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静かにしなさい!より子どもに届く【井桁先生の魔法のフレーズ】♯6子どものマナー編

子育ての“困った!”を解決すべく、保育・子育てカウンセラーの井桁容子さんに話を聞く本連載。保育士歴42年の経験値から生み出される子どもへの声掛けフレーズの数々は、親の心にも響くものばかりです!

前回は、21世紀型の“考える子ども”に育てるには、“言われたことしかやらないしつけ”はNG!と教わりました。今回は、叱りワードを連発しがちなレストランや電車、スーパーなど、公共の場でのマナーについて聞きました。

 

Q.公共の場で騒いだり走ったり…。何度注意しても繰り返すのはなぜですか?

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A.叱られたから一旦やめているだけ。マナーを守る理由を教えましょう

【レストランで実践フレーズ】「静かにしなさい!」より…

「一生懸命お仕事している人の邪魔になるね」「お話している人の声が聞こえなくなるでしょ?」

【お店や人混みで実践フレーズ】「走っちゃダメ!」より…

「物が倒れて危ないでしょ」「ゆっくり歩いている人にぶつかっちゃうよ」

【スーパーで実践フレーズ】「触っちゃダメ!」より…

「ばい菌がくっついたら、次に買う人が食べられなくなっちゃうね」

「お父さん、お母さんは、“静かにしてくれないと、親が悪く見られるから困る”と思っていませんか? 公共の場でマナーを守る理由は、”親が困るから“ではないですよね? マナーを守る理由は、それをすると危ないとか、周囲への配慮です。

その理由を説明しないで、ただ“ダメ!”とか“静かにして!”と言っていると、子どもは理由がわからず否定されただけなので、マナーが身に付きません。

お母さんも、“何度も言ってるでしょ!”を繰り返すことになります。大事な情報を省かないで、丁寧に情報を送りましょう。理由を説明した上で、“それができない人は入れないので、外で待つか、お母さんと手をつないで歩くということなんだけど、どうする?”と子どもに選んでもらうといいですね」

 

叱りワードで育った子どもの末路は、こんなに怖い!

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井桁容子さん

「否定的な言葉というのは、言われてる間に、相手の気持ちを理解する時間を持たせません。言葉を理解し始めた子どもたちに、そういう不必要な言葉をいっぱい浴びせていると、“自分にとって言葉って無駄なものが多いなー”と思うようになります。

すると、どうなるかというと、人の話を聞き流すようになってしまうんですね。最近の保育の現場では、年長さんになっても人の話が聞けない子が増えていると耳にするので、とても心配しています」

「いい加減にしなさい!」「何やってるの!?」も言ってしまいがちな叱りワードですが、“ウチの子、私の声が右から左……”と思ったら要注意なんですね。

次回は、“仲良くしてほしいのに”という親の願いも虚しく、今日も繰り広げられるきょうだい喧嘩について。つい年上の子を怒ってしまいますが…。


【取材協力】

井桁容子(いげた ようこ)・・・保育・子育てカウンセラー。東京家政大学短期大学部保育科を卒業後、同大学が併設する乳幼児の保育・研究を実践する保育施設に42年間勤務。20184月より保育の現場からステージを移すことになり、全国での講演のほか、『すくすく子育て』(NHKEテレ)への出演、『いないいないばぁっ!』(NHK Eテレ)の監修も行う。著書は、『保育でつむぐ子どもと親のいい関係』(小学館)など多数。男女の母でもある。

撮影(井桁さん)/黒石あみ(小学館)

取材・文/駿河真理子

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