関西人は言葉でおもてなしをする
西日本出身の関西人は、“言葉によるおもてなし”を大事にするという。冒頭のような会話には、相手のために“オモロイこと”を何か言ってあげようとする心の表れでもあるようだ。
<「愛想」や「お世辞」「巧い言」を言葉による相手へのサービスと心得る大阪人、それらを空々しい、歯が浮く言い方だと感じ、その話し手に不快感を抱く東京人、両者のものの言い方の感覚にはかなり大きな溝が存在する>
と同書では分析しているが、時に毒舌のように聞こえても、“言葉のおもてなし”ととらえれば、親近感がわくだろう。
逆に、関西人は、関東人の“そっけなさ”にガッカリすることもあるだろうが、文化の違いも原因にあるということを頭に入れておいた方がよさそうだ。
関東人は率直にわかりやすく伝える
関東人は、直接的な物の言い方をするのに対し、関西人は、話の核心を“オブラート”に包む、間接的な話し方をする傾向にあるという。同書では、
<「ほのめかし」と「アケスケ」、谷崎(潤一郎)は大阪と東京のものの言い方をこのように表現している>
という一節があるが、“率直にわかりやすく伝える”という関東人の話し方と、“言葉に飾りをつけてほのめかす”という関西人の話し方は、文化の違いでもあるといえよう。
ビジネスシーンでは、常に「相手は何を言いたいのか」を推察することが必要だろう。
関西人は1つの話題をどんどん膨らませる
同書によると、“会話はパス回しが命”で、ボケとツッコミが日常生活に溶け込んでいるのも関西人の特徴のようだ。一方東京人に関しては
<お互いが一つの話題を膨らませて会話を展開させていく、そうした協調性に乏しいのが東京人の特徴だという>
とある。
あなたの会社では、職場の会議で、誰かのプレゼンを“黙って聴くだけ”になっていないだろうか? その場合は“関西スタイル”を取り入れ、積極的に質問して話題をふくらませてみよう。
何かよいアイディアを協力して生み出すことができるかもしれない。
以上、関東と関西の“地域性によるコトバ観の違い”についてお届けしたが、いかがだろうか?
狭い日本にも様々な方言が存在する。しかし、言葉だけではなく“伝え方”にも地域差があることを心得て、互いを受け入れあう姿勢が人間関係の潤滑油となるだろう。あなたのビジネストークにも、ぜひ活かしてほしい。
【参考】
2015/1/3 BizLady掲載