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つまり松岡修造!? 先輩女子が「やる気のない新人」を指導するコツ3つ

「最近の新人って、生ぬるいよね」「私たちの仕事は、あんなもんじゃなかった」などと、後輩や部下を指導する立場にいると、つい言ってしまっていないだろうか? しかし、おそらく自分が新人の頃も、まったく同じように思っていた人が社内にいたはずだ。では、なかなか学生気分が抜けず、仕事をちょっと甘く見ている新人や後輩を奮い立たせるためには、どうしたらよいのだろうか? そこで今回は、世界的なロングセラーとして有名なD・カーネギー氏の著書『人を動かす 新装版』をひも解きつつ、人のやる気を引き出すコツを3つご紹介しよう。

1:ほめることに見返りを求めない

「ほめて人を伸ばす」ということは、多くの自己啓発本にも書いてあることだが、ほめるときに“相手が動いてくれる”という見返りを求めてはいないだろうか? これについてカーネギー氏は、

<他人を喜ばせたり、ほめたりしたからには、何か報酬をもらわねば気がすまぬというようなけちな考えを持った連中は、当然、失敗するだろう>

と同書のなかで述べている。後輩新人社員に対しても、相手が会社にとって重要な存在だということを伝え、心からのほめ言葉を紡ごう。

2:ミスを指摘するときは自分の失敗談を添える

新人や後輩がミスをしたときに、プライドを傷つけないように間違いを指摘しないでいるのも、小言を言い続けるのも、どちらも逆効果である。同書のカーネギー氏の著述によると、

<人に小言をいう場合、謙虚な態度で、自分は決して完全ではなく、失敗も多いがと前置きして、それから間違いを注意してやる>

のがよいと言っている。後輩新人社員がミスをしたときには、ミスはミスとして指摘しつつ、自分の失敗談についても話してみよう。

3:“松岡修造”のような情熱をもって激励する

カーネギー氏は同書のなかで、人を奮起させるためには、激励することがいかに重要かをつづっている。

<子どもや夫や従業員を、ばかだとか、能なしだとか、才能がないとかいってののしるのは、向上心の芽を摘み取ってしまうことになる>

決して感情的にならず、松岡修造さんのように“情熱的”に後輩社員を応援してみるのも、効果的かもしれない。そうすることで、あなたの情熱は周りに感染していくだろう。

 

以上、やる気のない後輩を奮起させるコツを3つをご紹介したが、いかがだろうか?

「すぐに役立つことは、すぐに役立たなくなる」というのは、伝説の教師と呼ばれた故・橋本武さんの言葉である。社会の構造が驚くようなスピードで変化していく今、人に対しても“すぐ役立つ人材になること”を求めてしまうが、それを急いでは人は育てられない。

後輩が成長し、人を指導する立場になった時に、根気強く指導したあなたの言葉や精神は、確実に引き継がれていくだろう。

 

【参考】

※ D・カーネギー(1999)『人を動かす 新装版』(創元社)

※ 伊藤氏貴 (2010)『奇跡の教室 エチ先生と「銀の匙」の子どもたち』(小学館)

2015/2/14 BizLady掲載

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