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舌のケアも大事!口臭の原因にはどんなものがあるの?主な原因5つ【オトナのための歯科相談室#6】

マスク生活で、自分の口の臭いが気になったことはありませんか? 厚生労働省の歯科疾患実態調査(2016年)によると、15歳以上の約10%が「口臭が気になる」と回答するなど、口臭に悩んでいる人は少なくありません。そこで、地域密着型の歯科医院の院長として、お子さんからご高齢の方まで、歯の健康管理と治療を行ってきた歯科医の山本伸彦先生による大人の歯科相談室を開設! 連載6回目は、人には相談しにくい「口臭の原因」について教えていただきました。

原因1:歯垢・歯周病

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「口臭の原因」として、まずはどんなものが考えられるのでしょうか。

「口臭にはさまざまな原因があります。なかでも多いのは、普段の歯磨きがきちんとできていない、歯医者さんにしばらく行っていないなど、歯のメンテナンス不足によるものですね」と話すのは歯科医の山本伸彦先生。

山本先生によると、口から腐ったような臭いがするのであれば、日頃の歯磨きの悪さによるプラーク(歯垢)が原因の可能性大。食べカスが残ったところに、微生物が集まってそれらを分解するため、臭いが発生してしまうのです。

「真夏に生ゴミを放置したら、腐敗臭がしますよね? あれも細菌の働きによるものなのですが、口の中でも同じようなことが起きるんです」(以下「」内、山本先生)

また、かなり強烈なのは歯周病を放置したことによる口臭! 歯周病の進行に伴って細菌叢(さいきんそう)の範囲が広がり、常に口の中が膿んでいるような状況になるため、強い臭いを放ちます。

原因2:舌苔

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みなさんは、舌のお手入れをしていますか? 舌の表面は凸凹のヒダ状になっていて、そこに口内の皮膚が剥がれてできた垢・食べもののカス・唾液の成分・細菌・微生物などが溜まると、舌苔(ぜったい)とよばれる白い苔のようなものが形成されてしまうことがあります。

「口臭の原因でわりと多いのが、この舌苔。歯はよく磨くけれども、ベロのケアをしていないという方は意外に多いのです」

舌苔のケアには、タンクリーナーはもちろんガーゼもおすすめ。乾いたガーゼで舌の先を掴んで引き出し、別のガーゼで舌表面をやさしく拭うと、えずかずにケアできます。

「日常のなかで唾液の分泌もちゃんとしていて、全身疾患のない人の場合は、歯ブラシでもOK! ベーと舌を出して、絨毯をなでるイメージでシャッシャッと軽くブラッシングしましょう」

原因3:唾液不足

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唾液には口の中を循環して、歯の表面や歯の間に付いた歯垢や食べカスを洗い流す自浄作用があります。ところが、唾液の分泌量は加齢や全身的な病気により減少してしまうことも……。すると、歯垢や食べカスがより多く残りやすくなり、口臭が悪化してしまうのです。

「極端に言うと、たとえ歯磨きをしなかったとしても、歯並びがとてもきれいで整っている方の場合、唾液がきれいに循環していくので、そこまで激しく汚れは残らないんですね。

ただ、唾液の分泌が減少すると、この機能はうまく働かなくなるため、汚れは残ったままになります。すると、そこに微生物がネバネバした細菌叢をつくり、腐敗臭の原因になってしまうのです」

口呼吸の人も要注意! 鼻でうまく呼吸ができなくて口で呼吸をする人は、どうしても口の中が乾燥しがち。より丁寧にブラッシングやプラークコントロールをするように心がけましょう。

原因4:自律神経・ホルモンバランスの乱れ

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長引く新型コロナウイルス感染症の影響や新しい生活様式のなかで、不安やストレスを感じ続けてはいませんか? 実は、このストレスも口臭には天敵。ストレスにより自律神経のバランスが乱れると、口が渇きやすくなってしまうのです!

自律神経には心と体を活発にする交感神経と、穏やかに休息させる副交感神経があり、バランスを取りながら24時間体制でわたしたちの体を支えています。

「わかりやすく言うと、闘争と逃走(交感神経)と、休息と給食(副交感神経)。ストレス過多の人は交感神経が優位になるので、常に緊張状態にあります。緊張すると口が渇きますよね? それが口臭の原因になってしまうのです」

また、唾液の分泌量はホルモンバランスによっても変化します。特に、生理前や生理中はストレスや不安も募りやすいうえ、ホルモンバランスの変化によって唾液の分泌量が減少するため、口臭が発生しやすくなります。

原因5:心因的なもの

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「患者さんのなかには、“わたし本当に口臭が気になるんですけど”と訴えるんだけれども、何を検査しても、実際に嗅いでみても口臭はない。だけど、気持ちの方で“口臭がある”と思い込んでいる方がいらっしゃいます」

このような本人だけが口臭があると思い込む口臭は、心因的口臭(または自臭症)とよばれ、場合によっては精神科医や心療クリニックでのカウンセリングが必要となるケースもあります。

 

今回は口臭の主な原因として5つご紹介しましたが、ほかにも口臭の原因には、ニンニクやアルコールなど食生活によるものや病気によるものなどがあります。まずは、かかりつけの歯医者さんに相談してみて、本当に口臭があるのか、あるとしたら原因は口の中にあるのか、それとも口の外にあるのか調べてみましょう。

 

取材・文/清瀧流美

 

【参考】

「口臭の原因・実態」 e‐ヘルスネット

山本伸彦
山本伸彦

やまもと歯科 院長/デンタルネットワーク株式会社代表取締役/歯科医

都立目黒高校卒業後、レストラン勤務を経て、明海大学歯学部入学。1995年、同大学卒業。歯科医師免許を取得。南青山友歯会ユーデンタルクリニック勤務を経て、1999年、やまもと歯科(東京都)開設。2018年、デンタルネットワーク株式会社設立。歯科専門情報サイト「Smile Teeth」を立ち上げ、多くの人に歯科医療に関する正確な情報を提供している。

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