「やりたいこと」と「やりたくないこと」を分けてみる
やるべきことが多すぎるならば、まず“しなくていいこと”を見つける……そんなミッションに頭を抱えてしまった『kufura』編集部のE子。
「まずは今、自分にとって何がストレスになっているのかを把握しましょう。
子どものお迎えがストレスになっているのであれば夫が早く帰れる日を聞いて、子どものお迎えをお願いしたり、金曜日のお迎えは隔週で担当制にしようと提案してみたり。やめることができないのであれば、誰かに頼るということがすごく大事ですね。
わがままのようですが、自分がやりたいことと、やりたくないことを分けることが大事です」
やりたいことと、やりたくないことを分ける? そんなことしていいの!?
「もちろん現実は、やりたくないことでも、やらなければならないことはあるでしょう。
ただ、仕事と家庭を両立されている方の中には、やりたいこともやりたくないことも、全部“やらなければいけないこと”としてひとくくりにしてしまっていることが多いのです。それが負担となってモヤモヤを生み出している可能性があります。
ストレスになっていることがわかれば、誰かに頼ったり、相談したりしてみましょう。
自分のストレスの原因が、水周りの汚れだと気づいた人がいました。そこで2週間に1回、ハウスキーパーさんに水周りの掃除をお願いしたら、ひとつストレスがなくなったそうです。
また、夜は時間がないので家事ができないという旦那さんに、朝早めに起きてもらい、朝ごはんを並べてもらうことにした人もいました。
どちらも、自分がしなくていいことを判断したわけですよね。自分のストレスになっていることを理解して、それを解消する行動を見つけると、自分で“やらなくていいこと”を判断できるようになっていきます」
ストレスの原因になっていることを、前向きに解決するのであれば、それはわがままとは言えない気がしてきた!
やらないといけないことは、「できそうなもの」から着手する
とはいえ、ひとつ解決したとしても、やらないといけない項目はまだまだ山積み。その中の優先順位がなかなか決められず、ウンザリすることが多い。
「働く主婦の方は、優先すべきことが多すぎることがあります。そんなときは、“小さく始められること”から始めましょう。一番大変そうなことから手をつけるのはなく、これならできそうだということから始めます。
要は、全部大事なことなので、優先順位ではなく、劣後順位(やらなくていいもの)を決めましょうということです。残ったものは同列優先順位なので、一番を決めなくても大丈夫です。どれからできそうか、やりたいか、やれそうかという視点で選んでもらいます。
前回もお伝えしましたが、ひとつやり終えると、全体に前向きに捉えられるようになるんですね。そして、次もやってみようという気持ちになる。根性や気合いを入れることなく、気づいたら終わっているというのが理想です」
そうか、無理に優先順位をつける必要はないんだ! 難しいことからやろうと思うと気が重いけど、やれそうなことからとりかかるのであれば、気楽にできそうだ。
「うまくできないこと」だけチェックリストを作る
家事や育児も、仕事同様にチェックリストを作ったほうが効率よく回せるのは、連載2回目で冨山さんに教えてもらった通り。でもなんだか、書いても書いてもキリがないような気がする……。
「自分がうまくやれないことだけ、チェックリストを作りましょう。
掃除が苦手な人であれば、掃除道具を目に見える位置に置いておき、朝起きたらまずリビングを掃除機をかけながら一周する。洗面所を使った後は、小さなタオルを横に置いておいて、シャッとふく。
そんなことを、忘れないようにチェックリストに書いておきます。チェックしなくてもできるようになったら、それはもう習慣になっているので、チェックリストから消して、卒業しちゃいましょう。そのように繰り返していきます」
うん、できないことだけチェックリストを作るのなら、簡単かも!
チェックリストは自分だけではなく、家族を動かすツールに
「旦那さんや子どもにも協力してもらいたいのであれば、チェックリストをホワイトボードに書いておいて共有するのもいいですね。
旦那さんがごみ捨てをしたら家族のカレンダーにシールを貼り、たまったらご褒美にビールをプレゼントするという方もいました。家族で褒め合うことで、達成感もアップしますね。
チェックリストは管理されるのが窮屈だから作りたくない、という方も多いのですが、自分や人に達成感を与えることができます。楽しみながらやることが、行動科学では大事です。チェックリストは、自己肯定するツールにもなります」
自分だけでなく、家族にも動いてもらえるようになるなんて! チェックリストって何気にスゴイ。
その夜、冷蔵庫に貼ってあるホワイトボードに、家族みんなが苦手なことのリストを作ってみた。夫や子どもも巻き込んで、家族みんなで楽しく実行できるようになればいいな。
※ 次回は、「働く主婦が“人間関係”の思い込みを捨てる方法」についてご紹介します。
構成・文/kufura編集部 人物撮影/横田紋子(小学館)
【参考】
※ 冨山真由(2016)『1%の素敵な人だけが実践している「なりたい自分」になる方法』(あさ出版)