「小生」は、男性がへりくだって使う一人称! 女性は使わないのがビジネスマナー
国語辞典の定番『大辞泉』によれば、小生は、残念ながら女性が使う言葉ではないようです。
<一人称の代名詞。男性が自分をへりくだっていう語>
だといい、補足説明に、
<ふつう、自分と同等か、目下の人に対して使うものとされる。>
とあります。つまり、この言葉を使えるは、ある程度の役職についた男性ということでしょうか。
もし、新人の男性が、上司のマネをして「小生は」をメールで使っていたら、注意した方がいいでしょう。
使い方が意外と難しい「小職」は公務員などの“官職”が使う一人称
皆さんの職場にも、ビジネス文書の中で自分を「小職は」と呼ぶ人がいらっしゃるかもしれませんが、民間企業の人には不向きな言葉です。
正しくは、
<官職についている人が自分をへりくだっていう語>
ということで、男女限らず役所関係や公立学校の教諭、警察官などの公務員の方々が使うのは言葉。使い手は限られるようです。
あまり女性が使っているのを見たことはありませんが。
組織の一員としてへりくだる場合は「私共」「手前共」が意外と便利
お客さんから指定された納期に、自社工場の都合で間に合わない。別に私のミスじゃないんですけど……そんな場合、“会社”という集団としてへりくだる一人称が、“私共”です。
<一人称の人代名詞。自分、または自分の家族・集団などをへりくだっていう語。手前ども。わたくしたち。>
「私どもも、そのような事態を想定しておらず……」
「手前どもの都合で大変恐縮でございますが……」
というように使われることがありますよね。
やはり、一番無難な一人称は、「私」なのかもしれない
英語の一人称は男女問わず「I」なのに、日本語には他にも「僕は」「俺は」「あたしは」「わたくしは」……などなど、本当にバリエーションが豊かな言語です。
でも、「あたしは」って、オフィスでは似つかわしくないですよね?
となると、やはり「私」は女性が公私ともに使える便利な一人称ということになります。
上司みたいに、「小生」「手前」なんて使わなくても、胸張って「私」を使った方がよさそうです。
以上、ビジネスシーンでの女性の一人称についてお届けしましたが、いかがでしょうか?
いつもと違う言葉を使って“こなれた雰囲気”を出したくなることがあるかもしれませんが、ビジネスシーンにおいては無難な一人称が一番なのかもしれません。
【参考】
※ 松村明(監修)/小学館国語辞典編集部(2012)『大辞泉 第二版』(小学館)