親が担う場合には、本来はどの仕事も無償。でも、あえて時給を設定するとしたら、それはいくらだと感じていますか?
そんな質問を女性に投げかけた調査があります。
「想定時給」が最も高いのは、「未就学児の育児・世話」
nullソニー生命保険が実施した「女性の活躍に関する意識調査2020」では、全国の20歳~69歳の女性1,000人に「日々の家事・育児や地域社会での貢献などを時給に換算するといくらになると思うか」と質問。
10の選択肢の中で最も“想定時給”が高かったのは、以下の3つでした。
1位:(未就学児の)育児・世話・・・平均1,673円
2位:(小学生以上の子どもの)育児・世話・・・平均1,376円
3位:PTA活動・・・平均1,286円
終始、気の休まることがない未就学児のお世話が最も“体感時給”が高くなっています。
また、意外にもPTA活動は「食事の準備・後片付け」「掃除・洗濯」の時給を超えていました。
ちなみに、厚生労働省の『賃金構造基本統計調査』(令和元年)によれば、女性の短時間労働者(アルバイト、パート)の1時間当たりの賃金の平均は、1,127円。
フルタイムワーカー(男女)の場合は、給料を時給換算(産業計、平成30年)すると、新卒時には1,227円。3年目には1,618円です。
こうしたことを踏まえると、本来は無償の家庭内外の育児や地域活動に、有償の仕事と同等の負担が伴うことを実感している方は多いのかもしれません。
育児と家事の「体感時給」が年々増加…考えられる理由は?
nullこの調査は継続的に行われていますが、興味深いのは、どの項目も年々“体感時給”がアップしている点。
例えば、「PTA活動」の平均時給は去年と比較して188円、3年前と比べて253円アップしています。
『kufura』では継続的に家事・育児分担についてのアンケートを行っていますが、家事・育児やそれに付随する仕事を母親が主に担っている家庭が多数という状況が続いています。加えて、共働き家庭の割合は増加の一途をたどっています。のみならず、かつて地域に開かれていた子育ては、家庭に集約され、親の負担感が増している傾向もみられます。
1つ1つの“仕事”はさほど負担でなくても、仕事を持ちながらどちらか一方の親がまとまって多くの育児・家事・地域活動を担うことで負担感が増し、“体感時給”の上昇に反映されているのかもしれません。