今回は、子どもの習いごとの退会を経験した子育て中の女性143人にアンケートを実施。「やめてよかった」と感じた習い事があるかどうか聞いて見ました。
回答はじつにさまざまなものがありました。
その内容を紐解いていくと、「やめてよかった」の理由は10種類に分けることができました。
(1)子どもが行くのを嫌がるようになったから
null「プール。行く日は朝から、元気がなくて、しょんぼりしてました。今は、ダンスの習い事に元気にニコニコ行ってます」(43歳・主婦/子4歳)
「アイドルダンス。本人が嫌だというモノは習わせても何のためにもならず、お金の無駄遣いでした」(50歳・営業・販売/子16歳)
外国のことわざに「馬を水辺に連れて行くことはできても、水を飲ませることはできない」というものがあります。嫌がることを無理やりやらせても、本人にその気がなければ身にならない……というニュアンスですが、どうやら習い事にも当てはまりそうです。
(2)子どもと指導者の折り合いが悪かったから
null「スイミング。指導者が子どもの人格否定をするような人だったので早めにやめて正解でした」(43歳・主婦/子14歳・18歳)
「バレエ。体験教室に通わせましたが、先生が怖すぎたのか絶対に通わないと言い張った長女。無理に習わせて嫌な記憶が残ってしまうより、本人の意思を尊重してよかったと思います」(34歳・主婦/子4歳・7歳)
「英語。子どもが先生を怖がって行きたがらなかったから」(46歳・総務・人事・事務/子8歳)
怒鳴ったり暴言を吐くなどの指導は論外ですが、そうでなくても指導者と子どもの相性が合わないケースもあります。子どもが好きなことをもっと好きにさせてくれるような指導者と巡り合えたら、それはとてもラッキーなことなのかもしれませんね。
(3)続けても上達しなかったから
null「バレエ。全く上達しなかったから」(53歳・その他/子11歳・12歳)
「書き方。最初は字もうまくなったように感じたが、慣れっこになり子どもも惰性で行くようになったから」(47歳・主婦/子9歳・11歳)
「習字。あまりうまくならなかった」(37歳・主婦/子6歳・15歳・15歳)
子ども自身が楽しんで行っていたらいいのですが、本人に全くやる気がなく、上達を実感することもなければ“やめどき”が近づいているサインかもしれません。
(4)自宅レッスンや宿題が負担になったから
null「ピアノ。練習を全くしなかったので月謝がもったいなかった」(38歳・営業・販売/子8歳・11歳)
「プリントを使う学習塾。宿題ばかり多く、成績が全然上がらなかったので、やめました」(45歳・主婦/子8歳・10歳・15歳)
次回までに練習や宿題が課される習い事では、子どもにとって課題が負担になってしまうケースも見受けられました。コツコツ継続することは、練習や学習の習慣化につながりますが、得意・不得意があるようです。
(5)子どもの性格と合っていなかったから
null「日本拳法。誘われて入ったが、子どもの性格に合わなかった」(39歳・その他/子6歳・9歳)
「空手。戦隊物や戦いが苦手な息子。弱そうな子が、実は強いって自分を守れて良いんじゃないかなと思ったけど、本人は型やパンチ、キックを楽しめなかった」(38歳・主婦/5歳・9歳)
「サッカー。あまり興味を持たなかったので早めに辞めて正解だった」(34歳・主婦/子6歳・8歳・10歳)
「学習塾。子どもに合わせたレベルで勉強できるが、つまづくとずっと同じプリントをやる。子どもが『解き方は分からないが、答えは覚えた』と言っていた。わかるまで教室から帰れないので、帰り時刻がとても遅くなった」(30歳・主婦/子4歳・7歳・10歳)
試しに始めてみけれど、あまり合わなかったというケースも少なくないようです。大人でも、実際に始めてみて気づくことってありますよね。そんなときには過去を振り返らず、先を見たほうがよさそうです。
(6)レベルが合わなくなってしまったから
null「エレクトーン教室。幼児からの継続でならっていたが、だんだん難しくなり、本人のやる気もなくなったのでやめてよかった」(58歳・主婦/子17歳)
「体操教室。レベルが高すぎた。続けていたら運動自体が嫌いになってしまいそうだった」(42歳・総務・人事・事務/子10歳)
「学習塾。難関校を目指す(そして受かりそうな)生徒が欲しい塾でした。うちには合わなかった。それに、そこに通っている子は意地悪な子が何人もいた」(52歳・主婦/子14歳)
指導内容のレベルがあがり、周囲についていけなくなったという声です。苦手意識とやる気の低下は密接につながっているのかもしれませんね。
(7)費用が負担になったから
null「学習塾。値段がどんどん高くなり、夏休みなどは何十万もして払いきれない金額を提示された」(56歳・主婦/子19歳)
「日本舞踊は着付けが大変だしお金もかかるので辞めた」(51歳・主婦/子19歳)
「バレエです。とにかくお金はかかるし、親同士の付き合いが大変です。プライドが高い親御さんもいました」(56歳・主婦/子24歳)
習いごとの内容によっては、高い月謝を払うケースもあります。家計をひっ迫するほどの価格なら退会を選択するほうが、健全な気持ちでいられるケースもあるでしょう。
(8)親の負担が大きかったから
null「野球。土日など朝早くから遠征や練習の付き合いがあって大変だったので」(38歳・主婦/子3歳・17歳)
「水泳。ある程度泳げるようになったし、送迎の負担もあったので」(37歳・主婦/子9歳)
親が運営に関わったり送迎を要する習い事は、家庭生活にも影響は大。家庭の状況や親の就労状況によっては継続が難しいケースもあります。
(9)人間関係を鑑みて
null「音楽教室。終わったあとのママたちとの付き合いが大変だったから」(33歳・その他/子6歳・8歳・12歳)
「サッカー。苦手な子がいたため楽しくなくなった様子。遊び程度にするくらいが良かった様です」(39歳・その他/子12歳)
親同士のつきあいが面倒だったり、子どもの人間関係を配慮して習い事をやめたケースもありました。子どもたちは日中、園や学校の固定した人間関係の中でがんばっています。習い事のときには人間関係に悩むことなく楽しんで欲しい……という考えもあるでしょう。
(10)進級などで環境の変化があったから
null「プール教室。小学校進学を機にやめたが、学校が終わった後に通うのは大変だったと思うのでやめて良かった」(37歳・主婦/子8歳)
「高校生になって、内容が合わなくなったのでやめました」(37歳・主婦/子15歳・16歳)
「英会話教室。通いで行っていたがコロナが流行りオンラインレッスンに切り替えたらその方が身に付いた」(40歳・主婦/子8歳・11歳)
進級やコロナ禍で学習環境の変化が生じて、別の習いごとに切り替えたケースもありました。
以上、今回は「やめてよかった」と感じた習い事とその理由についてお届けしました。
子どものやる気、指導者との相性、人間関係などの事情で退会を選択し、親も子もホッと一息をつくケースもあるようです。