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寝ないと鬼がくる…はダメ!「叱り言葉」より子どもに届く【井桁先生の魔法のフレーズ】#3 寝かしつけ編

3歳前後の子どもの“困った!”を解決すべく、保育・子育てカウンセラーの井桁容子さんにいますぐ実践できるメソッドを聞く本連載。今回は、「ひとりで寝てくれればラクなのに……」と、多くのお父さんお母さんが悩む“寝かしつけ”編をお届けします。

Q. 絵本を読んでも興奮して寝てくれません。「鬼が来るよ!」と脅してしまいます

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A.眠くなるにはリラックスさせてあげること。絵本で目が冴えてしまう子もいますし、脅しは逆効果です!

【寝かしつけ:実践フレーズ】「お布団って、本当に気持ちがいいねー」「この毛布、ふわふわでいいねー」

井桁容子さん

「私の娘も興奮型だったので、お母さんがたの気持ちすごくわかります。

まず、ご両親が睡眠のメカニズムをよく理解することですね。眠くなるということは、交感神経が働いている状態から、副交感神経が働く状態に切り替わるということです。

そのためには、リラックスすることが必要。体と心を緩めてあげれば眠くなる、それは生理的な作戦なんです。そんな時に鬼の話をしたら、“こわーい!”と緊張してしまいますよね。なので、脅しは、ダメ(笑い)。寝室が心地よく感じられる声かけをしましょう」

寝かしつけは、その子に合った方法で

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「想像力が豊かなお子さんには、寝かしつけの絵本は逆効果だったりします。物語の世界にはいって、わくわくドキドキしてしまいますからね。それよりも、音楽とか、お母さんが作ったお話もいいですね。ゲラゲラ笑うようなものではなく、クスっと笑えるような。

あとは、全身がゆるむような声掛けもアリです。“お手てさん、いっぱい遊んだね~”から始まって、“おなかさん……”“足さん……”など。気が散ってしまうお子さんの場合は、“この指パパ、この指ママ”とか、指一本ずつに焦点をしぼって集中させてあげると、“そういえば眠かったんだ”と落ち着く場合もありますよ」

Q.やり残した家事や仕事があるので、一刻も早くリビングに戻りたいのですが…

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A.子どもと寝るときは、修行だと思って子どものことだけ考えましょう!そうすると、効率よく集中できる人になれますよ

「仕事ができる人って、潔く“今”に集中できるんです。子どもを寝かしつけながら仕事のことを考えている人は、仕事をしながら“今日、泣かせちゃってアレだったかしら”って子どものことを考えて手につかない。

でも、それより子育てもしながら、仕事もなかなかだっていう人になりたいじゃないですか。

ながら族にならないように、雑念がスーッと頭をよぎっても、“あ、ダメ!”と消すようにしていると、その癖がついて必ず効率よく集中できるようになります。子どもって、お母さんの体はココにあるけど、心は何かに飛んでいるのがわかるんです。そうすると、“もっと、もっと!”とどん欲に母を求めます。

だけど、“お母さんは誠心誠意、この時間を自分に費やしてくれている”と感じれば、“ママ、お茶碗洗って来なくていいの? ひとりで寝られるから大丈夫だよ”と言ってくれる日が来ます」

「実験だと思って、試しにやってみてください」と穏やかに笑う井桁さん。子どもとはいつまで一緒に寝ればいいのか聞いてみると、「それは子どもが決めること。だって、お母さんに言えないような秘密ができたら自分の時間がほしくなって、もう一緒に寝てくれませんよ。

面倒がらずに“こんな時間は、一日、一日、減っていくんだな~”と思って寝てしまって、仕事や家事は朝に回してもいいのでは?」と心にしみるアドバイスをいただきました。

次回は、自分でできるようになったお着替えについて。「ママ、やって!」と言われたら、どうしていますか?


【取材協力】

井桁容子(いげた ようこ)

保育・子育てカウンセラー。東京家政大学短期大学部保育科を卒業後、同大学が併設する乳幼児の保育・研究を実践する保育施設に42年間勤務。20184月より保育の現場からステージを移すことになり、全国での講演のほか、『すくすく子育て』(NHKEテレ)への出演、『いないいないばぁっ!』(NHK Eテレ)の監修も行う。著書は、『保育でつむぐ子どもと親のいい関係』(小学館)など多数。男女の母でもある。

撮影(井桁さん)/黒石あみ(小学館)

取材・文/駿河真理子

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