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10時間で菌が約3倍のデータも!「飲みかけのペットボトル」…夏の定番、麦茶も要注意です

今年も猛暑日が続き、水分補給が欠かせません。マイボトルやペットボトルなどで、ドリンクを持ち歩く人も多いですよね。

しかし、気温は東京で30℃以上を超す日が続いています。一度口をつけた飲みかけの飲料を、そのまま持ち歩いても大丈夫? 飲み残しの飲料の注意点について、『株式会社 食品微生物センター』の管理栄養士・香川葵さんに話を聞きました。

飲み残したペットボトル内の菌は、10時間で約3倍に!

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外出先でペットボトルを買ってそのまま口をつけて飲み、飲みきれずにバッグに入れて1日持ち歩いて、飲み残したものを数時間後にまた飲む。こういった飲み方をしてしまったこと、ありませんか?

ところがこれだけ気温が暑いと、気になるのは保冷の効かないペットボトルの中身……。果たして1日持ち歩いても大丈夫なのでしょうか?

食品の細菌検査などを行う『株式会社 食品微生物センター』の管理栄養士・香川葵さんに伺うと、

「ペットボトルを直飲みすると、口内の菌などがペットボトルの中に逆流します。菌の種類にもよりますが、繁殖しやすい温度は人間の体温程度。真夏の気温は、まさに菌が好む温度帯です。

弊社で、口をつけたペットボトルの麦茶の菌数を時間ごとに調べたところ、10時間で約3倍に増加していました。そのため、たとえば、午前9時に飲み始めたら、午後7時には3倍に増えているので、できるだけ早く、夕方頃には飲みきるのが理想です」

10時間で3倍とは、そのスピードにビックリ! ペットボトルの持ち歩き、よくしていたので反省です……。

「麦茶」は特に菌が増えやすいので、持ち歩きには注意を

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さらに、飲料によって、菌の増加に差はないのか伺いました。

「弊社の調べによると、特に麦茶やお茶類で、菌の増加が多く見られました。特に麦茶は栄養分が多く、菌の増殖を抑える要因があまりありません。

家庭で麦茶を手作りされるかたも多いと思いますが、工場内で無菌状態で充填している飲料ではないので、さらに注意が必要です家庭で手作りする場合は、水出しよりも煮出して作る方が殺菌効果があるのでおすすめですよ

それに比べて、オレンジジュースやスポーツドリンクは、菌の増加は比較的ゆっくりだそう。

「お茶類が弱酸性なのに対し、オレンジジュースやスポーツドリンクはPh値が低く酸性度が高いため、菌の増加をお茶類よりも抑えられるのかもしれません。

また、ブラックコーヒーも麦茶ほど菌が増えにくい傾向にありました。コーヒー牛乳も添加物やPh値が調整されているからか、菌の増加はゆっくりでした。水も菌が好む栄養分が少ないため、比較的増えにくい傾向にあります」

持ち歩きには、保冷の効くマイボトルがおすすめ!

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さらに、ペットボトルとマイボトル、どちらが有効なのでしょうか?

「ペットボトルは保冷が効かないものが多いので、保冷の効くマイボトルに飲料と一緒に氷を入れるのがおすすめです。

飲みかけのペットボトルを持ち運びする際は、こまめに冷蔵庫に入れたり、保冷剤をつけたり、できるだけ冷やしておくと菌の増加を抑えることができます

また、すぐに全部飲みきれない場合は、直接口をつけて飲まずに、紙コップに注いで飲むと、口内の菌がペットボトル内に入ることを防げます

マイボトルを利用する人は、洗い残しがないようしっかり洗浄を行うのもポイント。特に夏はスポンジなどの洗浄用具も菌の温床になりやすいそうなので、清潔に保つよう心がけてください。

ちなみに、ペットボトルは口が狭く隅々までキレイに洗浄しにくいので、一度使用したペットボトルを洗って再利用するのは避けた方がよいとのことでした。

香川さんの話を聞いてから、自分が飲み残したペットボトルを見ると、もちろん目には見えないのですが、菌が増加している様子を想像できるようになりました。

以前は、取材や撮影でもらったペットボトルを飲みきれなくて、1日常温で持ち歩き、家に帰って冷蔵庫に入れて2〜3日後に飲むこともありましたが、冷蔵庫に入れていたとはいえ、今考えると恐ろしい!

香川さんいわく「口をつけて飲んだペットボトルは、その日中には必ず飲みきること」が鉄則だそう。

特に今年は新型コロナウイルスの感染予防対策で換気を多く行うため、例年より室温が高い傾向にあり、その人の体調や免疫力にもよりますが、菌が大量に増加した飲料を飲むと食中毒を引き起こす恐れも。自分のためにも、家族のためにも、飲みかけのペットボトルを持ち歩く際は、みなさん特に注意しましょう!

 

取材・文/岸綾香

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