仕事はスムーズにいかないもの!締め切りはマイナス1日で設定しよう
前回に引き続き、『kufura』編集部のE子に加え、編集部の働く主婦Y子(二児の母)も指導していただきます!
E子:以前は、締め切りギリギリにならないと集中できないタイプだったんですよね。働く主婦になってからは変えてるつもりなんですけど、でもやっぱり今でもその習慣をひきずりがちで……。どうしたら変えられますか?
冨山さん(以下、敬称略):期限の前倒しをおすすめしています。締め切りの3日前とか2日前とか。仕事は基本的にスムーズにいかないものなので、マイナス1日を基本にして欲しいですね。
アドレナリンが出て達成感を得やすいので、無意識のうちにギリギリになってしまう人が多いというデータが出ているんですよ。
Y子:そうなんですね! こういうタイプは、仕事もあって家のことがあって子どものことがあって……となると、見事にまわらなくなりますよね。
冨山:辛くなってきませんか?
Y子:辛いです(泣)。私はまさにこういうタイプなので、「なんでいつもこんな目にあうの!?」となっちゃうんですよ。
冨山:ラストゴールより、スモールゴールから考えた方がいいですね。今日するべき“小さな行動”を決めて、それだけは絶対にやるようにします。
いきなり徹夜で全部やろうとしたら大変じゃないですか。月曜に情報収集、火曜のミーティングでみんなの意見を聞くなど、“小さな行動”を決めておけば、自然と金曜の締め切りに間に合いますよ。
TODOリストは自分のポテンシャルの6割〜8割で作る
E子:予定をしっかり立てているつもりでも、結局間に合わないことも……。なぜでしょうか?
冨山:TODOを作るとき、みなさん、自分のポテンシャル100%の状態で作りがちなんです。人間は完璧ではないので、60〜80%くらいの力でTODOを作ることが大事です。
あらかじめ20%くらい余力を空けておく方がいいです。空いた時間ができれば、その時間で経費清算とか、早めに子どもを迎えに行こうとか、色々と使えますよね。
Y子:ついつい120%くらいで作ろうとしちゃうかも。「私ならできる!」と気合で乗り越えようとしたり。
冨山:典型的な気合派ですね。最近は、気合で乗り越えられる人が少なくなっていて、バーンアウトしてしまう人が増えているようです。
例えばボーナスが毎年変わらなかったり、昇給も少なかったりと、会社から得られる達成感が年々少なくなっているなかで、「何をもってモチベーションにすればいいの?」となりがちなんですね。
“外的報酬”で動くのではなく、“内的報酬”で動いたほうが、自分のために働きやすくなります。自分の行動を見える化したり、小さな達成感に喜びを感じることが大切です。
30分前行動で周りも巻き込む!
E子:チームで仕事をしている場合、自分ひとりだけ帰り辛いこともありますよね?
冨山:プロジェクトメンバーの中で、仮の締め日を前倒しで決めておくというのも有効です。
また、帰る30分前に仕事が終わるように組んでおくのもいいですね。働く女性は、自分の都合だけで仕事が終わることが少ないんじゃないかと思うんです。なのでチームも巻き込んでルールを作ったりと、前倒しで終わらせるようにしましょう。
E子:Y子さん、この連載が始まってから、業務終了時間の30分前に仕事が終わるようにスケジュールを立てるようにしたんですよね?
Y子:……してた。あと、早く出社するようにもしてるけど、30分早く出社したとしても、30分早く仕事が終わるわけではなく……。
冨山:5時半が定時であれば、5時が定時だと思うようにしてほしいですね。アラーム設定をしておいて「あと30分」だと思うと集中力が高まります。
また、帰り際に用件を言われることも多いものです。「あの人は5時半に帰る人だ」と思われていると、みんな5時前に用件を言ってきたりするんですね。
「あの人は5時半で帰るはずだけど、いつも6時とか6時半までいるよね」と周りに認識されるようになると、「5時半すぎちゃったけど、仕事の相談をしてもいいよね」となってしまい、いざ定時に帰っても「えっ困る!」と、電話がかかってきたりしちゃうんですね。
自分がその時間に帰る人だと知らせることと、チームを巻き込む、この2つが大事ですね。
冨山さんに指導してもらったE子とY子。果たして時間内に仕事を終わらせられるようになるのか……!?
※次回は、「働く主婦が集中力を身につけ、仕事と家庭を両立する方法」についてご紹介します。
構成・文/kufura編集部 人物撮影/横田紋子(小学館)
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