まずは知っておきたい!日焼けからシミができるまで
nullそもそも日焼けはどうして起きるのでしょうか?
「紫外線を浴びると、皮膚表皮の基底膜付近に点在するメラノサイトという細胞がメラニン色素を作り、表皮へ送ります。このメラニン色素が多く作られれば作られるほど、肌の色は黒くなります。これが日焼けです」(以下、「」内は宇井先生)
その後、日焼けからシミに変わるのは、どうしてですか?
「本来なら表皮に現れたメラニンは肌のターンオーバーによって垢となって一緒にはがれ落ちていきます。ところが紫外線を浴びすぎると肌のターンオーバーが間に合わないほどのメラニンが生成され、表皮に残り、そして、色素が沈着することでシミとなってしまいます」
シミ予防のためにできること
nullシミを予防するためには、まず“紫外線を浴びすぎない”のが大事。いかにカットするかにかかっているんですね。
「紫外線を予防するには様々なタイプの日焼け止めがあると思います。塗るタイプの日焼け止めは、ローション、クリーム、スプレー式などがありますし、その他にもライフスタイルに合わせてパウダーやシートなどを使用したりできます。
ただ、紫外線対策に関しては日焼け止めだけではなく、つばの広い帽子をかぶったり、日傘をさす、木陰を利用するなどの対策も同時に取り入れましょう」
さらに生活面で気をつけたいのはどういったことでしょうか。
「これは、日焼けしてしまった後のシミ予防として大事なことなのですが、肌のターンオーバーをしっかり促せるような生活を送ることです。十分な睡眠をとることで過労を防ぐ、規則正しい生活を送る、ストレスをためないといったことが大事です。
逆に、深夜まで起きていたり、十分な睡眠をとれないようであれば、お肌のターンオーバーにも影響を与えシミを作ることになってしまいます」
ストレスと日焼けの関係
ストレスをためないことがお肌に大事ということですが、具体的にどのように関係するのでしょうか。
「ストレスで代謝やホルモンバランスが乱れることに加え、ストレスがあると肌への意識が過敏になりすぎて、肌を必要以上に触ってしまうことがあります。
反対に、肌の扱いが雑になるといった行動の変化が生まれることもあり、日焼け後の肌が悪化してしまうことも考えられます。ストレスの多い時には、特に質の良い睡眠をとれるよう工夫をしましょう」
シミの種類についても知っておこう!
nullここからはシミの種類についても教えて下さい。一口に「シミ」といわれますが、シミにも種類があるんですよね。
「一般的に紫外線の影響で起こるシミとして挙げられるのは、老人性色素斑といって、老化によって表皮にできるシミです。形は不定形でゆっくりと大きくなり、顔の側面に多く発生します。他にも汗斑(かんぱん)というシミは、女性のほほ骨から前額部などに現れます。さらにそばかすの名で知られる雀卵斑と呼ばれるシミは、学童期から発症するものです」
できてしまったらどうする?シミの治療法
シミにも様々な種類があることが分かりました。その中でも今回は日焼けによって最も多く起こるといわれるシミ、老人性色素斑に対する美容皮膚科医としてのケアについて教えてください。
「日焼けしたお肌を改善するためにはビタミンCなどが入った点滴があります。他にも機械を用いて、超音波イオン導入で美白用や保湿用の薬剤を肌に浸透させるやり方もあります。
こちらは荒れたお肌を改善したりシミの生成を抑える効果があります。また、できてしまったシミに関してはシミ用レーザーで除去したり、ちょっとした刺激でも悪化してしまうデリケートな肝斑にはマイルドなレーザートーニングを使用したり、また、IPL治療でターンオーバーを促しシミを改善させる方法もあります」
本当に様々な治療法がありますね。
「ただ、お伝えしているようにシミと一口でいっても、さまざまなパターンのものがあります。一人の患者さんにおいても、顔のどの部分がどのシミの種類であるのか、きちんと判断された上でそれぞれに対する治療方法がなされるべきですので、クリニックで治療する場合は、しっかりとしたシミの診断をしてもらうと共に、治療法についても、先生に相談するようにしてください」
宇井千穂・・・皮膚科医。活性酸素とSOD(活性酸素を抑える抗酸化酵素)の研究による天然の治療薬を使い、アトピーを中心とした皮膚疾患の診察を行う。最近では美容皮膚科医としても活躍中。『女医+(じょいぷらす)』所属。
構成/青木麻紀