主な材料は3つだけ!生のトマトでパパッと完成
null【材料】(2人分)
スパゲッティー(1.7mm)・・・200g
にんにく(みじん切り)・・・大さじ3
なす・・・2本
トマト・・・2個
オリーブオイル・・・80ml
水・・・200ml
塩・・・ひとつまみ
こしょう・・・少量
バジル・・・適量
粉チーズ・・・適量
【作り方】
(1)野菜を切る
にんにくはみじん切りにします。なすはヘタを取って縦半分に切り、皮に2mm幅の切れ目を入れてから大きめの乱切りに。トマトはヘタを取り、くし形に切ってから半分に切ります。
「にんにくは潰してからむくと、皮がスルッとむけます。なすは皮目に細かく切れ目を入れることで、皮面からも油をよく吸い込むように。トマトは加熱すると煮崩れるので、ゴロッと大きめにカットしておきましょう」(以下「」内、小野さん)
(2)ガーリックオイルを作る
フライパンににんにくを入れ、シュワシュワするまで強火にかけます。にんにくがきつね色になったら火を止めて、水を入れてください。
「にんにくは焦げやすいので、加熱しすぎると苦くなってしまいます。にんにくがきつね色になったら水を加えることで、色止めの効果が。これで黒く焦げる心配がありませんよ」
(3)なすを3分ほど焼く
なすにガーリックオイルをたっぷり吸わせながら、強火で焼きます。ここで塩・こしょうを振って、下味をつけ、3分ほど加熱してください。
「なすはスポンジのように油をグングン吸う野菜。ただ吸った分だけ時間が経つと外に出てくるので、油を吸いすぎたなすはベチャベチャに。今回は油と水が混ざった中になすを投入するので、最低限のオイルで蒸し煮にするようなイメージです。
にんにくたっぷりのガーリックオイルをなすにどんどん吸わせましょう。前回のトマトパスタでは、なすを焼きつけてから一度取り出しましたが、この方法なら一気に作れますよ」
(4)トマトを2〜3分加熱する
トマトを入れ、軽く煮崩れるまで2〜3分加熱します。これでソースはほぼ完成です。ここで一度火を止めて、パスタをゆでましょう。
「慣れてきたらパスタをゆでている間にソースを作れますが、初めはソースをある程度まで仕上げてからパスタをゆでた方が落ち着いて作業できますよ」
(5)パスタをゆでる
パスタは表示時間より1分短くゆでます。今回は8分ゆでのパスタを使うので、7分間ゆでました。
「1分短めにゆでておき、この後パスタにソースをじっくり吸わせます。ソースと絡める時にゆで汁を使うので、ゆで汁は全部捨てずに100〜200ml程度取っておいてくださいね」
(6)パスタにソースを吸わせる
ゆで上がったパスタをフライパンに加えて、ソースをしっかり吸わせます。先程取っておいたゆで汁適量(分量外)を加え、味見をして、塩・こしょう(共に分量外)で味を調えてください。
「ソースがとろりと乳化してきたらOK! パスタにソースをたっぷり吸わせましょう」
(7)できあがり!
皿に盛り付けて、好みでちぎったバジルを散らし、粉チーズを振ったら完成です!
口に運ぶと、爽やかなトマトの酸味がふわっと広がります。これはトマト缶にはない味わい! なるほど、煮崩れたトマト自体がおいしいソースになっているんですね。さらに、なすを噛み締めるとふっくらジューシー! 水分も含んでいるからか、オイルでギトギトした感じがまったくないので、罪悪感なくフォークがどんどん進みます。
にんにくをガッツリ入れたのに、そこまでにんにくがキツくないのも不思議。味付けは塩&こしょうオンリーと至ってシンプルなので、トマトやなすの素材の味が生きています。濃い味が好みの人は、粉チーズをたっぷり振るといいですね。
「トマト缶は完熟トマトを使っているので濃厚な味になりますが、トマト本来のフレッシュな旨味はなかなか出せません。生のトマトならではの酸味や食感も楽しんでくださいね」
トマト缶は便利ですが、太陽を燦々と浴びて育った旬のトマトをこの季節は味わいたいもの。早速、仕事の合間に1人ランチ用に作ってみたところ、材料がトマト、なす、にんにくと3つだけなので早い! パスタをゆでる湯を沸かしている間にどんどん切って、ゆでている間にソースを作れました。
特にプロの技に驚いたのはなすの加熱。なすって油をグングン吸うので、「こんなにオイルを消費してよいのだろうか……」と、油への背徳感でいつも不安になるのですが、水を加えることで最低限のオリーブオイルで仕上げることができて、ギトギト感がまったくなし! にんにくを焦がす心配もないので焼き付けもラクで、ジュワッとしたなすの素朴な旨味をヘルシーに楽しめました。
元気な夏野菜のおいしさをシンプルに味わえる一皿は、にんにくたっぷりで疲れた夏のパワーチャージにもぴったり! ぜひ、トマト&なすがおいしい季節に試してみてくださいね。
取材・文/岸綾香