子どもにスマホを持たせた年齢ときっかけは?
null回答者のうち「子どもにスマホを持たせている」と答えたのは全体の63.7%にあたる214人でした。その人たちを対象に「子どもにスマホを持たせた年齢」を尋ねたところ、下記のような結果になりました。
小学生・・・48人
中学生・・・79人
高校生・・・64人
その他・・・23人
学年を明記した人のなかで最も多かったのは、「中学1年」(46人)、次いで「高校1年」(43人)という結果に。
さらに、「中学3年」(11人)という回答の中にも、高校入学前の春休みのタイミングという人が目立っていました。
「スマホを持たせる時期」は、中学校入学時と高校入学時に大きく集中していることが、今回のアンケートから読み取れました。
スマホを持たせた年齢とそのきっかけについて、アンケート結果をみていきましょう。
友達との交流のために持たせた
いちばん多かったのは、「周りの友達が持っているから」という回答でした。
友達同士の交流がSNSでおこなわれているケースも多いようで、子ども本人が欲しがったり、親もその状況を察したりしたことが、スマホを持たせるきっかけになっているようです。
「小6。友達がみんな持っているとねだられた」(49歳女性/主婦)
「中学1年生。周りのお友達たちがスマホを持ち始めてSNSでつながり始めているようで持たせました」(49歳男性/営業・販売)
「中学2年生。まわりの友人とコミュニケーションが取りづらくなったと言われ、理由がもっともだと思い持たせた」(54歳男性/その他)
「高校1年生から。周りの友達がみんな持っているので、仲間外れにされたら大変なので、買い与えました」(52歳男性/研究・開発・技術者)
「高校生になってから。みんな持っていたので、これ以上は我慢させると可哀想だと思ったため」(48歳女性/総務・人事)
「キッズ携帯」を買い替えるタイミングで
子どもの見守りや親との連絡など、機能が限られた「キッズ携帯」を使っていたが、「そろそろ買い替え」というタイミングで、スマホに切り替えたという回答もありました。
「小5。使っていたキッズケータイがサービス終了になったため」(44歳女性/その他)
「中学校1年から。キッズ携帯がちょうど古くなってきたので、中学に上がるので買い替えた」(48歳女性/総務・人事)
卒業をきっかけに持たせた
卒業後も友達とSNSでつながるため、卒業式に写真を撮るためなどを理由に、「卒業までに欲しい」とねだられるケースも多いようです。
「小学校6年生のとき。小学校の同級生とLINEグループを作ると言うので買いました」(50歳女性/財務・経理)
「高校に上がる前の春休み。本当は入学してからの予定だったけど、春休み中に同じ高校に上がる子たちのグループラインが作られたので、そのタイミングで買いました」(51歳女性/主婦)
「高校受験が終わったときに。中学を卒業後だと、卒業式でみんなと写真を撮れないからと言われ、少し早めの入学祝として買いました。学校はスマホ持ち込み禁止ですが、卒業式の日は大目に見てくれていたようです」(57歳女性/主婦)
「高校卒業間際です。田舎から離れて進学するため連絡ツールとして持たせました」(54歳男性/会社経営・役員)
必要性を感じて持たせた
子どもがひとりで過ごす時間や自宅以外で過ごす時間が増えた、学校などからの連絡を確認するため、などの理由で必要性を感じてスマホを持たせたという声もありました。
「小4の頭から。学童がなくなり、家で留守番をするようになったから」(43歳女性/その他)
「サッカークラブの活動が忙しくなった小6の春から使用。帰る時間の連絡や友人とのコミュニケーションが多くなったため」(51歳男性/総務・人事)
「中学1年生。友達がみんな持っているし、学校の連絡もスマホにメールで連絡が来るから」(59歳男性/営業・販売)
子どもにスマホを持たせたことで後悔していることは?
