必ず押さえておきたい「体温計の基礎知識」
nullまずあらかじめ知っておきたいのが、体温計の基礎知識。
オムロン ヘルスケアによれば、電子体温計の種類は大きく分けて「実測式」と「予測式」に分けられるとのことです。
その違いは、以下の通り。
【実測式】
測定する部位(ワキや耳など)のそのときの温度を表示する方式。より正確な検温が必要な場合に用いる。オムロン ヘルスケアの実測式の測定時間の目安はわきで約10分、口中で5分(オムロン製の場合)。
【予測式】
測定開始から体温計に伝わっていく温度の上がり方の情報をもとに、測定部位ごとの独自の計算式をつかって予測する方法。短時間での計測が可能。
体温計を選ぶ際には、実測式のタイプ、予測式のタイプ(オムロンの予測式体温計は実測測定も可能)を用途に応じて選ぶといいかもしれませんね。
「平熱」ってなに?どうやって決めるもの?
nullお子さんの体温を申告する際には、平熱を記入する機会も多いのではないでしょうか。
でも、そもそも、平熱ってどんな体温なのでしょうか。
オムロン ヘルスケアによれば、“体温”とは、体の内部の温度のこと。“平熱”は健康時の体温のことを指します。一口に平熱といっても、平熱は部位によっても、時間帯によって異なるそう。
例えば、耳には耳の、わきにはわきの平熱があるとのことです。
わき、耳、口中、額など、部位ごとの体温計がありますが、いつも使っている体温計で、いつもの時間に、いつもの部位で測ると、体調の変化が見えやすくなるようです。
「わきの下で測る体温計」の注意点やポイントは?
null続いて、子育て中の家庭にポピュラーな「わきの下で測る体温計」と「耳式体温計」の正しい使い方についてうかがいました。
わきの下で測る体温計を使う際、“実測式”、“予測式”ともに気をつけたいポイントは、以下の3つ。
(1)検温前にこもった熱を冷まし、汗をしっかり拭き取る
熱がこもると高めの値になるため、乾いたタオルなどでふいてから検温します。また、汗をかいていると、熱の伝導率が異なり正しく検温できなくなります。特に子どもは汗をかきやすいため、汗をふきとってから検温します。
(2)わきの中心に体温計の先端をあてる
よくある間違った検温方法としては、イラストにあるように、先端(検温部)がわきから出てしまう測り方です。
わきの温度は中心が一番高く、中心から外れると検温値は低くなります。わきの中心に体温計の先端をあてるように気を付けましょう。
(3)体温計が動いたり、あてる位置がずれないよう注意
わきを密閉するようにしっかり閉じて検温します。手のひらを上向きにするとわきがしまりやすくなります。子どもの検温の際には、腕を軽く押さえます。体温計を手で持ちながら測るとセンサーが触れている部位がわかりやすくなります。
複数のきょうだいを測るときには…
複数のお子さんを測るときには、1人目を測ってから1~2分間隔を明けてから検温します(オムロン製の体温計の場合)。
「耳式体温計」の注意点やポイントは?右耳と左耳の温度が違う場合は?
null続いて、短時間で予測体温が検温できるため、小さなお子さんがいる家庭でもよく使われている耳式体温計の使い方のポイントです
(1)耳の中はきれいにしておく
耳の中の汚れは正確な測定の妨げとなるので、きれいにしておきます。
(2)耳の中に入れる「プローブ」の状態をチェック
「プローブ」とは、センサーがついている先端部分。検温時にはプローブにカバーがついていること、汚れていないことを確認しておきます。
(3)「プローブ」の向きに注意
一般的に外耳の温度よりも鼓膜の温度のほうが高い傾向があります。耳式体温計は、鼓膜の温度を測るので、「プローブ」の先端が鼓膜のほうを向いているか確認しましょう。子どもの体温を計測する際には、耳の上の部分をかるく後方に引っ張り、耳の穴をまっすぐにしてから耳の穴に沿って入れるようにします。
(4)右耳と左耳、両方で測って温度が違うとき
右と左で外耳道の形が違う場合、右と左に温度の差が出るケースもあります。できれば、いつも決まった方の耳で測定するようにしましょう。
複数のきょうだいを測る場合は…
オムロン製の耳式体温計の場合は、1人目を測定後、続けて測定が可能だそうです。プローブカバーが汚れている場合、続けて他の人を測る場合はプローブカバーの交換が必要です。
検温を避けたほうが良い時間帯、タイミングは?ぐずって測れないときは?
nullオムロン ヘルスケア株式会社によれば、子どもの検温を避けたほうがいいのは以下のような場面です。いずれの場合も正しい値が計測できない可能性があります。
・汗をかいているとき
・入浴直後
・泣いたりぐずったりした直後
検温を嫌がってぐずってしまう子もいると思いますが、泣いている最中や直後は体温が上昇しやすくなるので、機嫌がよいときに測るといいとのことでした。
就寝中に測定することもできますが、その場合は活動時の平熱よりもやや低く出る可能性があることも覚えておきましょう。
今回は、オムロン ヘルスケア株式会社に体温計の使い方のポイントについてうかがいました。
子育て中の家庭にとって毎日のルーティンなっている検温。毎日正しく測ることで、ちょっとした体調の変化に早く気づくことができるといいですね。
イラスト/楽谷玲子
【取材協力】
オムロン ヘルスケア株式会社