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抜けないトゲは病院へ!? 湘南ERが教える!救急箱に入れておくべき10選と応急手当【トゲ・発熱・噛み傷】

気を付けて生活していても、何かのはずみでケガはしてしまうもの。古い木材のささくれに触ってトゲが刺さったり、「具合が悪いな」と思ったら発熱していたり……。そんなよくある日常のケガや体調不良の応急手当を見直してみませんか?

「湘南鎌倉総合病院」の救命救急の現場で働く、救急総合診療科、通称「ER」。ケガや病気、すべての緊急度・重症度の患者に対応できるのがER医です。

今回はそんな湘南ER医に、日常生活で起こりがちなケガ・体調不良の応急処置と、おうち救急箱にストックすべきものを教えてもらいました。

ケース1:トゲ~取り除けない時は?~

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“トゲが刺さる”のは、日常で起こりやすいアクシデントのひとつです。どのようにして抜くのがいいのでしょうか?

「トゲのまわりを押したりして、トゲの頭が出たら、ピンセットなどで引き抜きましょう。ただ、トゲの頭が出ていなくて、ほじらないと抜けないような時は、医療機関で抜いてもらってください」(湘南ER・Dr.福井)

抜いたけれど、トゲの一部が残ってしまう……というケースも多いです。

「皮膚の中にトゲの一部が残っていたら、無理をせず受診しましょう。残っていると細菌感染して化膿してしまったり、“外傷性刺青”と言って、色素沈着して痕が残ったりしてしまいます」(Dr.福井)

トゲを抜いたら、傷口をしっかりと水道水で洗って清潔にしましょう。

「本当に浅く(角質層くらいまで)刺さっていて、痛みもない時は様子を見ても大丈夫です。また、すごく太いトゲが刺さり、抜くとひどく出血しそうな場合には、医療機関で処置をしてもらうのをオススメします」(Dr.関根)

ピンセットなどでも抜けないトゲは病院で診てもらいましょう。

ケース2:発熱~すぐ病院へ行くべき発熱とは?~

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ちょっとした発熱は、自宅療養しているうちに治ることも多いものです。しかし発熱には、病院へ行くべき時と、様子を見て良い時があるとのこと。

生後3カ月未満のお子さんが発熱したら、すぐに受診してください。生後3カ月未満の赤ちゃんは、まだ免疫力ができあがっていないため、38度を超える高熱だと入院の必要性も高くなるのです」(Dr.佐々木)

3カ月を過ぎたお子さんは、場合によっては様子を見てもよいとのこと。

「3カ月を過ぎたお子さんでしたら、熱があっても元気であれば、少し様子を見てみましょう。市販の解熱剤を飲んでかまいません。ですが、“いつもより元気がない”とか“4日以上発熱が続く”といった場合には、病院へ連れて行きましょう。

こどもの発熱は温度自体では重症かどうか、特別な治療が必要かどうかに関わりません。なので、たとえば41度でも、水分をとって元気に遊んでいれば、様子をみてもOKです。

逆に、37.5度でも、ぐったりして水分がとれないときや、呼びかけに反応がないとき、顔色がわるいときなどは、速やかに受診が必要です」(Dr.関根)

発熱時にも、経口補水液があるといいのだとか。

「食べられる物を食べて、水分補給をこまめにして回復を待ちます。経口補水液のストックがあると、水分補給の役に立ちます」(Dr.関根)

生後3カ月未満の赤ちゃんの発熱は、大事をとって早めに救急へ。

ケース3:ペットに噛まれた~血が出るほどなら病院へ~

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自分がペットを飼っていなくても、友人知人の家にお邪魔した際にペットと遭遇することがあります。犬や猫、ハムスターなどのペットに噛まれた場合の応急手当はまず「洗うこと」。

傷口を流水で5分以上洗ってください。小さな傷でも、細菌感染することがあるので、流水でしっかり洗うことが大切です。動物によるケガは、普通のケガよりも細菌感染の確率が高いのです。また、血が出るくらい噛まれた場合には病院へ行ってください。特に、手先足先など、体の末端は血流が悪く、化膿しやすいです」(Dr.関根)

小さい傷に見えても、深部まで達していることもあるのだとか。ペットに噛まれて出血があったら、病院で診てもらいましょう。

甘噛みが、うっかりガブリ!なんてことも。

おうちの救急箱にストックすべきものはこれ!

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ワセリンは便利なアイテム。

最後に、ご家庭にある「おうち救急箱」に保管すべきものを10個教えていただきました。

  • ワセリン
  • ばんそうこう
  • ガーゼ
  • 包帯
  • 保護テープ
  • 経口補水液
  • 保冷剤
  • はさみ
  • 使い捨て手袋
  • 常備薬(解熱鎮痛薬、吐き気止め、抗アレルギー薬など)

これまでの記事でも何度か登場した「ワセリン」は、さまざまなシーンで活躍する便利アイテム。

「ワセリンは、市販のものでも処方されるものでも、どちらでもOKです。すり傷や切り傷、やけど、ひどい日焼けの応急手当のほか、おむつかぶれ予防や、手荒れなどにも効きます。傷をきれいに治すのに役立ちます。

なお、いざというときのために常備しておくのはよいですが、薬は、一時的に症状を緩和することはあっても、病気そのものやその原因を治すわけではないので、過信しないようにしましょう。

また、使用期限にも気をつけましょう。1年に1回は『おうち救急箱』の中身を見直して、家族で災害やアクシデントなどについても話し合う機会を持てたら理想的ですね」(Dr.関根)

薬の使用期限はチェックしましょう。

【まとめ】日常の応急手当と「おうち救急箱」の中身

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  • ピンセットでも抜けきらないトゲは病院へ
  • 生後3カ月未満の赤ちゃんが発熱したら、すぐに受診
  • 生後3カ月以降は、発熱があっても元気なら様子を見る
  • 発熱していて元気がない時、4日間以上熱が続く時などは病院へ
  • ペットに噛まれて血が出たら受診

【おうち救急箱】

  • ワセリン
  • ばんそうこう
  • ガーゼ
  • 包帯
  • 保護テープ
  • 経口補水液
  • 保冷剤
  • はさみ
  • 使い捨て手袋
  • 常備薬
年に1度は救急箱の見直しを。

突然のケガや体調不良など、アクシデントは無いに越したことはありません。ですが万が一、起こってしまった場合、正しく迅速に対応できるようにしたいものです。おうち救急箱が保管してある場所のチェックや、使用方法など、この機会にご家族で確認し合うのはいかがでしょうか?


 

湘南ER

「湘南鎌倉総合病院」の救急総合診療科(ER)。救急車の搬送台数は日本トップクラス。24時間365日、緊急度・重症度・来院方法によらずすべての救急外来受診患者を受け入れ、最善を尽くした医療を提供することを使命にしている。

左からDr.寺根亜弥、Dr.佐々木弥生、Dr.福井浩之、Dr.関根一朗。

Instagramは@shonan_er

【書籍情報】

『湘南ERが教える 大切な人を守るための応急手当』(KADOKAWA)

専門外がなく、すべてのケガや病気の初期治療ができる「ER医」。
幅広い症例を経験した湘南鎌倉総合病院のER医が、本当に正しい「応急手当」を教えます。

まなたろう
まなたろう

秋田生まれ。高校卒業後ドイツの大学の舞踊科へ。以後、海外を10年以上放浪し、現在は東京在住。ライターの他、ヨガインストラクターや振付家などもしている。

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