っていました。

中でも嬉しかったのは、コロナでずっと開催できなかった、念願のワークショップを開催できたこと。

ぺぱぷんたすのアーティストを講師として迎えて 6つのワークショップを行い、参加された皆さんが目を輝かせて、創意工夫して作品を作っていく様子を間近で見られる幸せ、そして直接お話ができる喜びを噛み締めました。

三澤遥+三澤デザイン研究室「ペパセイジンをつくろう! とばそう!」ボディとハネ、二つのパーツを組み合わせて、空に放ると、くるくる回りながら美しく舞い降りてくる紙の飛行体「ペパセイジン」。ワークショップのために作ったオリジナルのパーツに、好きな色や模様をつけました。
選ぶパーツや組み合わせ、描いた模様によって、飛び方や見え方が違うから確認しながら創作。最後は一人ずつ台の上から飛ばす発表会をしました。
中村至男さんの「せかいでひとつのずっとめくれるカードをつくろう」001号で大人気だった付録「ずっとめくるまん」。ずっとめくり続けられる不思議なカードに絵を描いて、オリジナルのずっとめくれるカードを作りました。カードは4面あり、漫画のようにストーリーを考える子、視覚の変化を楽しむ構成にする子、みんな「ずっと続く」を生かしたアイデアが光っていました!

クラムボンの原田郁子さんと一緒に!

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そんなワークショップの最後を飾ってくれたのは、我らがソビーとクラムボンの原田郁子さん。

ソビーって誰?って思う方もいらっしゃいますよね。ソビーは「ぺぱぷんたす」からとびだした、かみ(紙)のかみさま。いっときは、TV『おはスタ』や月刊誌『幼稚園』に、相棒の「ワッキー」と出演していたのですが、最近はその姿を見ることはほぼなく……(こっそりお伝えすると、中の人は「ぺぱぷんたす」のアートディレクターの祖父江慎さん!)。

久しぶりにみんなの前にソビーが! しかもあの原田郁子さんと一緒に登場です。

もともと親交のあった祖父江慎さんと原田郁子さん。祖父江慎さんをはじめ、ぺぱぷんたすメンバーの「いつかお願いしたい!」という念願が叶ってできたのが、ぺぱぷんたす006号の「オ・ノ・マ・ト・ぺ」のページです(このページの制作秘話は、いずれお話したいと思います!)。

玉川桜さんの絵・原田郁子さんの言葉(オノマトペ)とが重なり、そして、本の中に、外に、歌が広がる……! それだけでとっても贅沢なこの企画が、さらにさらに広がり、ワークショップまで開催できるなんて、なんだか夢のようです。

さて、ワークショップ当日。原田郁子さんとソビーが登場しただけで、笑いが巻き起こる和やかな会場。「日本語には ”オノマトペ” といって、音で、出来事とか、心境とか、感触とか、天気、いろんなことを表現した言葉がたくさんあって、もともと ”オノマトペ” が、私はとても好きでした。そして、一緒にオノマトペのページ、それから歌を作りました! どんなページだろう? ソビー教えて!」

という原田郁子さんの呼びかけに応え、「はいっ、ここに載ってます」とぺぱぷんたすのページを開き「この絵を、えいっ!!」とハンドパワーで、スライドに投影させた(風)ソビー。

玉川桜さんの絵と、「生で歌うのは初めて」という、原田郁子さんの「オ・ノ・マ・ト・ペ」の歌に会場が包まれ、ワークショップがスタートしました。

郁子さんが歌うその傍で、ソビーが全身を使ってオノマトペを表現していきます。子どもも大人もゲラゲラ、クスクス。すっかり心をつかまれていました。 歌が終わると、「ああ〜、びっくりしちゃった! こんなことがおこるなんて。とても好きな原田郁子さんと(ワークショップが)できて、今……おおよろこび中です!」と、ソビーもまた、夢心地の様子。

そこから、原田郁子さんとソビーと、みんなの掛け合いが始まりました。

「みんな、オノマトペってなんだろうね?」という質問に、手を挙げて答える子どもたち。
「雨のザーザーとか、音を言葉で表すこと」 「おおー、そうだったんだー!」 「でもさ、雨の量によっても違うよね」 「ぽつん、しとっ、ピッちょん、ぴちゃんぴちゃん、ゴーゴー」 「バビューンとか!? 違うか…(笑)」 「雨ひとつでもいろいろあるね」

と言うやりとりや、指名されて「ふたつ同じことを言うこと」と答える子がいたり、哲学的な答えを言う子がいたり、中には「歌が……すごくいい」と歌の感想を言ってくれる子も(笑)。これを聞いて「嬉しい! これからも頑張っていけそう!」と原田郁子さん。

そして、次に配られたのは、縦長の大きな紙。好きなオノマトペをひとつ書いて、発表してもらいました。

みんなの書いたオノマトペは、一つとして同じものはなくて、それぞれの「自由な発想」があり、「好き」が伝わってきました。ハキハキと発表する子や、もじもじする子、中には無言になってしまう子も。その一人一人の反応を、ソビーと原田郁子さんが丁寧に受け取っていて、みんな楽しそう。

オノマトぺを、ソビーがジェスチャーでクイズにして、あてっこしたり、とっても盛り上がりました。途中息切れしていたソビー(笑)。いつも全力のソビー、おつかれさま!

最後は、オノマトペを原田郁子さんが歌にして歌い、みんなはいろいろな種類の紙で音を奏でて曲に参加。素敵なコラボレーションになりました。

自分のオノマトペが歌われた時、あっ!と顔をあげた子、笑顔があふれた子、お母さんに合図を送った子、みんなの嬉しそうな姿がとっても印象的でした。

ひとりひとりのキラキラした感性と、日本語の美しさや面白さが音に乗った、特別で素敵な時間。そして、みんながそれぞれのスタイルでのびのび参加している、実に「ぺぱぷんたす」らしいワークショップだったな、と思っています。

そして、普段何気なく使っている「オノマトペ」の魅力(おかしさ、不思議さ、かわいらしさ、奥深さなどなど)に改めて気付かされました。この連載を読んでくださっているみなさんも、お子さんとオノマトペ遊びをぜひやってみてください。意外なオノマトペが飛び出すかもしれません。

こんな風にして終わった「ぺぱぷんたす」の夏。ここからは、007号に向けて歩んでいきますが……ワークショップで子どもたちの笑顔を見たい気持ちが、既にむくむく。(怪しいものではありません!)

近いうち、またどこかで「ぺぱぷんたす」のワークショップを開催したいと企んでおりますので、その際にはぜひお会いできたら嬉しいです。

 

「原田郁子たすソビーのオ・ノ・マ・ト・ぺぱぷんたす」ワークショップ写真・深山徳幸


 

「ぺぱぷんたす006号」(2,300円 税込)。

最新号の006号も、切ったり、折ったり、くしゃくしゃしたり、紙の楽しさを存分味わえる企画が盛り沢山。身の回りのもので遊びをぐんぐん広げられるページもあります。

おうち時間にぜひ!

 

笠井直子 
笠井直子 

息子ふたり、猫二匹、ウーパールーパーとのドタバタ暮らし。余裕のある生活に憧れるもゆっくりできない性分。20年ほど女性誌を編集した後、幼児誌の編集に携さわり、2017年『ぺぱぷんたす』を立ち上げ。帰宅後10分でつくる料理のマンネリ化が、今最大の悩み。

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