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どんなに忙しくても、優先順位は「タケノコの下ごしらえ」から!【お米農家のヨメごはん#52】

こんにちは。富山県の黒部市というところで、お米だけを作っている小さな小さな農家の濱田律子です。旦那とココ(娘・12歳)と3人で、地道に真面目にコツコツとお米を作りながら、仕事に子育てにドタバタもがきつつも楽しく暮らしている、そんな私たちの食卓周りの日常を、皆さんにお伝えする連載の52回目。
今回は、もうすぐ終わってしまうタケノコを、惜しむように食べる日々の食卓の様子と、いよいよ始まった田植えについてお伝えしたいと思います。

タケノコは本当に「鮮度」が大事

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油断(?)していると、 ちょっと留守にしている間に玄関先にドッサリとタケノコが届いている事が、 この季節はある。田舎あるある。

どんなに忙しくても、優先順位はタケノコが上位! すぐに米ぬかと唐辛子を入れて水から茹でる。タケノコは鮮度が本当に大事。置いておけば置いておくほどエグミが出やすい。

大量のタケノコには、我が家のお鍋ではとても太刀打ちできない。毎年タケノコを茹でるのは、この巨大なボール。直火にかけても大丈夫なのでこんな使い方ができる。

火にかけてさえしまえば、あとは放っておいてかまわない。1時間半くらいかけて、ゆっくりゆっくり茹でる。そしてまた、ゆっくりゆっくり茹で汁の中で冷ます。

そうして皮を剥けば、中から可愛いタケノコが出てくる。あんなに大きかったタケノコなのに、皮を剥くと驚くほど小さくなる。このまま水につけて冷蔵庫で10日くらいはもつ。

さて、どうお料理するか?!

タケノコ料理、我が家ではこんな風に!

あれも作りたいこれも作りたいけれど、まずはやっぱりタケノコご飯から。

お米1合に対してお酒と醤油各大さじ1くらいだろうか、あとは塩少々。 昆布(あってもなくても)とスライスしたタケノコ、 油揚げ(油切りしてもしなくても。するなら熱湯をサッと回しかける)をのせて炊くだけだ。

特にコツも何もない。お醤油は薄口がいいのかもしれないけれど、我が家は濃口しか常備していなくて、どんなお料理も濃口醤油だ。薄口醬油は使いきれなくてもったいないので。

あとはお米、だろうか。 サラッとした炊き上がりがよければ、うるち米(普通に食べるお米)だけで。 もっちりさせたければ、もち米と半々で。 その時の気分やお好みで、うるち米ともち米の量を調整すると面白いと思う。

庭に木の芽を取りに行ったら、花も咲いていたので添えてみた。ら、タケノコご飯がいきなりグレードアップした気がする!

木の芽だけでなく、最近は花がもてはやされている山椒は、古来からある日本のハーブ。 お料理にちょっと添えるだけで格段に美味しく見える気がする。

タケノコご飯以外は、水菜を切っただけのサラダ、冷凍食品の牡蠣フライ、昨晩の残り物のポテトサラダ、 それにお味噌汁。

とっても幸せなお昼ごはんになった。

たくさん炊いたので、 農作業のお手伝いに来ていただいていた方にもおすそ分け。

竹の皮でできた容器は、こういう時に重宝する。 お料理をグッと引き立ててくれるハーブや容器が大活躍。

定番タケノコご飯の次は、こんな洋のメニューでタケノコを楽しむ。

オリーブオイルで焼いたタケノコに塩胡椒して(我が家のお料理はこればかり!)、 それだけで食べても美味しいけれど、もう一工夫(?)。 生ハムをペロンとのせて。 いきなりワインに合うタケノコ料理になる。

スパークリングや白ワインもいいけど、この時期つい手が伸びるのはロゼワイン(常備してます)。

我が家の2階からは、新緑眩しい庭の木越しに夕陽が見える。夕陽を眺めながら、一日クタクタになるまで働いた後に飲むワインの美味しい事っていったら。 最高。

この為に私は仕事をしていると思う。

再び和に戻って若竹煮。

若い頃はこの組み合わせの良さが正直わからなかった。気温が上がってきて、里山でタケノコが顔を出すように、海ではワカメが旬を迎える。

山の幸と海の幸を炊き合わせるこの季節ならではのお料理なんだなと、今はよくわかる。 山と海の季節を感じられるお料理を作るためだけに私は、 海ヘワカメを拾いに行ったくらい。

そう、拾いに行ったのだ!

ここでは海でワカメが拾える。 その話はまた来年でも。この連載が続いていれば、の話だが。

まだまだあるタケノコ、パスタにも合わせたいしカレーも作りたいしスープも美味しい。 今年はシナチクも作ろうか。 応用範囲は無限大。

タケノコをもう少し楽しみたいと思う。

田植えがいよいよ始まった!

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さて田んぼ。

今年の田植えがいよいよ始まった!

この時期は天気が安定しない日が多い。 ゴールデンウィークも荒れたし、なんだかもう梅雨に入ったかのような天気予報になっているし。天気が落ち着いているタイミングを狙って田植え、天気が悪い時はトラクターで代かきと交互に作業して、かれこれ2ヵ月近く休みなしで続いている春作業のゴールを目指して、全力疾走中だ。

うちの娘も、前回に続いてお手伝いしてくれた。 田植えのお手伝いはこれが初めて。 田植えとはいっても、植える作業は一切ない。 ひたすら田植え機がスムーズに植えられる状態をサポートするのみ。 こうして、田植え機がターンした後の田んぼの表面を整えたり、

苗を運んだり。 どちらもかなりの力作業。

1日朝7時から夕方18時までしっかりと手伝ってもらった。 とても疲れたようで、もう二度とやりたくないそうだ(笑)。

小学校の時も学校で田植え体験はしているけれど、本気の田植えは、彼女にとってほろ苦い思い出になったようです。


濱田律子

愛知県生まれ、千葉(スイカの名産地・富里)育ち。大学卒業後カナダへ。バンクーバー、カムループス、バンフと移り住み、10年間現地の旅行会社で働く。カナダの永住権を取得したにも係らず、見ず知らずの富山県黒部市で農家に転身。米作りをしながら、旦那とココ(娘)と3人で日々の暮らしを楽しんでいます。

濱田ファームのHPはこちらから。

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