null子どもにスマホを持たせている214人に、「子どもにスマホを持たせたことで後悔していることはありますか?」と尋ねたところ、下記のような結果となりました。
ある・・・57人(26.6%)
ない・・・157人(73.4%)
後悔している人は3割弱。どのようなことで後悔しているのでしょう。
また、後悔しないためにはどうしたらいいのでしょうか。回答者の声をご紹介します。
子どもとの会話・コミュニケーションが減った
子どもがスマホを持ったことで、SNSなどに夢中になって、親と会話する機会が減ったことを嘆く声が寄せられました。
スマホを手放せなくなってしまい、家族間のコミュニケーションに支障が出ている様子がうかがわれます。
「自宅に居ても、あまり話はせず友達とLINEばかりしています」(48歳男性/その他/中学1年)
「家にいる間、スマホばかりいじって、頼みごとをしてもすぐに取りかかってくれなかったりします」(42歳女性/研究・開発・技術者/中学生になる頃)
「しゃべりかけてもスマホでゲームやインターネットを閲覧しているので会話が減った。怒ってもスマホを触りながら自室へ向かうので頭にくることが多くなった」(48歳女性/総務・人事/高校生になってから)
ゲーム・サイト閲覧ばかりで勉強にも影響
スマホでゲームをしたり、動画サイトを閲覧したりする時間が長すぎる、との後悔も。
その結果、勉強する時間が減り、学業にも悪影響を及ぼしていると痛感する親御さんたちも多いようです。
「ゲームやサイトばかり見ている時間が多すぎる」(48歳女性/公務員・団体職員/中学生から)
「家でずっと動画を見ていて、明らかに勉強時間に影響していると思いました。使い方の約束などはしていたのですが、なし崩しになってしまった感もあり、もっと細かく約束は守らせるべきだったかと反省しています」(57歳女性/主婦/高校受験が終わったとき)
「塾に行かずに駅のWi-Fiでゲームをしていた。渡す前に使い方をきちんと約束しておけばよかったです」(50歳女性/総務・人事/中学1年)
「一日中、スマホをいじっている。外へ買い物に行って歩きながら、本当に一日中。勉強しない」(49歳女性/主婦/小学6年)
交友関係のトラブルがあった
スマホを子どもに持たせるきっかけとして最も多かったのが「友達との交流のため」でしたが、その一方で、スマホ上で友達関連のトラブルが起こって後悔しているとの回答も寄せられました。
「ラインで空気が読めなく、いじめられた」(44歳男性/営業・販売/中学生になったとき)
「LINEグループで少しいじめみたいなことが起こりました」(50歳女性/財務・経理/小学6年)
事件・トラブルに巻き込まれた
子どもに対する写真の要求や詐欺被害など、深刻なトラブルに巻き込まれてしまったという回答もありました。
また、実際に被害にあってはいないものの、「SNSで友達が出来たようなのですが、色々な性犯罪ニュースを見るので心配」といった声も寄せられました。
「子どもがLINEとかで変な写真を要求されたりして、学校に呼び出された」(46歳女性/主婦/中3~高1)
「SNSで知り合った人と会い、詐欺にあってしまったことです」(57歳男性/研究・開発・技術者/高校に上がるタイミング)
そのほか、こんな後悔も!
通信料の家計への負担から、知らず知らずのうちにかさんだゲームの課金といった、お金に関する問題、視力低下への影響も悩みのタネとなっているようです。
また、「なんでもすぐに調べられる」という便利さゆえのデメリットを挙げる声もありました。
「通信費が負担です。家族割りなどを使いたいです」(54歳男性/その他/高校生になったとき)
「ゲームで課金をたくさんしていた」(46歳男性/研究・開発・技術者/小学6年)
「使いすぎて目が急に悪くなった。ただある程度は避けられないと思っているので、依存にならない限りは静観する」(50歳女性/主婦/中学受験が終わった小6の2月)
「漢字や英単語のスペルがあやふやなままになったこと。わからなくなったときにすぐ調べられるのがスマホの利点ではあるが、その場しのぎで頭に残らないと本人も言っている」(46歳女性/主婦/中学1年)
後悔しないためには、どうすればいい?
スマホを持たせたことで後悔している親御さんが揃って挙げたのは、「もっと約束ごとをきちんと決めておくべきだった」という回答です。
スマホを使う時間、使う上でのルールなど、親子間でしっかり決めなかったために、なし崩し的に子どもの使いたいように使ってしまっている……そんな事態を嘆く声が多く寄せられました。
「もっと約束ごとを決めるべきだった」(48歳男性/その他/中学1年)
「マナーを覚えず使う。食事しながら動画を見るなど、マナーが身についていない」(53歳男性/研究・開発・技術者/高校に入学したとき)
「もう少しルールを決めておいた方が良かったです。もう軽く依存しています」(48歳女性/主婦/中学3年)
「使用時間をキチンと話し合わなかったので、気がつくと常にスマホをいじっている」(42歳女性/主婦/小学6年)
「使えない時間を設定しているが、勝手に解除して使用していることがあります。スマホを与える際に、もう少し約束を細かく決めておけばよかったと思う」(39歳女性/パート・アルバイト/小学6年)
いかがでしたか?
筆者は小学4年の息子に連絡手段としてキッズ携帯を持たせていますが、本人は「周りの友達でスマホを持っている人も多い」と言います。
今回のアンケート結果から、子どもにスマホを持たせることで、陥りやすい状況や、起こりがちなトラブルなどが見えてきて、どの年齢で持たせるにせよ、上手に付き合う必要があると実感しました。
子どもにスマホを持たせる際には、「持たせて後悔……」とならないために、さまざまな状況を思い描いて、親子間であらかじめルールをしっかりと決めておきたいですね。
ライター、J.S.A.ワインエキスパート。札幌の編集プロダクションに勤務し、北海道の食・旅・人を取材。夫の転勤で上京後、フリーでライティングや書籍の編集補助に携わる。小学生のころから料理、生活、インテリアの本が好きで、少ない小遣いで「憧れに近づく」ために工夫し、大学では芸術学を専攻。等身大の衣食住をいかに美しく快適に楽しむか、ずっと大切にしてきたテーマを執筆に生かしたいです。小学生のひとり息子は鉄道と歴史の大ファン。