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知らなかった!トイレットペーパーとティッシュの違いは原料の木にも…【ぺぱぷんたすの作り方】

こんにちは。『ぺぱぷんたす』という耳慣れない名前の本をつくっている、編集長の笠井です。『ぺぱぷんたす』は、紙をとことん体験する本です。

この連載では、この本を作るために集ってくれているたくさんの「プロ」たちの仕事、そして私たちがこの本に込めている思いなどを、ご紹介していきます。「紙ってすごい!」を一緒に感じてもらえたらうれしいです。

「溶ける」かみに、ワクワク!

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「ぺぱぷんたす」では、身近にある紙のおもしろさも伝えていきたいと思っています。例えば005号の付録に入っている「とける かみ」。身近なところで言うと、「トイレットペーパー」がまさに「とける かみ」ですよね。

もともと紙は、植物の繊維が水によって結合したものですから、水に入れると分離がはじまり、繊維がほどけていきます。その性質を利用した紙は「トイレットペーパー」だけでなく、「水溶紙」として作られて、利用されています。

例えば……夏の風物詩でもある「灯籠流し」の灯籠に使われて川に流されたり、ある神社では、この紙を人形(ひとがた)にして、体の悪いところをさすり、その後水に流して厄除け祈願をするそうです。

*湿潤紙力材の添加量によっても繊維のほぐれやすさは変わってきます。(「トイレットペーパーの水に対するほぐれやすさ」は、規格にも定められています)*紙は完全に溶けるのではなく、溶けた紙は底に沈殿します

「とける かみ」と言うと昭和40年代後半に発売され、大ヒットした「スパイ手帳」を思い出される方もいらっしゃるかと思います。(残念ながら、私は見たことがありません)

この「スパイ手帳」は変装シールや、暗号解読表、スパイ団員証など、スパイになるためのキットで、その中に「消えるスパイメモ」(水溶紙)が入っていたそうです。敵に見つかりそうになった時、さっと水に浸せばあっという間にメモが溶けて、秘密の文書を読まれなくできるメモ。そんなシチュエーションを思い浮かべるだけで、ドキドキ、ワクワクしますよね。

今でも、「とける かみ」の話をすると、たくさんの方がこの「スパイ手帳」の事を熱く語るので、当時の少年少女たちの心をわしづかみにしていたに違いありません。

この「溶ける紙」は、「水に溶ける」という性質と、もう一つ「油には溶けない」という性質を持っています。できるだけ、自由な発想で楽しんでもらいたいということから、印刷は最小限にしましたが、この二つの性質を生かした遊びがとっても面白いんです。

ボールペンや鉛筆で書いた絵や文字は紙と一緒に溶けてしまいますが、油性マジックで描いたらどうなるでしょうか?

そっと紙を水に入れると、油性マジックで描いた絵の周りをチョンチョンと刺激すると、周りの紙はふわ〜と溶けていくのに、絵だけは残ってぷかぷか浮かぶ。また、インクが油性なので、印刷した部分も浮かびます。

これにはモデルの子どもたちも大興奮。最後にはぐるぐるかき混ぜて、すべてがぐちゃぐちゃに溶けてなくなってしまいました(笑)。「ああ、なんて、はかない……」と思いましたが、この一瞬の遊びのワクワクした体験はきっと、「なんかおもしろい紙があったぞ!」「変な紙で実験したな」と、心のどこかに残るのではないかと思っています。昭和のスパイ手帳のように……?

ティッシュとトイレットペーパーは全然違う!

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ところで、私は息子が幼い頃、「なんでトイレットペーパーはトイレに流してよくて、ティッシュはダメなの?」と聞かれたことがあります。

その時なんて答えたか、あまり覚えていないのですが、『ぺぱぷんたす001』で、日本製紙の石巻の工場を取材させていただき、ティッシュとトイレットペーパーは似ているようで、全く違うことを知りました。

ティッシュは、鼻を噛んだり、汚れを拭いたりするため、「簡単に破れない」ことが重要。そのため、パルプには、繊維が長く結束力が高い針葉樹を使っています。

逆に下水に流すトイレットペーパーは「水に溶ける」ことを重視しているため、繊維の短い広葉樹のパルプを使い、繊維がよりほどけやすいように工夫されているのだそうです。

だから、ティッシュは絶対にトイレに流してはダメ!なのです。あの頃の私に教えてあげたいです。

「ぺぱぷんたす」を一緒に作ってくれる、サポートメンバーを募集しています!

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みなさまにお知らせです! ただ今『ぺぱぷんたす』では、サポートメンバー、その名も「ぺぱぷんた〜ず」を大募集しています。お子さんと一緒に本作りの仲間になりませんか?

『ぺぱぷんたす』は、2017年の創刊からこれまで、読者のSNSの投稿や、イベントで読者の方の遊んでいる姿や声を励みにしながら、本をつくってきました。これからもできるだけ読者の方との接点をつくりながら、楽しい本をつくっていきたいと思っています。そこで、ぺぱぷんたすを支え、応援してくれる「ぺぱぷんた~ず」を募集します。

「ぺぱぷんた〜ず」は、こんな方の参加をお待ちしています!

インスタグラムのアカウントをお持ちで、投稿をしている方。
そして、以下のいずれかに該当する方。

  • ぺぱぷんたすを応援したい!
  • ぺぱぷんたすの楽しさを発信したい!
  • 紙あそびが好き!
  • ぺぱぷんたすの制作に興味がある

「ぺぱぷんた〜ず」の皆さんにお願いしたいのは、こんなこと!

「ぺぱぷんた〜ず」の皆さんとは、これから色々なことをご一緒したいと思っています!
今のところ予定しているのは……

1: 祖父江慎さんとぺぱぷんたすBOOK『おはようぷにょ』であそぼう!ワークショップ(1月中旬開催・東京神保町予定)

2: 2023年春に発売予定のぺぱぷんたすBOOK 『おべんとう なにいれよう?』(マメイケダさく)のモニター募集(1月中旬頃)

3: ぺぱぷんたすBOOK『ヘアーサロンチョッキン』(tupera tuperaさく) ヘアースタイル作品募集

「ぺぱぷんた〜ず」のエントリーは、インスタグラム『ぺぱぷんたす』の公式アカウントからお願いします。公式アカウントをフォローいただき、必要事項を明記の上、ダイレクトメッセージにて、ご応募ください。

みなさまのエントリー、お待ちしています!


 

「ぺぱぷんたす006号」(2,300円・税込)。

最新号の006号も、切ったり、折ったり、くしゃくしゃしたり、紙の楽しさを存分味わえる企画が盛り沢山。身の回りのもので遊びをぐんぐん広げられるページもあります。

冬のおうち時間にぜひ!

 

※記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がkufuraに還元されることがあります。

笠井直子 
笠井直子 

息子ふたり、猫二匹、ウーパールーパーとのドタバタ暮らし。余裕のある生活に憧れるもゆっくりできない性分。20年ほど女性誌を編集した後、幼児誌の編集に携さわり、2017年『ぺぱぷんたす』を立ち上げ。帰宅後10分でつくる料理のマンネリ化が、今最大の悩み。

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